都市伝説と現実 ④-5|「きさらぎ駅」─現地調査で見えてきた、もう一つの真実|出張先から投稿しています。
こんばんは。
fuwamaru-studioです🤗
前回の話↓
前回は、実際に「きさらぎ駅」のモデルといわれる地域を訪れ、現地を歩いて感じた「小さな違和感」についてお話ししました。
遠州鉄道には、現在トンネルがありません。
それにもかかわらず、2004年に投稿された「きさらぎ駅」の体験談には、長いトンネルを抜けたという描写が登場します。
もちろん、投稿そのものが創作だった可能性もあります。
しかし、現地で資料を調べていくうちに、私たちは思いもよらない事実にたどり着きました。
浜松には、消えた鉄道が存在していた
現在、浜松市を走る鉄道は
・JR東海道本線
・遠州鉄道(赤電)
・天竜浜名湖鉄道
の3路線です。
ところが昔の資料を調べると、現在は廃線となった鉄道が3つ存在していました。
その代表が遠州鉄道奥山線です。
今から112年前の
1914年に開業した奥山線は、浜松から金指、そして奥山までを結ぶ軽便鉄道でした。
終点の奥山駅は、方広寺へ参拝する人たちでにぎわう門前駅として栄え、多くの人に利用されていたそうです。
しかし時代の流れとともに利用者は減少し、1963年から1964年にかけて路線は姿を消しました。
今では駅も線路もありません。
けれど、その歴史は完全に消えたわけではありません。
今も残る鉄道の痕跡
現地には、
・亀山トンネル跡
・奥山線の遊歩道
・廃駅跡
など、当時を知る痕跡が今も静かに残されています。
かつて確かに存在した駅。
そして、今は地図から姿を消した路線。
実際に歩いてみると、浜松には「消えた鉄道」の歴史が数多く残されていることが分かりました。
伊佐貫トンネルは実在するのか
一方、「きさらぎ駅」の物語に登場する伊佐貫トンネルについても調べてみました。
ネット上では現在も
「どこにあるのか」
「本当に存在するのか」
という検索が続いています。
しかし、
遠州鉄道への問い合わせや現地調査、鉄道ファンによる検証でも、伊佐貫トンネルという名称のトンネルは確認されていません。
現在では、「きさらぎ駅」「伊佐貫トンネル」「比奈」は、都市伝説の物語として創作された可能性が高いと考えられています。
私たちが体験したこと
今回の調査では、奥山線だけでなく、天竜川上流方面へ向かい、周辺のトンネルも巡って調査しました。
途中、山道を進んでいると、大雨の影響で落石もたくさん見られ、
木の枝や岩まで転がっていました。
すれ違う車もなく、
トンネル内で突然、白い霧のようなものに包まれ、前方がほとんど見えなくなりました。
慎重に運転を続けましたが、車の調子にも違和感が現れ、私たち自身も異様な寒気と頭痛で体調が優れなくなってしまい……。
「これ以上進むのは危険かもしれない。」
そう判断し、車が故障する前に引き返すことを決めました。
もちろん、この出来事が異世界への入り口や都市伝説と関係しているということではありません。
山間部では霧や天候の急変など、さまざまな自然現象が起こることもあります。
それでも、あの場所で感じた言葉にしにくい不気味な空気は、今後も、忘れることができなくなりそうです。
まとめ
今回の調査で分かったことは、一つあります。
「きさらぎ駅」の存在を裏付ける証拠は見つかりませんでした。
しかし一方で、浜松には実際に廃線となった100年以上もまえの鉄道や、歴史の中で姿を消した駅が存在していました。
その現実の歴史があるからこそ、「存在しない駅」という物語は、私たちの心に強いリアリティを与えるのかもしれません。
都市伝説は、「真実だから」語り継がれるのではありません。
説明できそうで、どこか説明しきれない。
その小さな違和感が、人の想像をかき立てるのです。
だから20年以上たった今も、「きさらぎ駅」は語り継がれているのではないでしょうか。
本当に異世界への入口は存在するのか。
その答えは、今も誰にも分かりません。
けれど今回の旅で私たちは、都市伝説の向こう側にある浜松の鉄道の歴史という、もう一つの物語に出会うことができました。
それだけでも大きな意味があったように思います。
