細田守ギャラリー
「果てしなきスカーレット」を受け容れられない人が多い理由は、
1、細田の絵についての理解が行き渡っていない
2、重層性のあるストーリーについて理解が行き渡っていない
2点あります。後者は後述しますが、まずはギャラリーで絵の傾向把握いただきます。
元来固定視点、左右対称のシンプルな作風です。コントラストは低く、平面的です。
しかし構図能力が極めて高く、常にセンターラインがピシっと決まり、上下バランスも常に最適、というのが素晴らしいところです。日本人の場合カメラが少しうつむきすぎる人が多いですね(つまり画面の中で被写体が上にきすぎる)。ここらへん西洋絵画をきっちり勉強した実力です。写真家業界に「一に構図、二にピント、三、四がなくて、五に露出」という言葉がありますが、絵作りの最も基本的な能力が極端に高い。
ワンピース以降並べます。着実に進歩していますが、未来のミライで一番伸びたかも。伸びるとコケるわけですね。あとエグい絵を使うとコケる。わかりやすいですね。
まずはそれぞれの絵でセンターラインだけ意識してご覧ください。センターラインの作家です。


ギャラリー
ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島

















時をかける少女



















サマーウォーズ
婆ちゃん死んだ時の縁側で横スクロールの大勝負しているのですが、小綺麗すぎて大勝負に見えません。















おおかみこどもの雨と雪
雨と雪の小学生時代で、横スクロール行ったり来たりのこれまた大勝負敢行しています。自然すぎて大勝負に見えませんが。

















バケモノの子















未来のミライ
不気味な列車がなければもっと入ったかもしれません。フルパワー出すとどうしても不気味シーン作りたくなるタイプのようです。不気味でも綺麗なんですが、、、









































竜とそばかすの姫
歌のシーン、どうにもならない優秀さです。母を飲み込んだ川=竜です。






































果てしなきスカーレット







重層性について
重層性のある作品が、存在します。全ての作品に重層性があるわけではありませんが。
文学では
がわかりやすいと思います。
映画では、
でしょうか。
「果てしなきスカーレット」でも、重層性に着目した読解をする人も既に存在します。
この読解を認めるかどうかは各人の勝手です。そこは自由です。でもこの作品の重層性を認めない読解は、残念ながら赤点になります。重層性を前提に理解してゆくべき映画です。
酷評している人はたいてい単層で読んでますね。そしてヨイショでもなく励ましているのでもなく、ただ文字通りの意味で、そういう人、酷評している人は資質があります。単層で読んで矛盾が気になる→重層に気づく、というのが一般的な読解深化の発展だからです。単層で読む問題点をこれほど多くの人が気づいたのは、史上初ではないでしょうか。
実はアカデミズムの文学研究者でも、評論家でも、重層性に気が付かない、あるいはうっすら気づいても足を踏み入れてない人は大量に居ます。作品を理解することを、はなから諦めている人です。無論必死で取り組んでいる人も居ます。
現在スカーレットを酷評している方々は、誰に教わったでもなく、自分から重層性のドアに手を伸ばしました。まだドアは開いていませんが、ドアノブに手はかかっています。いいカンしています。
