雑談|(実話)ちょっとホラー|前世の記憶を持つ男(第1話)
こんばんは。
fuwamaru-studioです🤗
前世の記憶か何かを持つ男の話
先日、フォローしあっている200人くらいのクリエイターさんの記事を
片っ端から読んでいた時のこと。
朝ドラ『らんまん』のモデルとも言われている牧野富太郎という名前を目にした瞬間、ある人物のことを思い出しました。
それは、私が過去に出会った、一人の上司です。
私は某大手企業に就職しました。
職場では定期的に上司の異動があります。
ありがたいことに、私は昔から目上の方に気に入られることが多く、上司が変わることに不安を感じたことはありませんでした。
そんな私が入社して5年ほど経った頃、一人の少し変わった上司が赴任してきました。
見た目は、朝ドラ『らんまん』で植物学者の里中芳生を演じた、いとうせいこうさんによく似たメガネとちょび髭の方でした。
穏やかな笑顔が印象的で、どこか独特な雰囲気を持った人でした。
ある日、皆勤賞をいただいた私は、そのちょっと変わった上司から「皆んなでお祝いしよう」と誘われました。
待ち合わせ場所へ行くと、そこにいたのは上司だけ。
「えっ、二人だけ?」
3人もドタキャンに少し驚きました。
実は私の家系は、先祖代々お酒がほとんど飲めない「下戸」の家系です。
大人数の飲み会なら何とか飲んだフリしてごまかせますが、二人きりではそうもいきません。
私たちは、予約していた飲茶が人気の店へ入りました。
小籠包や海老焼売をいただきながら、お酒も勧められるまま口にしました。
私は飲めないことを言い出せず、そのまま2時間ほど、いろいろな話をしていました。
その時です。
上司がふと笑いながら、こんなことを言ったのです。
「懐かしいよね。昔もこうやって、よく一緒に飲んだよね。」
私は思わず聞き返しました。
「えっ?」
でも、この上司と食事をするのは今日が初めてです。
もちろん、二人で食事すら一度もありません。
「何を言っているんだろう?」
そう思いましたが、お酒の席だったので、冗談なのかなと受け流しました。
食事を終えて店を出ると、近くの公園へ向かいました。
案の定、私は気分が悪くなり、その場で吐いてしまいました。
「すみません……本当にすみません……。」
謝り続ける私
上司は嫌な顔ひとつせず、いつもの穏やかな笑顔でこう言いました。
「相変わらず、お酒は飲めないんだなぁ。」
私はその言葉に少し引っかかりました。
「相変わらず……?」
今日が初めて一緒に飲んだはずなのに。
なぜ、そんな言い方をするのだろう。
その時は深く考えませんでした。
でも今でも、あの日のその言葉だけは、はっきり覚えています。
上司の懐かしそうな笑顔も。
この時はまだ、その言葉と笑顔の意味を知る由もありませんでした。
続く……。
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