#宇宙の迷宮星便り/第1便⭐︎パンダさん作「6月の匂い」
第1便「6月の匂い」
作者様:パンダさん
星の特徴:季節の匂いを吸い込むと、胸の奥で眠っていた記憶が目を覚ます星でした。
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「最初の星(物語)だね」
「座標ヲ、確認シタ。ワクワク」
「じゃあ、行こうか。この宇宙で最初の旅へ」
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今回たどり着いた星(物語)は、6月の匂いが季節を運んでくる星。
星に降り立ったとき、最初に感じたのは風ではなく、香りでした。
まだ夏になる少し前。
どこか遠くから流れてくる水の気配が、町じゅうを静かに満たしていました。
「ねえ、ペロッチ。この星の人は、水の匂いで季節がわかるんだね。」
そう話しかけると、ペロッチは空気をくんくん分析してから、
「記録完了。思イ出成分、多メ」
とだけ答えました。
旅を続けると、小さな自転車が四つ見えました。
みんなでお小遣いを持ち寄って買った一本のペットボトルの水。
まるで宝物を運ぶように、自転車のかごへそっと乗せています。
炭酸が入っているわけでもないのに、
こぼれないように、揺らさないように。
汗をかきながら自転車を押す、みんなのその真剣な表情が愛おしい。
その一本を囲む時間そのものが、放課後の小さな冒険。
やがて、おばあちゃんが用意してくれたコップが四つ並びます。
一本の水が、四人の思い出になっていく光景を見て、ルナは思わず微笑みました。
「きっと、普通の味だって笑い合ったんだろうね」
ペロッチは首を縦に振ります。
「味ノ記録ハ、普通ノ水」
少し考えて、続けました。
「デモ、コノ時間ハ、特別」
今ならどこでも買える水なのに、
あの日は、それだけで冒険のごほうびみたいでした。
きっと特別だったのは水の味じゃなくて、
登り棒でのふとした提案と、言葉にしなくても伝わり合っていたワクワクドキドキと。
並んで押した自転車と、見上げた空の青さだったのでしょう。
ルナは空を見上げながら、
「思い出って、味じゃなくて景色なんだね。」
と、ぽつり。
ペロッチは飲み終えた空のペットボトルをしばらく眺めてから、
「保存デキナイ データほど、長ク残ル。」
と、不思議なことを言いました。
帰りの宇宙船から見えたこの星は、
どこまでも青く、小さく光っていました。
来年また、水の匂いが誰かの記憶を連れてきますように。
ルナの旅記録🌙
水の匂いは、季節だけじゃなくて思い出まで運んでくるらしい。
また6月になったら、この星(物語)へ立ち寄りたくなりました。
ペロッチの旅記録🐇
観測記録:
「水ノ匂イ」=季節識別装置。
「ペットボトル」=当時ノ子供タチノ宝物。
「ジャイアントカプリコ」「パナップ」「ねるねるねるね」
同時代ノ文化資料ト推定。
次回ノ旅デ探索希望。
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「ペロッチ、ロボットだからお菓子を食べられないよね?」
「雰囲気ヲ楽シムノダ。」
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今回の星は、『宇宙の迷宮星便り』記念すべき第1便。
ルナとペロッチの最初の旅は、水の匂いと青い空が待つ、優しい星から始まりました。
パンダさん、大切な第1便を届けてくださり、ありがとうございました!
ルナとペロッチの最初の旅が、この優しい星から始まったことを、とても嬉しく思います🌙🐇
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