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表彰店は、本当に“全店の理想”なのか

セブンイレブンの表彰店システムについて、加盟店オーナーとして考える

セブンイレブンには、いわゆる表彰店という仕組みがあります。

優秀な店舗を表彰する。
頑張っている店舗を評価する。
良い事例を共有する。
他の加盟店にも刺激を与える。

表向きには、とても良い制度に見えます。

頑張った店が評価される。
結果を出した店が認められる。
良い取り組みが横展開される。

それ自体を、私は全否定するつもりはありません。

頑張った店を褒めることも、良い事例を共有することも、組織としては意味があると思います。

ただ、加盟店オーナーとして長くこの仕事をしていると、どうしても引っかかる部分があります。

それは、表彰店として評価される基準が、本当に加盟店の経営にとって必要なものなのか、ということです。

もっと言えば、
本部がその時々で「これが良い店です」と定義したものを、加盟店が追いかける構造そのものが、本当に健全なのか
という疑問です。

表彰店の基準は、その時々の本部の思想で変わる

私がまず気になるのは、表彰店の基準が絶対的なものではないということです。

その時々の本部の経営方針。
その時々の社長の思想。
その時々の重点政策。
その時々に本部が加盟店にやってほしいこと。

そういったものによって、評価される店の姿は変わっていくように感じます。

たとえば、以前の永松社長の時代には、接客がかなり強く打ち出されていたように思います。

接客を良くする。
お客様に気持ちよく買い物をしていただく。
店舗の印象を良くする。
チェーン全体のブランド価値を高める。

それは、それだけ聞けば正しいことです。

一方で、今の本部が何を一番強く評価したいのかは、まだ私には明確には見えていません。

ただ、今の流れを見ると、本部が打ち出している政策に対して、加盟店がどれだけきちんとその通りに取り組めているか。
特に、新システムをうまく使えているか。
本部が用意した仕組みをどれだけ活用できているか。

このあたりが、かなり大きな評価軸になっていくのではないかと感じています。

もちろん、新システムが本当に素晴らしく、店舗の管理や分析に役立ち、加盟店の経営改善につながるのであれば、それを進めることには意味があります。

しかし、問題はそこです。

本部がやってほしいことを、加盟店が一生懸命やる。
そして、本部が「よくできました」と評価する。
それが表彰店制度の中心になっているとしたら、果たしてそれは本当に健全なのか。

私はそこに違和感があります。

本部の「こうあるべき」は、加盟店の経営目標なのか

たとえば、表彰の基準が法令遵守であるなら、私はかなり納得できます。

労務管理がきちんとできている。
未払い賃金がない。
有給管理が適正である。
社会保険や労働時間管理が正しく行われている。
安全衛生が守られている。
従業員教育が仕組みとして整っている。
未成年者への販売防止や衛生管理など、社会的に必要なことが徹底されている。

こういう店を評価するのであれば、本部と加盟店の利益はかなり一致します。

法令遵守は、加盟店にとっても必要です。
本部にとっても、チェーン全体の信用を守るために必要です。
社会に対しても必要です。

これは共通の土台です。

しかし、接客や本部施策や新システムの活用となると、少し話が変わります。

接客が大事なのは分かります。
小売業ですから、お客様対応は大切です。

本部施策に協力することも、チェーンの一員として必要な場面はあるでしょう。

新システムを使うことも、役に立つ部分があるなら当然使えばいい。

ただ、それらをどこまでやるか。
どこまで人件費をかけるか。
どこまで従業員に負担をかけるか。
どこまでオーナーが現場に入り込むか。
どこまで自社の経営方針として取り込むか。

これは、本来かなり加盟店側の経営判断の領域ではないでしょうか。

フランチャイズという器の中で、最低限守るべき基準はあります。

しかし、その上でどう運営するかは、各オーナーが自分の会社の状況に応じて考えるべき部分です。

にもかかわらず、本部が情緒的に「こうあるべき」と理想像を示し、それに向かって走る店を表彰する。

そこに、私は違和感があります。

接客コンテストへの違和感

以前、接客が強く打ち出されていた時期に、接客コンテストのようなものがありました。

接客を大事にすること自体は、もちろん否定しません。

お客様に不快な思いをさせない。
失礼のない対応をする。
正確に、早く、安定したレジ対応をする。
困っているお客様にはきちんと対応する。

これは当然です。

そして、フランチャイズとして本部が加盟店に提供すべきなのは、まずこの平均化された接客水準だと思っています。

誰が入っても、一定水準でできる。
忙しい時間帯でも破綻しない。
過剰な感情労働に頼らない。
店舗ごとのバラつきを少なくする。
お客様に不快感を与えない。

これが、フランチャイズのパッケージとしてあるべき接客ではないでしょうか。

その上で、感動接客をしたい店はやればいいと思います。

それは、その店の方針です。
そのオーナーの考え方です。
その地域のお客様との関係性です。
その店の人員体制や教育水準があって、初めてできることです。

そこまでできる店が、独自に取り組むこと自体は素晴らしいと思います。

ただし、それを全店が目指すべき理想像のように扱うことには、私は違和感があります。

接客コンテストのような場で、感動的な接客や演劇的な接客を披露する。
それを本部が評価し、表彰する。
そして、さもそれが「良い店の姿」であるかのように共有される。

ここが気持ち悪いのです。

「おばあちゃん、今日は暑い中来てくれてありがとう」
「どこから来たの」
「気をつけて帰ってね」

もちろん、そういう声かけが自然に出る場面はあるでしょう。

常連さんとの関係性の中で、そういう接客が生まれる店もあると思います。

でも、それは本来、各店舗の自主性の中で生まれるものではないでしょうか。

現場は舞台ではありません。

レジは混みます。
納品もあります。
発注もあります。
清掃もあります。
公共料金もあります。
宅配便もあります。
FFもあります。
クレームもあります。
人手不足もあります。

その中で、演劇的な感動接客を標準の理想像にするのではなく、まずは誰でも一定水準でできる、安定した接客を作る方がフランチャイズとしては健全ではないかと思います。

私は、接客を否定しているのではありません。

むしろ逆です。

接客が大事だからこそ、情緒や演劇ではなく、標準化された仕組みとして考えるべきだと思っています。

その上で、各店が自分の方針として、さらに上の接客を目指す。

それなら健全です。

でも、本部がその特殊な成功例を表彰し、全店に理想像として掲げる。

そこには、やはり違和感があります。

特殊な取り組みは、加盟店の自主性であるべきではないか

本部が加盟店からチャージを取っている以上、まず提供すべきなのは、誰でも再現しやすい標準化された仕組みだと思います。

普通の人が、普通に努力すれば、一定水準の接客ができる。
新人でも、研修を受ければ、最低限の水準に届く。
人が入れ替わっても、店が大きく崩れない。

これが本部の役割ではないでしょうか。

その上で、加盟店が自発的に感動接客をする。
地域のお客様と深い関係を作る。
独自の取り組みをする。
たまたま成果が出る。
その事例を共有したい。

ここまでは分かります。

しかし、それを本部が「良い店の基準」として表彰し、全店に向けて理想像として示すとなると、話が変わります。

なぜなら、それはフランチャイズのパッケージとして本部が責任を持って提供しているものではなく、加盟店側の自主的な努力や、たまたま恵まれた人材、地域性、店舗の余裕によって成り立っているものかもしれないからです。

そういう特殊な取り組みを、全店が目指すべきもののように扱うのは、私は違うと思います。

最低限のこと。
普通のこと。
誰でも一定水準でできること。

これはフランチャイズ本部がパッケージとして整えるべきです。

それ以上のことは、各オーナーが自分の店の方針として考えてやる。

その方が健全ではないでしょうか。

表彰店の成果には、努力だけでは説明できない部分がある

ここで誤解されたくないのですが、私は表彰店になった店の努力を否定しているわけではありません。

表彰される店は、実際に努力していると思います。

オーナーも頑張っている。
店長も頑張っている。
従業員も頑張っている。
本部施策にも前向きに取り組んでいる。
接客も、売場も、発注も、教育も、一定以上のレベルにある。

それは間違いないと思います。

ただ、それでも私は思うのです。

その成果は、本当に努力だけで説明できるのか。

店舗経営には、努力だけではどうにもならない要素がかなりあります。

立地。
客層。
競合環境。
近隣施設。
駐車場の入りやすさ。
周辺人口。
周辺企業。
学校。
道路付け。
人材の集まりやすさ。
最初に採用できた人の質。
開店直後の流れ。
地域との相性。

こういうものは、オーナーの努力だけで決まるものではありません。

もちろん、努力で改善できる部分はあります。
そこを何とかするのが経営者だ、という意見も分かります。

でも、現実には、同じ能力のオーナーが同じ努力をしても、スタート地点や外部環境によって結果はかなり変わります。

最初にうまく転がった店は、その後も楽になります。

最初から人に恵まれた。
最初から売上がある程度あった。
最初から地域に受け入れられた。
最初から良い店長候補がいた。
最初から近隣環境に恵まれていた。

こういう店は、次の一手も打ちやすい。

人も集まりやすい。
教育にも時間をかけやすい。
多少の失敗も吸収できる。
本部施策にも前向きに取り組みやすい。
表彰を狙う余裕も出てくる。

一方で、最初につまずいた店は違います。

立地で苦戦する。
人が集まらない。
採用しても定着しない。
売上が安定しない。
オーナーが現場に張り付く。
教育に時間をかける余裕がない。
本部施策どころではない。
目の前のシフトと資金繰りで精一杯になる。

同じ能力があったとしても、最初の転がり方で、その後の難易度は大きく変わります。

これは、きれいごとではなく現実です。

100分の1の成功事例を、一般化してはいけない

表彰店は、地区で毎年一組か二組しか選ばれないような存在です。

仮に100店に1店のような割合だとするなら、それはかなり特殊な事例です。

もちろん、特殊な事例から学ぶことはあります。

良い売場。
良い接客。
良い従業員教育。
良い本部施策の活用。
良い店舗運営。

参考にできる部分はあるでしょう。

でも、参考にすることと、一般化することは違います。

「この店はこうやって成功しました」

これは分かります。

しかし、

「だから、みなさんもこうしましょう」
「この店を目指しましょう」
「これが良い店の姿です」

となると、話は変わります。

なぜなら、その店がうまくいった背景には、その店固有の条件があるからです。

立地が違う。
人材が違う。
客層が違う。
競合が違う。
オーナーの年齢も体力も違う。
家族構成も違う。
店長の有無も違う。
資金余力も違う。
地域性も違う。

それなのに、結果だけを切り取って、全店に理想像として提示する。

これは危険です。

フランチャイズというものは、本来もう少し再現性のあるものではないのでしょうか。

特別な才能や、特別な人材や、特別な立地や、特別な熱量がないと届かないものを理想像として掲げるなら、それはフランチャイズの強みと矛盾しているように思います。

誰でも簡単に成功できるとは言いません。

でも、普通の人が、普通に努力し、一定の型に沿って運営すれば、一定水準の成果に近づける。

それがフランチャイズの価値ではないのでしょうか。

もし表彰店制度が、100分の1の特殊条件を持つ店を褒め称え、その姿を全店に求める装置になっているなら、そこには慎重であるべきだと思います。

表彰店は、法令遵守という土台の上に立っているのか

もう一つ、私が気になることがあります。

それは、表彰店として評価される店が、そもそも法令遵守や労務管理の面で、きちんと健全な運営をしているのかという点です。

ここを見ずに、接客が良い、売場が良い、本部施策に前向き、新システムをよく使っている、販売数が良い、という部分だけを見て表彰してしまうと、かなりいびつなことになります。

たとえば、同じように成果を出している店があったとします。

一方の店は、労務管理をきちんと行っている。
有給管理もしている。
社会保険も適正に見ている。
労働時間も管理している。
休憩も取らせている。
従業員教育も記録している。
福利厚生や職場環境にも気を配っている。
その上で、接客や売場や本部施策にも取り組んでいる。

これは、健全な成果だと思います。

しかし、もう一方の店はどうでしょうか。

表面上は売場がきれい。
接客も良い。
本部施策にも前向き。
数字も出ている。
OFCから見ても報告しやすい。
表彰店らしく見える。

でも、その裏で、労務管理が甘い。
休憩が曖昧。
有給管理が雑。
社会保険や労働時間の確認が不十分。
特定の従業員や家族労働に過度な負担がかかっている。
本部に褒められる方向へ走るために、現場の見えない部分を犠牲にしている。

もしそういう店が表彰されるのであれば、それは本当に「良い店」と言えるのでしょうか。

私はここに、かなり疑問があります。

もちろん、個別の店を名指しでどうこう言うつもりはありません。
また、表彰店のすべてがそうだと言っているわけでもありません。

ただ、現場の肌感覚として、私はいささか疑問に感じることがあります。

本当にその店は、法令遵守という土台の上に成果を出しているのか。
それとも、見えにくい部分を犠牲にしながら、本部が評価しやすい部分だけをきれいに整えているのか。

ここを見ずに表彰してしまうと、制度としてかなり危ういと思います。

その成果は、何を犠牲にして作られているのか

表彰店を見るときに、もう一つ考えなければいけないことがあります。

それは、
その成果が、何を犠牲にして作られているのか
ということです。

店舗経営のリソースは無限ではありません。

お金も限られています。
人も限られています。
時間も限られています。
オーナーの体力も限られています。
従業員の労力も限られています。

その限られたリソースを、どこに使うのか。

ここに、各オーナーの経営判断があります。

たとえば、福利厚生にお金をかける。
労務管理を整える。
社会保険、有給、休憩、労働時間管理をきちんとする。
従業員が無理なく働けるようにする。
教育や記録に時間を使う。
人が辞めにくい職場を作る。

こういうところにリソースを使えば、当然、その分だけ他に使えるリソースは少なくなります。

お店の美化。
売場づくり。
本部施策への追加対応。
販促物の作成。
接客コンテスト的な取り組み。
重点商品の販売強化。
特別な教育や演出。

こういうところに回せるお金や時間や人手は、当然限られてきます。

逆に、本部に評価されやすい部分にリソースを集中すれば、表面上はとても良い店に見えるかもしれません。

売場がきれい。
接客が良い。
本部施策に前向き。
重点商品も売れている。
新システムも使えている。
OFCが上司に報告しやすい。

でも、その裏で、労務管理や福利厚生、従業員の負担軽減、法令遵守の確認が後回しになっているとしたら、それは本当に良い店なのでしょうか。

私はここに、大きな疑問があります。

本部は、都合のいい部分だけを見ていないか

もちろん、あれもこれも全部できている店があるなら、それは本当にすごいと思います。

労務管理も適正。
法令遵守もできている。
福利厚生にも配慮している。
従業員も無理なく働けている。
その上で、売場もきれい。
接客も良い。
本部施策にも前向き。
数字も出ている。

ここまでできているなら、それは素直に評価されるべきです。

ただ、現実に中小零細の加盟店が、あっちにもこっちにも十分なリソースを注げるかというと、なかなか難しいと思います。

福利厚生や労務管理にしっかりお金と時間を使えば、別の部分に使える余力は減る。
人を厚くすれば、人件費は上がる。
休憩や有給をしっかり取れる体制にすれば、シフト運営は難しくなる。
従業員を守る方向にリソースを使えば、売場や販促に回せる労力は減ることもある。

そこに対して、葛藤を持っているオーナーもいるのではないでしょうか。

「本当はもっと売場もきれいにしたい」
「本部施策にももっと取り組みたい」
「でも、まずは従業員の労務管理や職場環境を整えないといけない」
「限られたリソースの中で、全部はできない」

こういう葛藤は、現場にはあるはずです。

にもかかわらず、本部が表に見える部分だけを評価する。

売場。
接客。
販売数。
本部施策への取り組み。
新システムの活用。
OFCが見やすい成果。

こういうところだけを見て「良い店」とするなら、それはかなり気持ち悪い。

なぜなら、その店が本当に健全な土台の上に立っているのかを見ていない可能性があるからです。

限られたリソースの配分まで見ているのか

店舗経営は、リソース配分です。

どこにお金を使うのか。
どこに人を使うのか。
どこに時間を使うのか。
どこにオーナーの注意を向けるのか。

これは、すべて経営判断です。

表彰店制度が本当に加盟店の経営力を評価するものなら、表面の成果だけではなく、その裏側のリソース配分まで見なければいけないと思います。

その売場は、適正な労務管理の上に作られているのか。
その接客は、従業員に過剰な感情労働を押し付けていないか。
その本部施策への取り組みは、家族労働や特定のスタッフの犠牲で成り立っていないか。
その数字は、会社として長く続けられる形で出ているのか。

ここを見ずに表彰するなら、それは本当に「良い店」を選んでいるとは言えないのではないでしょうか。

本部が見たいもの。
本部が評価しやすいもの。
本部が成功事例として使いやすいもの。

そこだけを見ていないか。

私は、そこに気持ち悪さを感じています。

表彰店制度は、人参になっていないか

本部が「こうあるべき」という理想を示す。

それに向かって加盟店が一生懸命走る。

そして、できた店を表彰する。

これは、見方を変えれば、人参をぶら下げて走らせる仕組みでもあります。

もちろん、モチベーションになる部分はあるでしょう。

表彰されれば嬉しい。
名前が出れば誇らしい。
OFCや管理職に褒められれば悪い気はしない。
他の加盟店に紹介されれば、自分の店が認められたように感じる。

でも、ここが危ないと思っています。

オーナーは、本部に褒められるために経営しているわけではありません。

本部の理想像に近づくために、会社を経営しているわけでもありません。

自分の会社を守るため。
従業員を守るため。
長く商売を続けるため。
最終的に会社として健全に残るため。

そのために経営しているはずです。

にもかかわらず、表彰店制度があることで、目的がすり替わることがあります。

本部に褒められる店。
表彰される店。
OFCが上司に報告しやすい店。
地区の成功事例として紹介される店。

そこを目指すことが、いつの間にか経営目標のようになってしまう。

私はそこが怖いのです。

それでも、信じて走れる人が多いのはセブンの強みかもしれない

ただ、ここで少し複雑なのは、そういう本部の方針を信じて走れる人がたくさんいることも、セブンイレブンの強みなのかもしれない、ということです。

本部が「接客を大事にしましょう」と言えば、全力で接客を磨く。
本部が「この商品を売りましょう」と言えば、全力で売る。
本部が「このシステムを使いましょう」と言えば、全力で使う。
本部が「この店がモデルです」と言えば、そこを目指す。

それができる人がたくさんいる。

これは、チェーンとして見れば強いです。

本部の方針が現場に届きやすい。
一斉に動ける。
成功事例を横展開しやすい。
ブランドとしての統一感も出やすい。

だから、これがセブンイレブンの強さであることも、私は否定しません。

ただし、加盟店オーナーとしては、そこに飲み込まれてはいけないと思っています。

本部が出す理想像。
表彰店という人参。
接客コンテストのような情緒的な評価。
100分の1の成功事例。

それらを、何も考えずに追いかけていいのか。

ここは、オーナーが自分の頭で考える必要があります。

本部が褒める店と、加盟店会社にとって強い店は同じとは限らない

表彰店とは、本部が考える「今の理想の加盟店」を可視化する制度なのかもしれません。

その時々の本部の重点政策。
その時々の社長の思想。
その時々に本部が他店へ広げたい取り組み。

それをうまく実行している店が表彰される。

そう考えると、表彰店制度の意味はよく分かります。

本部にとっては、成功事例を作りたい。
他店に展開したい。
社内にも報告したい。
加盟店にも刺激を与えたい。

それは理解できます。

しかし、加盟店側は、それをそのまま自社の経営目標にしていいのかを考えなければいけません。

本部に褒められること。
表彰されること。
地区で名前が上がること。
OFCに成功事例として紹介されること。

これらは気持ちがいいです。

でも、それが自社にとって本当に必要なことなのか。

再現性があるのか。
継続可能なのか。
人に無理をさせていないか。
運に支えられていないか。
本部の方針が変わった時に、また別の方向へ走らされるだけではないのか。

ここを考えないと危ないです。

最後に

私は、表彰店制度を全否定しているわけではありません。

頑張った店を認めることには意味があります。
良い事例を共有することにも意味があります。
本部と加盟店が、共通して大事にすべき指標を確認する場として機能するなら、それは有意義だと思います。

ただし、その評価軸が本当に加盟店と本部で共有できるものなのか。

法令遵守や労務管理のように、誰が見ても必要な土台なのか。
それとも、本部がその時々でやってほしいことを、加盟店に走らせるための理想像なのか。

ここは、きちんと見極める必要があります。

表彰店とは、本部が考える「今の良い店」かもしれません。

しかし、それが加盟店会社にとって本当に強い店とは限りません。

100分の1の成功事例を見て、
「あの店のようになりましょう」
と言われた時、オーナーは一度立ち止まった方がいいと思います。

その店の成果は、自分の店でも再現できるものなのか。
自社の人員、立地、客層、資金、労務状況で本当に真似できるのか。
その取り組みは、継続できるのか。
それは本部のためなのか、自社のためなのか。

そして何より、その店は本当に法令遵守と労務管理の土台の上に立っているのか。

私の現場の肌感覚では、かなりこの法令遵守という部分はチェックされないまま、その都度その都度の本部にとって都合の良い方針に沿って動けているお店が評価されているように感じることがあります。

もちろん、私の見方がすべて正しいとは思っていません。
表彰店の中には、法令遵守も労務管理もきちんと整えた上で、さらに接客や売場や本部施策にも取り組んでいる、本当に素晴らしい店もあると思います。

ただ、制度として見るなら、そこを本部はどこまで確認しているのでしょうか。

表彰店とは、本部がその時々で見たい成果を出している店なのか。
それとも、加盟店会社として本当に健全に運営されている店なのか。

この違いは、かなり大きいと思います。

世間の皆様、そして同じようにコンビニ経営に関わっている皆様は、どうお考えでしょうか。

表彰店制度は、本当に全加盟店が目指すべき理想像なのでしょうか。
それとも、本部がその時々で進めたい方針を広げるための、都合の良い成功事例なのでしょうか。

ご意見があれば、ぜひお聞かせいただきたいです。


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