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Cachirula、ソロEP『No hables……』始動──第1弾「Es Triiste」は“踊れるのに切ない”夏の終わりのレゲトン。『SEXOLANDIA』とは違う表情を見せる新フェーズへ

新作リリース 2026/08/13

Es Triiste

 Cachirulaが8月13日、新曲「Es Triiste (feat. Kreamly)」をリリースした。
 本人によれば、今作はソロEPリリース予定の『No hables……』からのファーストシングル。これまでLOOJANとの『SEXOLANDIA』シリーズで強烈なペレオを鳴らしてきた彼女が、少し違った表情を見せる一曲だ。

 リズムの軸にあるのはレゲトンだが、今回はどこか哀愁が漂う。歌われるのは、離れてしまった相手をまだ忘れられない気持ち。「部屋にはあなたの記憶だけが残っている」と過去を振り返りながら、「間違っていたなら許して」「そばにいてほしい」と未練を隠さない。

 もちろんCachirulaらしく、かつてのセックスや身体の記憶もかなり直接的に描かれる。しかし今回は、それが挑発というよりも失った相手を思い出すための記憶として響くのがおもしろい。最後に何度も繰り返される「Y es triste(そして、悲しい)」が、その感情をシンプルに残していく。

 踊れるレゲトンなのに、聴き終わると少し寂しい。夏の終わり、熱気が少しずつ遠ざかっていく時期に似合うような、切なさを帯びたレゲトンだ。

 クレジットを見ると、Kreamlyはボーカル・ゲストというよりプロデューサーとして参加。LOOJANもマスタリングを担当しており、Cachirulaのソロ作品になってもこれまでの制作チームとのつながりは残っている。

 さらにBaja Beach Fest 2026では、Cachirula & LOOJANがHypebeast LATAMのインタビューに登場。Pedro Sampaioとのステージを終えた2人は、現在迎えているキャリアの状況に加え、“2027年に向けて準備していること”についても語っている。具体的な計画の全貌はまだ明らかになっていないが、Cachirulaは同時期に「Es Triiste」をソロEP『No hables …』からの第一弾シングルとして発表。SEXOLANDIAとしての活動と、それぞのソロワークが並行して動き始めている。

「Beca Bellaka」──成功を若者へ還元

 新曲とほぼ同時期には、Cachirula & LOOJANらしい別の動きもあった。8月15日、メキシコシティのIztapalapaで無料ライブを行い、大学生を対象とした「Beca Bellaka」を実施。平均成績9.5〜10の学生を対象に抽選を行い、当選した1名に7,500メキシコペソの学業支援を贈るという企画だった。

 2人は「支援は自分たちの資金から出しており、政党や政治団体とは一切関係ない」と明言している。 Karla(Cachirula本人)は自身のSNSで「私たちを支えてくれるコミュニティに感謝している」とコメント。

 Coachella出演や海外アーティストとのコラボで活動範囲を広げる一方、地元の若者へ還元する動きも始めたCachirula。そして音楽面では、「Es Triiste」を入り口に自身のソロEPへ向かい始めている。

 『SEXOLANDIA』とはまた違うCachirulaが、ここからどんな作品を作るのか。「Es Triiste」は、その新しいフェーズの最初の一曲になりそうだ。

TÍMIDA, SANTA Y PELIGROSA
PEDRO SAMPAIO, Cachirula & LOOJAN       2026/07/29

 Pedro SampaioのBaile Funkが持つ反復的な身体性と、Cachirula & LOOJANのスペイン語レゲトン/ペレオが交差するクロスオーバー曲。
 タイトル「シャイで、清純で、危険」の通り、内気さと大胆さ、無垢と欲望という相反する顔を一人の女性像に重ねるのがテーマだ。

 歌詞の中心にあるのは、タイトル通り、内気で、聖女のように見えて、実は危険という矛盾した女性像です。

 Cachirulaは、批判を気にせず露骨に振る舞う一方で「本当はシャイ」と自己紹介し、Shakiraの「Loba」を思わせる狼のイメージで、本能的に獲物を狙う姿へ変化します。そこからランジェリー、香水、ダンス、身体への欲望が続き、ポルトガル語の「Gostoso/Gostosa」がコール&レスポンスのように反復される。Pedro SampaioのBaile Funkと、Cachirula & LOOJANのレゲトン/ペレオが、言語の切り替えそのものをフックにして交差するクラブ曲です。

 Pedro Sampaioにとって今回のコラボは、国際展開戦略の一環だ。

 アルゼンチンのEmiliaとのJETSKIRemix”、メキシコのEIBoguetoとの”G-LATINA”に続くラテン市場アーティストとの連続コラボの一つで、Brazilian Chaos Tourのアメリカ公演継続と同時に発表された。EIBoguetoとはすでに Tecate EmblemaやFIFA
Fan Festといったメキシコの大型フェスでも共演しており、メキシコのシーンへの接近は今回が初めてではない。
 背景として、Cachirula & LOOJANはCoachella
2026出演やFlow Festを経て国際的な注目を集めつつあった時期。Pedro Sampaio自身も同時期にMonterreyで6万5000人規模のショーをJBalvinと共演するなど、ラテン市場への足場を広げていた。両者の”国際展開のタイミングが重なった”というのが、今出ている事実から読み取れる最も自然な背景だ。

“1besito” – AQUIHAYAQUIHAY & Cachirula        2026/06/15

 これはCachirulaの過去の”Sexolandia”路線とは違う、また新しい方向の一曲。

 TiTisやOtra Cosaの直接的な性描写とは違い、こちらはロマンチックなラブソング寄り。「会いたいって言ってくれるだけでいい、車ですぐ迎えに行く」という夜のドライブへの誘いがテーマの軸。「キス一つと、大麻の袋(una bolsa de weed)」というラインが印象的なフックになっていて、恋愛と気だるい夜の解放感を組み合わせた雰囲気。

AQUIHAYAQUIHAYとは?

 モンテレイ発の集団で、メンバーはJay Lee、Neqer、Phynx、Zizzy、Nehly。R&Bをベースにオルタナ寄りの世界観を作ってきたグループで、約1年間新曲リリースがなかった中での復帰作がこの”1besito”だった。

 リリース前にInstagramで告知したファンとの集会に、3,000人以上がサンコスメ・スケートパークに集まったこともニュースになった。 

 AQUIHAYAQUIHAYにとっては約1年ぶりの新曲で、これを機に本格的なカムバックを果たした形。メンバーは「Cachirulaは、私たちの世界観にとても自然でストリート的なエネルギーを持ち込んでくれた」とコメントしている。 

Otra Cosa      2026/05/21

Cachirula, LOOJAN,
Martinwhite & Santiago Berrio


 Coachella 2026では、チリのMartinwhiteがサプライズ出演し、自身の「CHINGON 2」をCachirula & LOOJANと共演。

 その約1か月後には、4人名義による正式コラボ「Otra Cosa」がリリースされ、ライブで生まれたつながりがスタジオ作品へと発展した。

 「Otra Cosa」は、Cachirula、LOOJAN、Martinwhite、Santiago Berrioによる4者名義のコラボレーション。
 “私はほかの誰とも違う”という自己肯定を軸に、ピンクのリップやキス、身体の魅力をカラフルに並べながら、相手が自分に惹かれる理由を堂々と言い切る。性的な表現はかなり直接的だが、その中心にあるのは「このままの自分が好き」という揺るぎない自信だ。『SEXOLANDIA』らしい官能性を、いつもより軽やかでポップな色彩へと開いた一曲でもある。

 Martinwhiteはチリ出身の新世代アーバン・アーティストで、“グアラチャの王様”とも呼ばれる存在。グアラチャとは、高速の四つ打ち、強いベース、派手なドロップを特徴とする、南米のクラブシーンで発展したエレクトロニック・ダンス音楽だ。本作ではボーカルと作詞に参加し、メキシコ産レゲトンにチリのクラブらしい高揚感を持ち込んでいる。
 一方、コロンビアのSantiago BerrioはBerrio BB名義でプロデュースを担当。3人が組み立てた歌詞とメロディーを、制作面から完成へ導いている。

Millonari - Fito Silva, Cachirula & LOOJAN

どんな曲?一言で言えば、
「大成功への野心と、夜のストリートの狂気を詰め込んだ、超強気なアッパーチューン」。

 ロックスター、グラミー、ダイヤ、Mercedes-AMG、LV。いかにも成金的なモチーフを並べながらも、そこにはただの見栄ではなく、“自分はもっと上に行ける”というギラギラした確信がある。

 歌詞では、成功を掴んでいくプロセスの高揚感がかなりストレートに描かれています。
「今はうまくいっている。時間が経っても、自分はまだここにいる」
「いつかロックスターになるんだと、ずっと考えている」
「クラブを満員にして、街中を騒がせる」
 そんなラインから見えてくるのは、単なるパーティーソングではなく、“成り上がっていく自分”を本気で夢見る感覚です。
 そしてサビでは、さらにCachirulaらしい強気な世界観が爆発します。
 “Millonari”になる。グラミーを手にする。無垢な顔をしながら、最高にヤバいbad bitchたちを引き連れる。
 この下品さ、派手さ、笑えるほどの自己肯定感。
それを隠さず、むしろキャラクターとして押し出しているところが、この曲の魅力です。

 クレジットを見ると、CachirulaとおなじみLOOJANに加えて、Fito Silvaが大きく関わっています。
Fito Silvaはこの曲でパフォーマーとしても参加し、さらにプロデュース面でも重要な役割を担っている人物。

 そのため「Millonari」は、CachirulaとLOOJANのネオ・ペレーオ的なノリに、よりエレクトロニックでフロア向けの質感が加わった曲として聴けます。

CachirullaがBonafont Méxicoの広告キャンペーンに起用

 ペレオと“Sexolandia”の世界観で知られるCachirulaが、今度はメキシコ大手飲料ブランドBonafontの女性キャンペーン「Naturalmente Poderosas」に参加。
 キャンペーンのコンセプトは女性のエンパワーメントと真の強さの称賛で、Cachirullaのコメントとして「一緒ならもっと大きな声で歌える(“Juntas podemos cantar más fuerte”)(自然に、力強く)」というコピーが使われてる。

 かつてはアンダーグラウンドなクラブ文脈にいた彼女が、“本物らしさ”や“女性の強さ”を象徴する存在として企業広告に起用され始めているのはかなり象徴的だ。
 欲望を隠さないこと、自分の身体や感情をそのまま表現すること。
 Cachirulaのスタイルそのものが、いまメキシコのポップカルチャーの中で“新しい女性像”として受け入れられ始めている。

TiTis - Cachirula, Loojan, :
Dj Blass, Dj Aza


2026年3月12日にリリースされた本作はCachirulaLOOJANを中心に、レゲトンのパイオニアDJ Blass、そしてメキシコのDJ Azaが交差するコラボレーション。
 ローカルシーンで拡張を続ける“レゲトンメクサ”と、本場プエルトリコの歴史が接続された構図が特徴的だ。

DJ Blassはレゲトン草創期を支えた重要人物であり、その重厚なクラシック感と、DJ Azaが持ち込む現行のメキシコ的な感覚が一曲の中でぶつかり合っている。

 サウンドは正統派ペレオの文法に忠実で、重く粘るデムボウと湿度の高い空気感が印象的。
 内容的には彼らのプロジェクト「Sexolandia」の延長線上にある世界観で、隠れて交わされる関係や欲望がストレートに描かれている。

 言葉は極めて直接的だが、それを躊躇なく提示するのがCachirulaたちのスタンス。照れやロマンではなく、真正面からペレオと向き合う一曲となっている。

『TiTis』歌詞・AI日本語要約

¿Y si te lamo las titis? Otra vez
ねえ、君の胸を舐めたらどうする? もう一度さ
Bloquéame a tu novio o loco se va a volver
彼氏のことはブロックしなよ、あいつ狂っちゃうから
¿Y si te quito la mini? Otra vez
君のミニスカートを脱がせたら? もう一度
Nos besamos a escondidas sin que sepa todo aquel
誰にもバレないように、こっそりキスをしよう

O sea, sí, me maman tus titis
つまりさ、君の胸にはまってるんだ
Pero ese culo me lo como bien riqui
でもそのお尻も、最高に美味しくいただいちゃうよ
Tú mi-mi-mi mami, yo soy tu Micky
君は俺の可愛いマミ、俺は君のミッキー(恋人)だ
Ahora baja y lámeme mi dicky
さあ、腰を落として、俺のも舐めてくれよ
Me provocaste y te desbarato
君が誘ったんだろ、めちゃくちゃにしてやるよ

Uy, LOOJANsito, con la Cachi
ねえ、ルハンくん、カチ(Cachirula)と一緒に
Ay Papi, quiero que me beses el culo
ねえパパ、私のお尻にキスしてほしいの
Y aruña mi espalda, hasta que arda
背中を爪で立てて、熱くなるまで
Te pones todo tonto si no me quito la tanga
私がティーバックを脱がないと、君はすっかり理性を失っちゃうね
Fumando y bellaqueando me la paso yo chingando
煙を吸って、激しく踊って、一晩中やりまくるの


• 「titis」「tota」「chocha」: これらは女性の身体のパーツを指すかなり直接的なスラングです。この曲の核となる「性的な解放感」を象徴する言葉として、リズミカルに繰り返されています。
• 「Bellaqueando」: レゲトン文化特有の言葉で、単に踊るだけでなく、性的に誘惑し合いながら激しく密着して踊る様子を指します。
• 背徳感: 「彼氏をブロックしろ」「隠れてキスをしよう」というフレーズが、この曲の「危ない遊び」というテーマを強調しています。

 かなり攻めたリリックですが、メキシコの現行シーンらしい、タブーを恐れないパワフルな一曲ですね。


 『Chaparrita (Remix)』。

 「奪いに行く」女が、チリを揺らした
2026年2月27日リリース。

 チリのスターStandly、メキシコのプロデューサーÓscar Maydon、そしてSNS世界を席巻するYeri Muaとの豪華4者コラボ——『Chaparrita (Remix)』。

Chaparrita (Remix) が示す新しい女性像
 本作のタイトルにもなっている「Chaparríta(チャパリータ)」は、本来「可愛らしい小柄な女の子」を指すスペイン語の愛称です。しかしこのリミックス版では、その言葉のニュアンスがより大胆に拡張されています。

 ここで提示されるのは、単に守られるだけの可憐な存在ではありません。Yeri MuaとCachirulaという二人のアイコンは、そのチャーミングさを武器にしながらも、自らの欲望や身体性を主体的に語る女性像を打ち出しています。

楽曲の中のCachirula ── 攻めの美学
 Cachirula最大の持ち味は、その「攻め」のエネルギーだ。この楽曲でも、それは惜しみなく発揮されている。
まず目を引くのがこのライン。
「De México pa’ Chile vo’ a robarte(メキシコからチリへ、あなたを奪いに行く)」
「招かれた」ゲストではなく、自ら「奪いに行く」側として登場する。この姿勢こそ、Cachirula流の美学だ。男性優位だったレゲトンのシーンに、自らの意志でねじ込んでいく強靭さがある。
そして楽曲終盤、耳に焼きつくシグネチャー・コール。
「Con la Cachi’-chi’-chi’-chi’」
 シンプルながら強烈なアクセント。このフレーズひとつで楽曲に独自のスタンプを押してしまうあたり、プロデューサー出身のアーティストならではの感覚が光る。

 さらに「Del jangueo a la camita(遊びからベッドへ)」という歌詞は、彼女がこれまで一貫して表現してきた「自分の欲望を自分の言葉で語る」スタイルそのものだ。

Coachella 2026へ ── 世界が待っている

 この楽曲リリース直前、すでに国際的な注目を集める知らせが届いていた。Cachirula(とLoojan)のCoachella 2026出演が確定。メキシコのレゲトン・シーンが、ついに世界最大級のフェスティバルのステージに立つ瞬間だ。

「ストリートから生まれた音楽がCoachellaに辿り着く」——その事実は、ジャンルの枠を超えて多くの人々に刺さるメッセージを持つ。レゲトン・メハが単なる「地域音楽」でなく、グローバルカルチャーの最前線であることを世界に証明する舞台となるだろう。


シングルとEPが同時にリリース

 まずはシングル曲「Quiero verte」

 別れたあとに残った「会いたい」という感情だけを、飾らずそのまま歌った曲だ。

 挑発も強がりもない。
 返事を待つ時間、夜に考え続ける孤独、
「人生の愛だ」と言われた言葉を信じてしまったあとの後悔。
 ただそれだけが、静かに並べられている。

 ビートもアレンジも感情を煽らず、思い出してしまう時間を引き延ばすように流れていく。

 EP『FRÍO』と同時にリリースされたこの曲は、欲望のあとに残る“冷え”を描く本作の中でも、もっとも人間的で、現実に近い一曲だ。

Quiero verte (feat. m0sh) AI日本語訳

Cachirula & Sky808

Ando pensando en cuándo vuelves

いつ戻ってくるのか、ずっと考えてる

quiero verte


会いたい

Me tiene ya muy mal bebé el no tenerte

君がいないことが、もう限界なくらいつらい

Ando pensando cuando vuelves

いつ帰ってくるのか、また考えてる

quiero verte

会いたい

Miro el pasado y no te saco de mi mente

過去を振り返っても、君が頭から離れない

Vaya que he pensado

本当に、たくさん考えた

Cómo me has mirado

あなたが私を見ていたあの目を

Y no da resultado

でも、何の答えも出ない

El haberte llamado

電話をかけたことも

En las noches frías

寒い夜に

Sigue pensando en mí, soy tu fantasía

まだ私のこと考えてるでしょ、私はあなたの幻想

Y cómo lo decías, me hacías pensar que era el amor de tu vida

あなたの言葉のせいで、
私は「自分が人生の愛なんだ」って信じてしまった

Me hacías pensar que el amor de tu vida

あなたは私にそう思わせた
「私はあなたの人生の愛なんだ」って

(※ここからサビの反復)

Ando pensando en cuando vuelves

いつ戻ってくるのか、ずっと考えてる

quiero verte

会いたい

Me tiene ya muy mal bebé el no tenerte

君がいないことが、もう本当につらい

Ando pensando cuando vuelves

また考えてる、いつ戻るのか

quiero verte

会いたい

Miro el pasado y no te saco de mi mente

過去を見ても、君を忘れられない

そしてEPのFRÍO

公開MVからピックアップ

María - Cachirula, Alanis Yuki

鏡の中の孤独と、美しくも残酷な愛の証明

 音源の配信から少し遅れて届いたこの映像作品は、楽曲に込められた「重すぎる愛」を見事に可視化しています。

 英語とスペイン語が織りなす「心の距離」
 特筆すべきは、言語の使い分けです。
 スペイン語パートで「嫉妬してほしい」「戻ってきてほしい」と情熱的に訴える一方で、英語パート("I'm looking at the door / And now you stay away")では、冷めた客観性を持って「あなたはもう行ってしまった」という現実を突きつけています。
この「感情の熱量(スペイン語)」と「冷酷な現実(英語)」のコントラストが、出口のない迷路に迷い込んだような孤独感を際立たせています。

 Alanis Yukiが今面白い
 チワワ出身のAlanis Yuki(本名Alanis Yuqui Sánchez)は、R&B・ポップ・オルタナロック・実験音楽をベッドルームポップ的タッチで融合させるアーティスト。
 音楽業界における女性の包摂についても積極的に発言しており、この曲での共作は”素晴らしい体験だった”と語っている。
 Remezclaが「2026年注目アーティスト」に選出した新鋭でもある。

「Dime si recuerdas」

 別れた二人が「あの時間を覚えてる?」と、同じ記憶を確かめ合うように歌う曲だ。

 一年中愛し合っていた日々、誰にも見られずに会っていた関係、失敗もケンカも含めた“あの頃”を、なかったことにはできないまま立ち止まっている。

 Cachirulaは強がりを見せながらも、
「これはまだ始まりだ」と自分に言い聞かせLoojanは謝罪とともに「思い出で終わらせたくない」と本音をこぼす。

 ここにあるのは情熱でも快楽でもなく、忘れたくない時間と、もう一度やり直したいという未練。
エロさよりも感情が前に出た、再スタートを願う静かなラブソングだ。

「La última(OUTRO)」

 このEPを静かに閉じるための曲として、きちんと機能している。

 ドラムンベースを基調にしながらも、ビートは前に出すぎず、アンビエントのように感情の輪郭だけを残して流れていく。
 ここではもう、言葉で何かを説明する必要はない。
 音は進むが、感情は立ち止まっている。

 映像に映し出されるのは、Cachirula自身のこれまでの写真たち。
 一枚ずつはっきり見せるというより、光が瞬くように現れては消え、走馬灯のように、あるいはフラッシュバックのように過去の時間が断片的に呼び戻されていく。

『FRÍO』というEPが描いてきた欲望のあと、未練、冷たさ、そして静けさ。
 そのすべてを言葉にせず、映像と音だけで受け止めさせるためのラストが、この「La última」だ。

 派手な終わり方ではない。
 でも、だからこそ強く感情に残る。
 静かに終わるのに、
いちばんエモーショナルな余韻を連れてくるアウトロだ。

 このEPの一曲目は「VEN」だ。

 CachirulaのEP『FRÍO』は、**Yeri MUA参加の「VEN」**から始まる。
 ここで描かれるのは、欲望のピークではない。
快楽が過ぎ去ったあとに残る、孤独と未練、そして冷えだ。

 「来てほしい」「ひとり」「忘れられない」
その言葉が指しているのは、身体ではなく感情の空白。
EPタイトルの『FRÍO(冷たさ)』は、この一曲目ですでに提示されている。

 本作の対極に置かれているのが前作のSEXOLANDIA 2に収録されていた「Loquito」だ。
 同じYeri MUAが、欲望を煽る側に立つ。
 理性より身体が先に動き、後先を考えない衝動だけが加速していく。

つまり、
• 「VEN」=快楽の“あと”
• 「Loquito」=快楽の“前”

 この両極を、同じYeri MUAが歌っていることが重要だ。
『FRÍO』は、欲望そのものではなく、欲望が通り過ぎたあとの温度を描いたEPなのである。


🎵 「Loquito」MV公開

• アーティスト: Cachirula, Loojan, Yeri MUA
• 収録: 『SEXOLANDIA 2』

• タイトルの意味: Loquito は「ちょっと狂った/夢中になった子」という軽いニュアンス。恋愛や欲望に“理性を失うくらい”の感覚を表現してる。

「Loquito」(Cachirula × Loojan × Yeri MUA) の歌詞を、日本語に全訳しました。内容的にかなりセクシャルでスラングも多いので、雰囲気を残しつつなるべく自然に意訳しています。

[YERI MUA]

Sabes que lo hago más rico (rico), de poco a poquito


知ってるでしょ、私がもっと気持ちよくしてあげる、少しずつ

Que me coja por Dubái, no importa que sea delito

ドバイで抱いてほしい、罪でも構わない

Tontito, tú estás loco, loquito

バカね、あなたは狂ってる、ロキート

Te pones como animal cuando yo te lo hago rico

私が快楽を与えると、あなたは獣みたいになる



[LOOJAN]

Mami, tú me lo haces rico, de poco a poquito


ベイビー、君は俺を気持ちよくしてくれる、少しずつ

Te cojo por Dubái, no importa que sea delito

ドバイで抱くさ、罪でも構わない

No tontito, yo estoy loco, loquito

違うよ、バカなのは俺だ、俺が狂ってる

Me pongo como animal cuando tú me lo haces rico (uy)

君が快楽をくれると、俺は獣のようになる(ウイ)



[CACHIRULA]

Las fotos en mi cámara no mienten


カメラの写真は嘘をつかない

Solo conmigo te pones así de caliente (papi)

熱くなるのは俺といるときだけ(パピ)

Sé que si se para, papi, no fue un accidente

立つのは偶然なんかじゃない

Cuando te la coges, me tienes a mí presente (uy)

抱くとき、思い浮かべるのは俺だ(ウイ)

Se siente el paquete

その存在を感じるんだ



[YERI MUA]

Que en la cama yo me ponga nasty


ベッドで私はいやらしくなる

Que me ponga a jugar, que le gusta tocar

遊び始めるの、触れるのが好きだから

Que adentro se siente fantastic (ay)

中にいると素晴らしい気分になる(アイ)

Tengo un don especial para hacerte llegar

あなたを絶頂に連れていく特別な才能がある

Cada vez que me ponga nasty

私がいやらしくなるたびに



[LOOJAN]

Ese santo culo, mira cómo aplaude, se sienta y me lo parte


その神がかった尻、見ろよ、どう叩きつけるか、座って俺を壊す

Tú no solo coges, mami, tú lo haces arte

ベイビー、お前はただのセックスじゃない、芸術にするんだ

Clavarte, mamarte, es lo que voy a darte

突き刺し、愛撫し、それを与える

Chingas tan rico que jamás voy a olvidarte (no)

気持ちよすぎて決して忘れられない

La baby es experta (sí)

彼女は経験豊富(そうだ)

De aceite cubierta (no)

オイルまみれじゃない(違う)

También es inquieta, y pides que de mis hijos te deje yo repleta

それでも落ち着かず、俺の子を欲しがる



[YERI MUA]

Cuando sacas los millones, te ves más chulo


大金を稼ぐと、もっとイケて見える

Me gusta cuando me pones a darle duro en diferentes posiciones

いろんな体位で激しくさせられるのが好き

Como canguro, yo te brinco de sentones

カンガルーみたいに跳ねながら腰を打ちつける

Yo te lo juro que como yo nadie te la sabe hacer

誓うわ、私みたいにできる人はいない

Cuando me ves, se te nota que tú me quieres comer

私を見ると、食べたい気持ちが顔に出てる

Lo que yo hago con la boca sé que te va a enloquecer

口ですること、狂わせるって知ってる

Papi, sé que te provoca cuando lo empiezo a mover

動かし始めると、欲しくなるってわかってる



[YERI MUA – コーラス / アウトロ]

Dale p’atrá, dale p’atrá (Yeri MUA)


後ろに突き出して、突き出して(イェリ・ムア)

Dale p’atrá, dale p’atrá (la que trae los chacales por detrás)

後ろに突き出して(ギャングを連れてる女)

Dale p’atrá, dale p’atrá

後ろに突き出して

¿Y ahora qué es?

今度は何?

Dale p’atrá, dale p’atrá

後ろに突き出して

歌詞
欲望と快楽を“ゲーム”のようにやり取りするネオペレオ。
「狂気(Loquito)」というタイトル通り、理性を失って獣になる様子を描写。
セックスを「芸術」にたとえたり、境界を越えるフレーズが連続。
• 掛け声(jaja, uy, dale p’atrá)がクラブでの一体感を演出。

MV(テニスコート演出)
テニスコート=愛と欲望のラリーの象徴。
白いラインは“境界”を意味するが、歌詞では「罪でも構わない」とそれを越えていく。
• ラリーの応酬のように、欲望のやり取りが繰り返される。
• 日常的な場所を非日常の遊び場に変えることで、歌詞の挑発とユーモアを可視化している。



プロフィール


 カチルラ(本名:フリエタ・ガルシア、愛称は「カチ」または「ラ・カヒ」)は、メキシコ・シティ出身の若手女性アーティストです。

2018年からDJ兼プロデューサーとして音楽活動を開始し、地元メキシコのグアラチャやペレーオ(ラテンのダンス系レゲトン)のシーンで頭角を現しました 。

 わずか10代後半でキャリアをスタートさせた彼女は、当初クラブDJとして活躍し、パブリート・ミックスやロサ・ピストラ、ウジエリート・ミックス、ゲットー・キッズ、レオン・ライデンといった国内有名アーティストたちとの共演を経験しています 。

その後、ゲットー・キッズが主宰するレーベル「Fabrika FC」に所属し、

 DJサック・ノエルのイベント「Barnaton」への出演など、着実にキャリアを積み重ねました 。

 こうした下積みを経て自らの音楽プロジェクト「カチルラ」を本格的に始動させ、7年以上にわたって活動を続けています 。

 カチルラは現在、メキシコのレゲトン/アーバン音楽シーンにおける新世代のホープと見なされており、そのSpotify月間リスナー数は約430万人にも上ります 。

特に地元メキシコシティでの人気が高く、彼女のリスナーはクアウテモックやイスタパラパ、グスタボAマデロといったシティ内の地区で多数を占めています 。

 自身も教育資金の問題で大学進学を断念した過去を持つカチルラは、2025年にはメキシコ政府の職業訓練校(CECATI)のキャンペーンに参加し、「若者に学びの場を!」と呼びかけるなど、社会的メッセージも発信
しています 。

 音楽的バックグラウンド


 音楽性の面で、カチルラはクラシックな“ペレーオ”(レゲトンの原点であるダンス音楽)にコロンビア発祥のエレクトロニック・ダンス「グアラチャ」の要素を大胆に融合させた独自スタイルを築いています 。

グアラチャとは?

基本概要
• 起源:コロンビア(特にメデジン)発祥の電子ダンス音楽

• ジャンル分類:エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)の一種だが、明確に「ラテン系EDM」に分類される

• テンポ感:かなり**速め(約130〜140BPM)**で、ハイエナジー

• 音の特徴
• ピコピコしたハイピッチなシンセサウンド
• 笛や金管風のサンプリング
• タンバリンやパーカッションの刻むリズム
• EDM + ラテンビートのハイブリッド

サウンドのイメージ
• 「ノリが良くて、騒がしくて、クラブで盛り上がる」

• 一言で言えば
**「クレイジーなEDMとレゲトンの間」**という感じです

 グアラチャMIX⬆️

 彼女の目標は「メキシコ発のアーバンなサウンドと南米グアラチャの融合によって、新鮮で革新的な提案をシーンにもたらすこと」でした 。
 このミッション通り、初期の代表曲「Aplaude」(2021年リリース)では斬新なリズムと伝統的レゲトンの要素を掛け合わせ、「メキシコのペレーオの真髄」を体現したと評価されています 。

彼女の音楽における「ペレーオの真髄」とは?
• 激しい低音(バス)とハイエナジーなリズム → 身体が自然に動く

• セックス・ポジティブな歌詞 → 欲望にストレートで恥じない

• パーティーと快楽の肯定 → 音楽のなかに“現実逃避”の楽園をつくる

• マチズモ文化の逆手取り → 男社会的レゲトンに“女の快楽”でカウンターを打つ

 カチルラの楽曲は総じてアップテンポでエネルギッシュです。

 古典的なレゲトンビートの上にエレクトロニックなテクスチャを重ねることで、「クラシックなペルレオと実験的な電子音の融合」という独自サウンドを生み出しています 。

 さらに彼女のアーティストイメージは非常に個性的で、いわゆる“セックス・ポジティブ”な姿勢を前面に押し出している点も特徴です 。
 これは、レゲトンにありがちな性や女性像のステレオタイプを覆し、大胆で奔放かつ自立した女性像を自ら体現するアプローチです 。
 実際、楽曲やミュージックビデオでも露骨なまでに官能性やパーティー感を表現しますが、それは彼女自身のセルフプロデュースによる自由で解放的な表現と言えます  。

 また、カチルラは作詞・作曲からトラックメイクまで手掛けるプロデューサーでもあります。メキシコの新興レゲトンムーブメント「ネオ・ペレーオ(Neoperreo)」

🔥「ネオ・ペレーオ(Neoperreo)」とは?

定義
• “再発明されたペレーオ”=「ネオ」+「ペレーオ」
• 伝統的なレゲトン(ペレーオ)に対し、ジェンダー・アイデンティティ、セクシャリティ、DIY精神、クラブカルチャー、インターネット感覚を持ち込んだ新潮流
• ざっくり言うと:
「レゲトンの男社会に、自由と多様性をぶち込んだ反逆カルチャー」

🌈 ネオペレーオの思想・社会性
• 「クィア・レゲトン」と呼ばれることもある
• 女性やLGBTQ+が、“踊る”ことを通じて自らの身体・性・表現を解放する運動
• 伝統的なラテン音楽の“男中心主義”に対する文化的なオルタナティブ
• さらに、ネット時代的DIY精神(セルフプロデュース、YouTube/TikTokで拡散)も重要

のシーンから台頭した背景もあり、共演・共作する相手も幅広いです。

ベルガス・ピストラやベジャカス(Bellakath)など同世代の女性アーティストとも交流し、**「レゲトンmexa」**と呼ばれるメキシコ産レゲエトンの盛り上がりを牽引する存在となっています 。

2025年には米スペイン語圏の音楽賞「Premios Juventud」の“Artistas 2 Watch”(注目新人)にも選出され、「クラシックなパリャンデーロ(=踊らせる)精神と実験精神を兼ね備えた有望株」と評されました 。

 アルバム『SEXOLANDIA』(2024) – 大胆なデビュー作

カチルラが全国的な注目を浴びるきっかけとなったのが、デビュー・アルバム『SEXOLANDIA』(セクソランディア)です。

 2024年11月14日にリリースされたこのアルバムは、全9曲収録(総再生時間23:39)で、共同制作者として盟友のプロデューサーLOOJAN(ローハン)が全編に参加しています 

 『SEXOLANDIA』というタイトルが示す通り、本作のテーマは「セックスの楽園」。
 夜遊びや官能をストレートに描いた歌詞と、多彩なリズムの融合が特徴です。実際、本作はリスナーの耳目を集め、**「型破りなリズムのミックスと率直な歌詞で聴衆の心を掴んだ」**と評価されました 。

 アルバムには、イントロ「Intro」から始まり、「SEKS(セクス)」「culo && teta(クロ・イ・テタ=お尻とおっぱい)」

「Awito(アウィト)」


「BEIBY(ベイビー)」


「RIKACHU(リカチュ)」

「Chaka(チャカ)」


「Enrola(エンローラ)」

そしてラストに**「BEIBY (Remix)」**が収録されています  。

 曲名からもうかがえるように、パーティー感とユーモア、そして性的なモチーフが全編に散りばめられています。

 例えば「culo && teta」はスペイン語俗語で“尻と胸”を意味し、その名の通り挑発的な歌詞と陽気なビートで構成された一曲です。

 また「Awito」はクンビアの要素を感じさせるリズムに乗せて、酔った勢いの楽しさを歌っています。「BEIBY」は後述するリミックス版の原曲で、シンプルながら病みつきになるフックが特徴です。

 『SEXOLANDIA』のサウンド面で特筆すべきは、レゲトン、デンボウ、そしてグアラチャ風味のクラブサウンドが大胆にブレンドされている点です 。
カチルラとLOOJANのコンビは、重低音の効いたリズムトラックにキャッチーなシンセや効果音を織り交ぜ、従来のラテン・アーバンの枠を超えた先鋭的なプロダクションを実現
しました。

 歌詞の面でも「夜遊び」「愛と自由」といったテーマを遠慮なく直球で表現
しており、性愛の喜びを謳歌する姿勢が全編を貫いています 。
 例えば収録曲「BEIBY」のサビでは<*“Oye, vente y hazme un beiby”*(「ねえ、こっちに来て私にベイビーを作ってよ」)といった挑発的なフレーズが飛び出し、聴く者をドキッとさせます。

 このように大胆不敵な『SEXOLANDIA』ですが、リスナーからは強く支持され、アルバム自体が一種の社会現象となりました 。
 メキシコの若者たちの間で話題沸騰となり、クラブやTikTokで楽曲が次々とバイラルヒットしていったのです。
 実際、本作から生まれた代表曲「BEIBY (Remix)」は後述の通りSpotifyのメキシコ国内バイラルトップ50にランクインするヒットとなりました 。『SEXOLANDIA』は結果的に、「セクシュアリティとパーティーを恐れずに探求するアーティスト」というカチルラの評価を決定づける作品となったのです 。

アルバム『SEXOLANDIA 2』(2025) – 進化した続編


 デビュー作の成功から約1年後、カチルラは更なる野心作『SEXOLANDIA 2』を発表しました。

 2025年8月21日リリースの本アルバムは、全13曲収録・計34分というボリュームで、前作を上回るスケールとなっています 。

 制作面では引き続きLOOJANが全面協力
しつつ、多彩なゲスト陣とのコラボレーションが実現した点が大きな特徴です 。例えば、メキシコの人気インフルエンサーで新人歌手のイェリ・ムア (Yeri Mua)

 コロンビアの有名レゲトン歌手ケビン・ロルダン、メキシコのラッパーZizzyなどが各曲に参加し、作品に彩りを添えています 。

 収録曲を見ても、先行シングルとして発表された「Uii」や「SUPREME」のほか、「intro」「Doble D」「Amigui」「CACHUBI」「Loquito」「Dedo」などバラエティ豊かなタイトルが並んでおり、曲ごとに異なるコラボ相手やサウンドの実験が楽しめます。

曲名の意味も一部解説:

 『SEXOLANDIA 2』は、文字通り前作『SEXOLANDIA』の世界観を受け継ぎつつも、すべての要素がパワーアップしています。
 制作陣は本作を「前作のエネルギーを継承しつつ新たなレベルに引き上げた、より洗練されたプロダクション」と位置づけており 、実際サウンド面ではビートが一段と洗練され厚みを増しました。
 レゲトンとデンボウの土台に、トラップ的な808ベースやEDM的なビルドアップを融合させた曲もあり、ジャンルの垣根を拡張する意欲作となっています 。
歌詞の面でも「夜遊び」「愛と自由」といったテーマは健在ですが、より成熟した視点や多様な表現が加わり、「夜の世界観を描きつつもサウンド的に進化を遂げた作品」との評価がされています 。  

 実際、「人生を楽しみ尽くす宣言のようなアルバム」であり、カチルラ&LOOJANのデュオが人気チャートや大型ステージを本格的に席巻する準備が整ったことを示す一枚だと音楽メディアも伝えています 。

 このアルバムのリリースに合わせて、カチルラとLOOJANは精力的なプロモーション活動も展開しました。

 2025年9月5日にメキシコシティのAuditorio BBで予定されているワンマンコンサートは、『SEXOLANDIA 2』リリース記念として行われるもので、カチルラ&LOOJANにとって初の大規模単独公演となる。

注目の代表曲とその魅力


 ここでは、カチルラの楽曲の中でも特に人気の高い**「BEIBY (Remix)」、「SUPREME」、「Uii」**の3曲を取り上げ、その内容や音楽性について紹介します。

• 「BEIBY (Remix)」 – カチルラの名前を一躍有名にしたブレイク曲です。

オリジナル版「BEIBY」はデビューアルバム『SEXOLANDIA』に収録されていた楽曲ですが、これを地元の男性レゲトン歌手El Malilla(エル・マリジャ)をフィーチャーしてリミックスしたのが本曲 。


 2024年末に公開されると瞬く間に口コミで広がり、TikTokでは約3.5万本もの動画に使用されるバイラルヒットとなりました 。
 曲調は重厚なレゲトンビートにキャッチーなシンセリフが絡みつく中毒性の高いもので、何より**〈Oye, vente y hazme un beiby〉(「ねえ、おいで、私に“ベイビー”を作ってよ」)という挑発的なサビが強烈な印象を残します。
 歌詞は全編にわたり性欲を率直に表現した過激な内容ですが、それをユーモラスかつエネルギッシュに歌い上げるカチルラのスタイルがリスナーを魅了しました。
 結果的に本曲はSpotifyのメキシコ国内バイラルチャートTop50入りを果たし 、「カチルラ旋風」の火付け役**となりました。
 またミュージックビデオもYouTubeでミリオン再生を突破しており、大胆なパーティー描写とカラフルな映像演出が話題を呼びました。

• 「SUPREME」 – 2025年7月にリリースされたシングル曲

 カチルラ&LOOJANに新鋭ラッパーのEnayyを加えたコラボ作品です 。


 タイトルの「Supreme」はブランド名から取られており、歌詞の中でも〈“Yo le monté los pantie’ Supreme…”〉(「私はシュプリームのパンティーを着けて…」)といったフレーズで象徴的に使われています 。

 曲全体のテーマは**「お互いに虜になった男女の奔放な性愛」**で、ウイスキー片手にベッドへなだれ込む情景や、相手を「犯罪級」に魅惑的だと称えるラインなど、かなり官能的かつ奔放な内容です  。
サウンド面ではトラップの要素が強く、808ベースがうねる重低音と、印象的にリピートされる「Yo-Yo-Yo…」という掛け声が特徴的です。

 クラブ映えする攻撃的なビートとエロティックな歌詞で人気を博し、公開直後からSpotifyなど各種ストリーミングで急上昇しました。

 メディアも「カチルラとLOOJANは本作でメキシコ最高のレゲトンデュオとしての地位を確固たるものにした」と評しており 、セクシー路線を突き詰めつつ音楽的完成度も示した一曲と言えるでしょう。

• 「Uii」 – 『SEXOLANDIA 2』の収録曲

 アルバム発売に先駆けて2025年3月にシングルカットされたナンバーです 。タイトルの「Uii(ウィー)」は日本語に訳しづらいですが、スペイン語圏の若者言葉で驚きや興奮を表す表現です。

 曲は2分強と短めながら、軽快なデンボウのリズムに乗せてパーティーの高揚感を詰め込んだ内容で、リリース直後からTikTokなどで人気に火がつきました。
 特に後に発表されたリミックス版「Uii (Remix)」では、エル・ボゲート(El Bogueto)らを迎え入れており、TikTokのダンスチャレンジでトレンド入り(一時は国内トレンド11位)するなど大きな反響を呼びました 。
 歌詞は「今すぐ楽しもうよ!」「昨夜の続きをしよう」といったパーティーへの誘いがテーマで、カチルラの煽るようなボーカルと賑やかなコーラスが印象的です。電子音が効果的に散りばめられたトラックは、まさにクラブで朝まで踊り明かすためのアンセムといえるでしょう。
 アルバム『SEXOLANDIA 2』の幕開けを飾るキラーチューンとして、ファンから特に愛されている一曲です。

 SNS・YouTubeでのプロモーションと反響

 カチルラはその音楽活動において、SNSやYouTubeといったプラットフォームを巧みに活用しています。Instagramの公式アカウントでは新曲の告知や舞台裏の様子、ファッションショットなどを積極的に投稿し、ファンとの交流を図っています。

 例えば『SEXOLANDIA 2』リリース時には、「『SEXOLANDIA 2』完成!信じられない思いです!!」という熱いコメントとともにアルバムジャケットを公開し、多くの「いいね!」と祝福コメントが寄せられました 。

 またTikTokでは、自身の楽曲を使ったダンスチャレンジやミーム動画が次々に生まれています。


 「BEIBY (Remix)」に合わせてセクシーダンスを踊る動画や、「Uii」のリズムに乗ってコメディ仕立ての動画が数万件単位で投稿されるなど、その拡散力は絶大です 。
 カチルラ本人もTikTokアカウントでファンの投稿に反応したり、自らユニークな動画を発信したりしており、ネット発のバイラル人気を自ら後押ししています。

 YouTube上でもカチルラの存在感は増しています。公式チャンネルではミュージックビデオはもちろん、リリックビデオやライブ映像、ショートクリップなど多彩なコンテンツを公開。

 特にミュージックビデオは彼女のクリエイティブな世界観が堪能できるものばかりです。
例として「BEIBY」の公式MVでは、カラフルなアニメ風の演出と過激なパーティー描写が融合し、一度見たら忘れられないインパクトがあります。視聴者からは「中毒性がすごい」「メキシコの新女王誕生」といったコメントが多数寄せられ、再生回数も順調に伸びています 。

 また、楽曲「SUPREME」のオーディオビデオが公開された際には、コメント欄で歌詞の刺激的な内容が話題となり「この曲を大音量で流す勇気がいる!」などと盛り上がりました。
 さらに音楽メディアSónicaは「カチルラとLOOJANは今やメキシコで最も重要なレゲトンデュオに躍り出た」と報じ 、YouTube上でも彼らの露出が増えてきています。こうしたデジタル上でのプロモーション戦略が功を奏し、カチルラの音楽はSNS世代に強くリーチしていると言えるでしょう。

日本および海外での評価・反応


 日本においてはまだ知名度が高いとは言えないものの、徐々にカチルラの存在が紹介されつつあります。日本語の音楽配信サイトQobuzではカチルラのバイオグラフィーが掲載され、「2018年からグアラチャとペレオのシーンで活躍しているメキシコ出身のDJ/プロデューサー」としてその経歴が紹介されています 。
 日本の洋楽ファンの中にはTikTok経由で彼女の楽曲を知る人も出始めており、Twitter(X)上でも「メキシコ発のレゲトンが熱い」「カチルラってアーティスト、やばい!」といった投稿が散見されます。
 ラテン音楽に詳しい一部ユーザーのブログで『SEXOLANDIA』のレビューが掲載された例もあります。その中では「バッド・バニー以降、ラテン音楽の新潮流として注目」「BellakathやSnow Tha Productらと並ぶメキシコ女性アーティストの台頭」といった文脈で言及されており、日本でも今後注目を集める可能性があるでしょう。

 一方、ラテン圏での評価・活動は極めて高いものがあります。
 カチルラ&LOOJANのデュオは、メキシコのみならず中南米全域でリスナーを獲得しつつあり、その月間リスナーは1000万を超える勢いと報じられています 。
 特にスペイン語圏メディアからの注目度が高く、2025年には米・スペイン語版『ローリングストーン』誌で「知るべきアーティスト」に選出され、インタビューが掲載されました(※同誌では彼らがソロからデュオ結成に至った経緯やメキシコ都市圏のアーバン音楽シーンの進化について語っています)。

 また前述のPremios Juventud 2025では7組の注目女性新人の一人にカチルラが選ばれ
、**「伝統的なペレーオ魂と実験的エレクトロを融合し、ジェンダーの固定観念を打ち破るアーティスト」**と絶賛されました 。このように業界からの評価も上々で、テレビやラジオへの出演も増えています。

 ライブ活動の面でも勢力的で、メキシコ国内はもちろん、中米や南米でのイベントやクラブ公演に出演しています。例えば2025年9月のメキシコシティ単独公演を皮切りに、10月にはコロンビア・ボゴタのレゲトンフェスにゲスト出演し、11月にはアルゼンチンのクラブツアーにも参加しました(※現地メディアのインタビューでは「ラテンアメリカ中をSEXOLANDIAにするのが夢」と語っています)。
地元メキシコのメディアは「彼らの音楽がラテンアメリカ中の何百万人を熱狂させつつある」と伝えており 、まさにラテン圏で飛ぶ鳥を落とす勢いといえます。

 総じて、カチルラはメキシコ発の新世代レゲトンアーティストとして、その刺激的な音楽とキャラクターで国内外に強いインパクトを与えています。
 奔放さと革新性を武器に、レゲトンの枠を広げる存在として、今後さらに注目度が高まっていくことでしょう。ファンからは「この勢いなら次は世界的ブレイクも夢じゃない」という声も上がっており、日本で彼女の名前を耳にする日もそう遠くないかもしれません。


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