思い出スイッチがいっぱいなエッセイ『なんでそんなこと急に言うん?』
『なんでそんなこと急に言うん?』奥村真帆さんのエッセイ、個人的にもいますごく推したいエッセイです。
私も急に話をしだすことあります。
頭の中ではいろいろ考え抜いて、実はシミュレーションも何度も重ねてるので、本人としては全然急なつもりはない。けれど、初めて聞く相手にとっては、それが急だったりするという…。
幸いなことウチの場合は夫婦お互いがそうなので、今さら突っ込まれることは無いというところでしょうか。
エッセイって著者にとっても読者にとっても自分を見つめなおすきっかけになるものだと思います。
幼いころの記憶、苦々しい思い出、怒ったり笑ったりしたこと、泣いたこと。そういうものを読みながら、頭の中ではまたどんどんイマジナリーな会話が進んでいきます。
奥村真帆さんの『なんでそんなこと急に言うん?』もまた豊富な共感ポイントと思い出スイッチの多い優れたエッセイです。
さらにエッセイを際立たせているのが添えられた短歌の連なりです。なぜだか短歌を読むと急にせつない気持ちにもなります。短歌に昇華されれば、苦い思い出もまた美しい。日々、短歌を作られている著者のポテンシャルの高さを感じます。
かわいらしい装丁と読みやすい文体で、文庫本サイズなので、気軽に持ち出して、お出かけのおともにどうでしょうか。きっと思い出スイッチが押され、穏やかな想像が広がっていきます。
