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【Q22.山陽本線完全乗車】1.小倉→下関→小月→徳山→岩国

(前回の記事はこちらです)



45分で九州を脱出


 浅野港から小倉駅までは、幹線道路で一直線に繋がっており、迷う要素は全く無い。車線数が多い立派な道だ。交通量、物流量の多さが推測される。港を出入りする大型貨物車輛の盛んな往来が想像される。しばらく歩くと、まだ暗い街に皓皓と白い光を放つJR小倉駅の巨大な駅舎が見えてくる。さすがは、新幹線完全停車駅だ。

早朝の小倉駅です

 5時28分、駅前のローソンにて買い物。朝の電車の中で飲む、卯飲用の酒と、そのツマミを調達する。広大な駅前ロータリーを回り込み、5時35分小倉駅着。こちら側は新幹線駅側であり、在来線ホームまではまだ距離がある。少し急ぐ。

 駅構内のエスカレーターを上る時に見た、鉄郎とメーテルの巨大な壁画が、唯一の小倉らしい観光体験となった。『銀河鉄道999』の作者、松本零士が小倉で少年時代を過ごしたことから、この絵画が掲示されているのだろうが、西武池袋線でも似たようなものは見られそうであった。
 時間に追われながらも、駅スタンプを押すことに成功する。昨日に引き続き、青春18きっぷにて駅に入構。始発列車に直ちに乗車。ホームでは、オールナイトで遊んでいたと思われる若者の集団が、輪になって大声で喋っている。そう言えば今日は祝日だった。

 5時47分発。下関行き。客はそれなりに乗っている。車内放送が、四月一日からの、JR九州の運賃改定について知らせる。デッドセクションのためか、車内はしばしば照明が落ちる。やがて門司を過ぎ、関門海峡トンネルに入る。自分は、関門海峡トンネルは、子供の頃から何度も通っているが、いずれも新幹線か、自動車道のトンネルであったように思う。山陽本線のトンネルを通るのは、これが初めてかもしれない。

本州上陸

 関門海峡トンネルは、ごく短い。5時57分、本州上陸。二日ぶりの本州だ。フェリーを下船し上陸したのが5時12分だったので、九州滞在時間は正味45分、一時間未満ということになる。九州通過RTAとしては、なかなかの記録と言えないこともない。

すれ違う貨物列車をカウントしてみる


 6時01分、終点下関着。次に乗る列車は6時07分発だ。乗り換え時間は僅かだが、窓口で駅スタンプを借りて押す。無事成功。下関の駅員はテキパキしていて良い。

 定刻通りに下関発。ほとんどの客が、二駅隣の新幹線駅、新下関で降りる。この列車は、少し先の小月という駅が終点なのだが、そこまで乗る客はほとんどいない。おそらく、この列車の最大の使命は、新幹線に乗る客を新下関まで無事に送り届けることであって、小月駅はただ、車両運行上の必要があって進んでいるに過ぎないのであろう。
 6時29分、小月着。「おづき」と読む。無人駅である。スタンプは当然置かれていない。駅前には小さなロータリーがあるが、早朝なのでまだ閑散としている。ここに来た記念に、駅舎や駅前の看板などを撮影する。

小月駅の駅舎です

 6時43分、小月発。徳山行き。山陽本線を、せっかく小倉から始発列車で乗り通しているのだから、一つサブクエストを自分に課してみようと思いつく。すれ違う貨物列車の本数を、全て数えてみよう。

小月駅を発車します

 6時47分、一本目。新幹線高架と交差する厚狭駅にて二本目。7時20分、宇部駅停車時に三本目。宇部駅では、対向のホームに下関行きが停車していたが「発車します」のアナウンスが流れた後も、一分三十秒ほど待機していた。どうしたものだろう?
 ここまで山口県内の車窓を眺めてきたが、広い平野や盆地が拓けるという事がなく、常に狭い平地に、高くない山地が近接しているように思う。
 本由良で貨物四本目、新山口で五本目とすれ違う。新山口では客が次々と乗り込んでくる。ジャージ姿の高校生達。今日は祝日なので、部活の試合か練習だろう。エリートサラリーマンらしき、スーツ姿の若者がボックス席の斜め向かいに座り、通路を挟んで反対側の席には、独り言を呟いている酔っ払いのオッサンが座った。
 新山口は、元の小郡駅である。私が子供の頃はまだ小郡で、そのように覚えたが、いつの間にか改称していた。調べると、市町村合併が盛んに行われた、二一世紀の始めのことだ。
 大道にて貨物六本目。防府駅とその前後だけ、俄かに高架駅となる。そこそこの地方都市のようだ。駅前には巨大イオンが見える。多くの人がここで下車し、エリートサラリーマンも酔っ払いもまた降りていく。防府過ぎで貨物七本目。
 富海直前で海が拓ける。良い景色だ。新南陽出発時に貨物八本目。徳山入線時に待機している貨物九本目。徳山駅8時44分着。駅スタンプを押す。徳山は駅舎と隣接して図書館がある。商業施設と同じ建物内にあり、かなり広い。この時間から既に開いている。何て素晴らしい街だと思うが、ゆっくりと見る時間はない。駅前のセブンイレブンにて買い物をし、駅に戻る。徳山で待機中の9時08分頃に十本目の貨物。

徳山駅に隣接したツタヤ図書館です

 9時15分、徳山発。この列車は、キリ良く岩国まで走る。下松駅から光駅までは国道と併走し、光駅に近づくと瀬戸内海が見えてくる。いずれも素晴らしい車窓だ。柳井から柳井港の間は、巨大な煙突が聳え立ち、柳井港、大畠、神代(こうじろ)、由宇と、海岸線に最接近した佳景が連続する。早春の午前の多島海の穏やかさが、見る人の心もまた穏やかにする。

瀬戸内海を右手に眺めつつ、列車は進んでいきます

 10時27分、岩国着。乗り継ぐ列車の発車時刻は僅か一分後なので、ここではスタンプを押すことは出来なかった。

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青条 詩的散文・物語性の無い散文を創作・公開しています。何か心に残るものがありましたら、サポート頂けると嬉しいです。

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