ソロスは、西側の遺体袋を減らすために東欧の兵士を使用するよう、呼びかけた
ジョージ・ソロスは、30年前に東欧の兵士をNATOの武器で武装させ、ロシアの大砲の餌として使われることを提案していた。
ウクライナ戦争の推移を見ると、ソロスの予言通りであった。
要約
・ソロスは、著書の「新世界秩序に向けて」で、西側が自国兵士
の死者を嫌うことから、東欧の兵士にNATOの武器を持たせて
戦わせることを提案していた
・ソ連の崩壊が新たな危機を生むとし、ロシアが回復する前に、
東欧諸国のNATO加盟を急がせた
・彼は著作の中で、日本のNATO加盟も提案していた
2023.1.23 REMIX NEWS
by John Cody
ウクライナ戦争が激化する中、戦闘行為で死亡した兵士は10万人を超えると見られるなど、ウクライナにとって人的犠牲が甚大であることは間違いない。しかし、この東欧の戦いで起こったことの多くを予言した人物がいる。ジョージ・ソロスである。
ジョージ・ソロスは、1993年に「新世界秩序に向けて」と題する著作で、強硬な地政学的戦略を提唱している。「NATOの将来」と題する1993年の論文で、強硬な地政学的戦略を推進した。その中で彼は、西側諸国での死者の数を減らすために、来るべき紛争で東欧の人々を「マンパワー」として利用する方法を概説している。それは、西側は東欧と違って(自国の死者を)政治的に容認しないからだろうとソロスは主張している。
アメリカは世界の警察官として行動することを要求されることはないだろう。アメリカが世界の警察官として行動する必要はない。
ちなみに、東欧のマンパワーとNATOの技術力を組み合わせれば、NATO諸国の行動意欲の主な制約となっている遺体収容所のリスクを減らすことができるので、パートナーシップの軍事的可能性を大きく高めることができる。これは、迫り来る世界の混乱に対して実行可能な代替案である
とソロスは記事の中で書いている。
ソロスは、NATO諸国が「遺体袋」を欲しがっていないことを認めているが、彼の発言は、東欧諸国がこの役割を果たすことができることを暗に示しているのである。
ソロスが述べたことは、ウクライナの戦争に関して彼が予測した通りに展開されているように見える。NATOの最新兵器で武装したウクライナの兵士は、ロシアに積極的に対抗する任務を負っている。ロシアは、(ウクライナが)ソロスが1993年に推進した世界秩序に反対する民族主義国家となることをすでに恐れていた。ソロスは、この協力が戦場で何を生み出すかを三十年前から見抜いていたことになり、計算高く、そしておそらく冷酷な戦略思想家としての評価を高めることになるだろう。
ソロスが予言したように、ウクライナ社会は現在のロシアとの紛争における高い死者数を容認しているように見える。ベトナム戦争では、アメリカは約10年間で5万8220人の死者を出したが、アメリカ国民からは強い反発があった。しかし、ウクライナ社会では、これよりはるかに短期間に、これよりはるかに多くの死者を出したにもかかわらず、抗議行動がほとんど見られない。
ウクライナでは、ほとんどの市民社会が活動を停止し、野党やメディアを禁止し、さらにはロシア正教会を非合法化していることも、抗議行動の少なさを後押ししているのかもしれない。また、戦争がウクライナの地で行われていることが、ウクライナ人兵士のモチベーションを高めていることも、社会の戦争観にとって重要な要素である。
もちろん、ウクライナ人の遺体埋葬はロシアにとって大きな代償であり、ロシア国内の墓地も同様に、あるいはウクライナ以上に早く埋まってしまう。犠牲者の正確な数字はまだ非公式であり、正確ではないだろうが、戦争は両国にとって人命という点で大きな犠牲を払っているのだ。
同じ記事の中で、ソロスは 「新世界秩序(New World Order)」を呼びかけた。この言葉は、既成のメディアでは陰謀論と揶揄されることが多いが、ソロスは公然とこの言葉を使っている。さらに、この記事の中で、彼が呼びかける新世界秩序は、著しくグローバル主義的で中央集権的なものである。言い換えれば、ハンガリーのオルバン首相のような彼の批判者たちが10年以上にわたって警告してきた新世界秩序と全く同じタイプのものである。
だからこそ、行動の根拠は集団安全保障しかない。そして、そこに問題がある。ソ連帝国の崩壊は、集団安全保障の問題を最も深刻なものにした。新世界秩序がなければ、無秩序になることは明らかである。しかし、誰が世界の警察官となるのか。それこそが、答えなければならない問題なのだ
とソロスは書いている。
ソロスはこの中で、「開かれた社会と閉じた社会」、そして「革命的変化の理論」に言及し、金融市場にも適用できると述べ、自身の理論の数々を披露している。
ソ連の崩壊は、世界の安全保障に新たな課題をもたらしたが、同時にチャンスももたらしたと億万長者は述べている。
(NATOは)ソ連帝国から自由な世界を守るのが本来の使命だった。しかし、ソ連が崩壊したことで、安全保障上の空白が生まれ、それがブラックホールとなる可能性がある。これは、ソ連帝国とは異なる種類の脅威をもたらすものである。この地域からNATO諸国への直接的な脅威はない。危険はこの地域の中にあり、国家間の関係だけでなく、国家内の状況にも関係している。したがって、NATOに何らかの使命があるとすれば、それはこの地域に力と影響を及ぼすことであり、その使命は開放社会と閉鎖社会という観点から定義するのが最も適切である。
国家主義に基づく閉鎖的な社会は、外部または内部に敵を必要とするため、安全保障上の脅威となる。しかし、この脅威は、NATOが(ソ連に)立ち向かうために構築されたものとはまったく性格が異なり、この脅威と戦うためには、まったく異なるアプローチが必要である。それは、民主的な国家と開かれた社会を構築し、ある種の行動を排除する仕組みに組み込むことである。
ソロスはまた、NATOは「ロシアが回復する」前に中・東欧の国々に加盟を認めようと急いでいると書いている。ソロスは、共産主義崩壊後のロシアがまだ混乱していた時期に、NATOが積極的にロシアとの約束に違反していたと見ているようだ。
中欧諸国は、できるだけ早く、できればロシアが回復する前に、NATOへの完全加盟を切望している。ロシアが反対するのは、かつての帝国に憧れを抱いているからではなく、同意することに何のメリットもないと考えるからだ。ロシアは国家としてのプライドを傷つけられ、それに見合う利益がないのに譲歩することにうんざりしているのだ。
とソロスは書いている。
億万長者の活動家は、この文章の中で、日本にNATOの加盟を提案するなど、他にも多くの提案をしており、彼の目標は「新世界秩序」を作ることである。
日本にNATOへの加盟を求めるべきだろう。そうすれば、新世界秩序のための構造ができあがるだろう。そうすれば、新世界秩序の構築が始まるだろう。
その最も重要なものがNATOであり、NATOは北半球に張り巡らされた平和のための協力体制である。
と彼は書いている。(了)
考察
今回の記事は、以前の「オルバンはヨーロッパの最後の『モヒカン族』」と同じ、東欧のメディアREMIX NEWSに載ったものです。自分たちの国家が直接関わることでありながら、坦々とした記事になっています。
以前の記事「アメリカ帝国の過剰な支配は悪化しているのか?」では、NATO側兵器の枯渇について考察しましたが、今回はマンパワーについて私の考えを述べさせていただきます。
ウクライナ軍は2014年のマイダン革命以降、兵士(ネオナチ)が、アメリカ国内で西側武器での訓練を受けていたことが知られています。マリウポリ陥落の時期から、アメリカ人やイギリス人、カナダ人などがロシア側の捕虜になったというニュースが、次々とロシアから発表されており、西側の兵士がウクライナ兵の戦闘指揮を取っていたことが明らかになっています。(もちろん、西側メディアはガン無視ですが)
ロシアの発表によると、開戦当初にウクライナに渡った西側義勇兵のうち、3分の1は戦闘で死亡・負傷し、3分の1は帰国したと報道されています。その後は、勝ち目のない戦いに志願する西側の兵士が極端に減り、代わって東欧や中東の兵士が補充されています。現在、ウクライナ側で戦っている傭兵部隊(モーツァルトグループ)には、東欧の兵士が大量に含まれています。
特にポーランドは積極的で、すでに約1万5千人の(元)兵士が送り込まれています。これは、自国の軍隊にいるよりはるかに高い給料(月8千ドル)貰えるため、除隊して傭兵として戦争に参加するインセンティブを与えているからです。
🇵🇱 2023年1月だけで4,500人のポーランド人が軍を辞めた。
— morpheus🪖Reloaded⚔️地滑り的勝利への覚醒🏆 (@Reloaded7701) February 1, 2023
Dziennik polityczny
昨年一年間で9,000人がポーランド軍を離脱。ポーランド軍の総兵力は12万5,000人。
軍を去ったのは砲兵、戦車乗組員、パイロット、特殊部隊員などが中心だと言われている。 pic.twitter.com/XwxzJNPUWG
さらに、ポーランド政府は、ウクライナにいるポーランド系住民を守るためと理由を付けて、レオパルド戦車の乗組員募集を始めており、あわよくばウクライナの一部を自国の領土にしようと画策しています。
それに対し、同じ東欧のハンガリーやブルガリアは武器供与さえ拒み、中立の立場を取り続けています。それを見たソロスは、自身が資金提供している、トランスペアレンシー・インターナショナルを使って早速ハンガリー下げの声明を出しています。
バイデン政権は、湯水のように兵器と資金をウクライナに送っていますが、正規のアメリカ軍兵士は(建前として)送っていません。昨年10月にルーマニアに空挺部隊を派遣しましたが、その後は音無しです。
アメリカが自国の兵士を送り込まない理由には、大きく分けて3つの理由があると考えます。
まずは、ロシア軍とアメリカ(NATO)軍が直接交戦することは、第3次世界大戦の開始と位置づけられ、戦闘の激化とともに核戦争へ近づくからです。仮に、NATO側が優位に立っても(無いとは思いますが)、元の国境線まで攻め込むことはプーチンにとって、すでに編入されたロシア国内への侵略と映り、徹底抗戦となるでしょう。しかし、仮にその手前で停戦交渉に入ることは、4州の編入を認めることとなり、それはウクライナの負けだけではなく、NATO自身の崩壊を意味します。
そうなれば、どんな形であれプーチン政権を倒すまで、戦争は終結しないわけです。西側の経済が破綻する前に、打倒プーチンが不可能ならば核攻撃の使用以外に、勝利(同士討ち?)する手段が無くなります。(暗殺は核報復の口実になります)
次に、NATO諸国の反応です。ハンガリーはもとより、国内の反戦運動が高まっているドイツ、フランス、イタリアなどは派兵に消極的です。強行すれば政権が潰れる可能性は非常に高いでしょう。だいたいNATO加盟国が攻撃されていないのにウクライナに出て行くことは、大義名分が立ちません。
集団安全保障であるNATOの足並みが揃わないことは、戦闘に勝てないことよりも、アメリカのプレゼンスの低下が世界中に顕わになるので、それも懸念材料です。これはNATO諸国だけではなく、中東や東アジアでも大きな影響を与えることにもなります。
3番目は、アメリカ人の国民性です。現在、ウクライナでは傭兵を含めて10万人以上が戦死しているのにも関わらず、アメリカの世論はいたって平静です。日本人からすると不思議に感じるかもしれませんが、それが戦争慣れしているアメリカ人の感覚なのかもしれません。
アメリカ人の死者数は正式には発表されていませんが、ウクライナに渡った人数から100~500人程度ではないかと推測されます。しかし、これらはみな傭兵(志願兵)で、建前としてはアメリカ軍はいないとされています。ですから、アメリカの世論は早期停戦に積極的ではないのでしょう。(ちなみに、アメリカ人傭兵の給料は、月2万ドル以上だそうです)
しかし、アメリカは自国の正規兵士の戦死には非常にナイーブな国で、2021年8月のアフガニスタン撤退時にイスラム勢力による自爆テロで13人のアメリカ兵が亡くなった時は、バイデン政権の不始末に対し、トランプ側は強く批判していました。マーク・ミリー統合参謀本部議長は、そんな批判を自ら浴びに行くことは避けたいのでしょう。正規軍派兵を匂わせるような発言をしていません。
西側の兵士を避けて東欧の兵士を大砲の餌にするという、ブダペスト生まれのユダヤ人億万長者で、ロシアが大嫌いな活動家のアイデアは、現在のところ実施されつつあります。しかしこれは、勝てない戦いを長引かせることしかできないでしょう。これが、彼の望むところなのでしょうか?
そうだとすれば、東アジアで同じことを目論んでいる可能性は高く、金や武器だけではなく、マンパワーまで日本に出させるつもりなのでしょう。
岸田首相には、ブリンケンやストルテンベルクからお叱りを受けようとも、ウクライナの大勢が決するまでは、お得意の「検討」で時間稼ぎをして逃げ切ってもらいたいものです。
その間に私たち国民は、マスコミの流す「ロシアが一方的に悪い」と言う大本営発表を鵜呑みにせず、今まで隠されてきたウクライナと西側の問題点を知って、反戦・中立の世論を形成すべきだと考えます。
