雑談|(実話)ちょっとホラー|前世の記憶を持つ男(第2話)
こんばんは。
fuwamaru-studioです🤗
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それから数か月が経った
ある朝、上司から、私を含めた4人が選ばれ、その日ビッグサイトで開催されている催し物を見学することになりました。
上司を含めた5人で会社を出発。
駅に着き、切符を買おうとしたその時です。
上司が突然、
「ビッグサイトへ行く前に、少し寄りたい場所があるんだ。」
と言いました。
私たちは言われるまま、寄り道先の切符を購入しました。
駅を降り、しばらく歩くと、大きなお屋敷の跡地を思わせるような、長い塀沿いの道を歩き始めました。
私たちは、どこへ向かうのかも知らされていません。
ところが上司だけは違いました。
まるで、懐かしい我が家へ帰ってきたかのように、その古めかしい塀を、そっと撫でるように触りながら歩いていくのです。
そして時々、うしろを振り返っては、ニヤッと笑う。
そんな姿が、妙に印象に残っていました。
しばらく歩くと、
「小石川植物園」の正面玄関前に到着したのです。
門の前に立つと、上司は嬉しそうな表情で私にこう言いました。
「ここに来たかったでしょう?」
「懐かしいでしょ?」
私は思わず辺りを見回しました。
……いえ。
ここには初めて来ました。
植物園へ行くこと自体は好きでしたが、この場所を訪れた記憶は一度もありませんでした。
「中に入れば思い出すよ」
そう言いながら美しい庭園を歩きました。
いつのまにか、周りにいたはずの同僚たちの姿がなくなり、私と上司だけになっていました。
すると上司は、私の顔を見ながら、少し興奮気味に言いました。
「どうかな?」
「思い出した?」
そして何かを話そうとしては、言葉を飲み込みます。
「僕とキミが、ほらここで……。」
そこまで言うと、また口を濁す感じで
話がそこから進みません。
やがて上司は、悲しげに
「僕のことも覚えてないの?」
「?」
私は意味が分からず、不思議そうな顔で首をかしげて上司を見ました。
すると
まるで私が記憶を失った人みたいに見えたのか、衝撃を受けた表情に変わったのです。
私は心の中で思いました。
「きっと誰かと人違いをしているのだ……。」
その日を境に、上司は笑わなくなりました。
私に話しかけることは、ほとんどなくなったのです。
あの日、小石川植物園で何があったのか。
そして、上司は私を誰だと思っていたのか。
続く……。
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