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あなたの減量は壊れていないか|Δb検定で見るトレンド変化【制御ダイエット理論⑧】

減量をしていると、こう感じる瞬間がある。

旅行で体重が増えた。
会食の翌日に体重が跳ねた。
逆に、長時間の運動をした翌日は体重が減った。

そして多くの人はこう思う。

「減量が壊れた」
「今日は痩せた」

しかし、本当にそうだろうか。

前回の記事では

体重には半減期がある。脂肪は直線で減る

という話をした。

日々の体重は

脂肪

水分

炎症

グリコーゲン

などの影響を受ける。

つまり体重は

脂肪+ノイズ

である。

図1 体重ノイズ(体重 − 7日移動平均)。
日々の体重は±1〜3kgの範囲で揺れる。
これは脂肪ではなく水分・炎症・グリコーゲンなどによる短期ノイズである。

ではここで疑問が生まれる。

減量が本当に壊れたかどうかは、どう判断すればいいのか。

今回使うのは

Δb検定

という考え方である。


1、トレンドの傾きを見る

体重ログからトレンド線を引くと、そこには

傾き

が存在する。


図2 日次体重ログ。
日々の体重は大きく上下するが、長期的には一方向の減少トレンドが存在する。

この傾き b は

1日あたりどれだけ体重が変化しているか

を意味する。

イベントの前後で傾きが変わったかどうかを

Δb

として計算する。

Δb = b_after − b_before

判定はシンプルだ。

Δb ≈ 0
→ 減量システム正常

Δb < 0
→ 減量加速

Δb > 0
→ 減量停止

つまり

体重ではなくトレンドの傾きで判断する

ということだ。


図3 7日移動平均。短期ノイズを除去すると、減量トレンドが明確に見える。

2、採用したイベント

今回検証したイベントは次の三種類である。

体重が増えそうなイベント
体重が減りそうなイベント
構造を変えるイベント

これらすべてについて、体重ログの前後でΔbを確認した。


会食

2025年8月29日
2025年10月15日
2026年2月28日

これらの会食では、翌日に体重が増えるケースが確認できる。

しかしトレンドの傾きを見ると

Δb ≈ 0

である。

つまり

体重は増えるが、減量は壊れていない。


旅行

2025年9月12日(金沢泊)
2025年9月13日(富山泊)
2025年9月14日(富山泊)

旅行期間中は体重が増加しやすい。

塩分、糖質、食事量の増加により

一時的な体重上昇

が起きる。

しかしトレンドの傾きを見ると

Δb ≈ 0

である。

つまり

旅行でも減量トレンドは壊れていない。


元旦

2026年1月1日

お正月は最も好きなイベントだ。
全力でチートした。

しかしトレンド傾きは

Δb ≈ 0

である。

つまり

年始イベントも減量を壊していない。


体育会の新年会

2026年1月11日

会食イベントと同様に体重の短期上昇が確認される。

しかしトレンドを見ると

Δb ≈ 0

である。

つまり

飲み会イベントでも減量トレンドは維持されている。


長距離ライド

Stravaログから距離の長いライド上位7件を抽出した。

2025年9月13日 95.36km
2024年11月29日 80.94km
2025年11月29日 66.59km
2025年1月19日 64.28km
2025年8月2日 58.35km
2025年9月14日 57.71km
2025年11月16日 56.06km

これらは数時間に及ぶ運動であり

大きなエネルギー消費

が発生する。

直感的には

減量を加速させそう

に見える。

しかしトレンド傾きを見ると

Δb ≈ 0

である。

つまり

長距離ライドでもトレンドは変わらない。

単発の運動イベントは

体重ノイズには影響するが

脂肪トレンドは変えない。


ケトジェニックスーププロコトル開始

唯一、明確なトレンド変化が確認できたイベントがある。

それが

KSC(ケトジェニックスーププロトコル)開始

である。


図5 フェーズ別トレンド。KSC開始後に回帰直線の傾きが大きくなり、減量速度が加速していることが分かる。

KSC開始前のトレンド

−0.045 kg/day

KSC開始後

−0.071 kg/day

つまり

減量速度は約1.6倍

に加速している。

ここでは

Δb < 0

が確認できる。

これは

旅行
会食
長距離ライド

といったイベントとは本質的に違う。

食事構造の変更

つまり

システム入力の変更

だからである。


結論

今回の検証から分かることはシンプルである。

会食は減量を壊さない。
旅行も壊さない。
飲み会も壊さない。
長距離ライドも減量を加速させない。

トレンドを変えるのは

構造変更だけ

である。


図6 体重は指数的に見えるが脂肪は直線で減る。
日々の体重変動はノイズであり、減量の本質はトレンドの傾きで判断する必要がある。

減量を続けていると

イベントのたびに

「壊れた」

と感じてしまう。

しかしそれは

誤検知

である。

減量が本当に壊れたかどうかを判断するには

体重ではなく

トレンドの傾き

を見る必要がある。


次回予告



次回は

なぜ体重はここまで大きく揺れるのか

という話をする。

会食でもない。
旅行でもない。
減量が壊れたわけでもない。

それでも体重は

平気で1〜2kg動く。

この揺れの正体は

体重ノイズ

である。

そしてこのノイズには

実は制御の方法がある。

キーワードは

分散制御

体重変動を構造として理解すると
減量は

「我慢」

ではなく

「安定したシステム」

になる。

次回

体重ノイズを減らす方法|分散制御という考え方
【制御ダイエット理論⑨】

へ続く。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

このシリーズでは、ダイエットを
**努力ではなく「制御問題」**として整理しています。

思想・数理・実例・検証を横断しながら書いています。

全体の構成はこちらの記事一覧からどうぞ。

▶ 制御ダイエット理論|記事一覧
https://note.com/from100_control/n/n526e5811412c

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