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【Q22.山陽本線完全乗車】2.岩国→広島→白市→糸崎→そして尾道へ

(前回の記事はこちらです)



岩国→広島


 10時28分岩国発。この列車も、キリ良く広島まで走る。始発駅である岩国発車の時点で、既に車内はそこそこ混んでおり、もう何両か車輛を増結しても良いのではと感じる。
 和木駅の手前で、11本目の貨物列車とすれ違い。大野浦の手前で、再び車窓に海が拓けるが、この区間の海景はそこまで長く続かない。

 広島市街地に入っていく。宮島口駅の手前で、12本目の貨物。
 自分は、宮島にも厳島神社にも行ったことがある。小学校の時の修学旅行が、広島だったからだ。正直「行った」という事実以上の細かいことは殆んど何も覚えていない。記憶しているのは、一泊した宮島の旅館の部屋で、当時の深夜番組『11PM』を見ようと男子同士で大いに盛り上がり騒いでいたこと等だ。小学校高学年の男子とは、まぁその程度の生物である。
 翌日は、厳島の山の中を少し歩いた記憶がある。土産物屋で、安物の竹製のオモチャの刀を買ったら、担任の女教師に叱られた記憶がある。刀は戦争の道具だから、平和主義に反するというのが、その理由だ。私だけでなく、同じ土産物を買った同級生は、全員同じように叱られていた。思想が強目の教師であった。全てが昭和時代の出来事であり、今から見ると全てが果てしなく遠く感じられる。
 宮島口から広島までの間、山陽本線は広島電鉄と併走する。そこそこ長い区間だ。良い併走動画が撮れるかなと思ったが、期待していたようなチャンスは無かった。新井口駅で13本目の貨物。
 広島近郊区間に入ると、車内はますます混雑の度を増していく。天気の良い春の祝日なので、人々は思い思いに出かけているのであろう。中国地方最大都市に相応しい殷賑ぶりだ。

広島駅入線直前、新幹線と併走

 広島駅に入線する直前で、川を渡る。そのタイミングで、やはり広島に停車する新幹線と併走する。これは何とか撮れた。良い。
 11時18分広島着。次に乗る列車は11時20分発と、これまた慌ただしい。ただ、広島駅の駅スタンプは、昨年来た時に既にゲットしているので、大きな問題はない。発車すると右手の車窓には、広大な貨物ターミナルにマツダスタジアム。向洋駅付近で、14本目の貨物とすれ違う。向洋と書いて「むかいなだ」と読む。

広島駅発車直後に見える、マツダスタジアム

広島→瀬野のスカイレール遺構→白市


 海田市駅で、南へ向かう呉線と別れる。呉線は海岸線に沿って遠回りで三原まで進み、山陽本線は広島の内陸部を進む。しばらくは、宅地開発が進んだ、いわゆるニュータウンの景観が続く。中野東駅手前で、貨物15本目。
 瀬野駅入線時の左側車窓に、昨年春に廃線となった新交通システム、スカイレールの駅と軌道が見える。山上に造成された住宅エリアと瀬野駅前を結ぶ、ロープウェイのような懸垂型モノレールであった。廃線直前に自分も乗りに行ったが、急角度で上下移動をしつつ急カーブを曲がる、実に愉快な乗り物であった。

丘陵地に向かって伸びる、スカイレールの遺構

※スカイレール乗車記事はこちらです↓↓↓


 瀬野駅から先は駅間距離が長くなり、本当に山中を走るようになる。瀬野駅の次の八本松(はちほんまつ)駅は、山陽本線で最も標高の高い駅であると言う。この区間、瀬野駅と八本松駅との間は、「瀬野八」と称される鉄道運行上の難所として知られ、走行に補助動力車が必要とされたとのことだ。上りの貨物列車は、現在でも連結しているという。その八本松の手前で、16本目の貨物とすれ違う。
 海が遠くなった代わりに、今度は川と併走するようになる。広島の山と聞かれて、誰もが知っているような高峰は思い浮かばないが、ごく普通の山地がとにかくどこまでも長く厚く広く続き、そこから豊富な水が得られるというようなイメージがある。車窓からチラリとその川を眺めただけで、何だかいかにも良い日本酒が造れそうな気がしてくる。
 しかしその想像は、このエリアの中心都市である西条が、酒どころとして有名であるという予備知識が作用したものかもしれない。もしくは、単純に早朝から電車に揺られながら酒を呑み続けたため、脳までアルコールに浸されてしまったからかもしれない。
 その西条に向けて列車は勾配を下り、やがて市街地に至る。終点の白市手前で、すれ違い貨物17本目。時は正午を回る。12時06分、白市着。

午後の広島県内を進み、白市→糸崎→そして尾道へ

 白市駅、無人、駅スタンプ無し。ここも小月と同じように、運行管理上設定された終点なのだろう。広島空港の最寄り駅らしく、駅前にはタクシーやバスの乗り場があるが、見たところ利用者は少ない感じであった。白市駅では、岡山方面へ向かう貨物列車を目撃した。

白市駅より広島側を望む

 駅の出口がある北側は、すぐに登り坂になっている。時間が無いので駅から余り遠くには行けないが、少し登ってみる。北東の高台からはカーブしながら西に伸びる山陽本線が、遠くまで良く見渡せ、撮影スポットになりそうだ。
 12時36分、白市発。糸崎行き。本郷手前ですれ違い貨物18本目。三原手前で19本目。糸崎は三原の一つ先の駅だ。13時11分着。駅周辺には広大な車両基地が広がる。やはり無人駅で、駅スタンプは見当たらない。

 13時57分、糸崎発。その次の駅は……尾道だ! 14時05分、尾道着。この瞬間を以って、山陽本線完全乗車を達成した。同時に、20本目の貨物列車が対面のホームを通過していく。

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青条 詩的散文・物語性の無い散文を創作・公開しています。何か心に残るものがありましたら、サポート頂けると嬉しいです。

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