気づきの種#19_『盆栽と隣の猫』 ~相手に関心を持つのではなく、相手の関心に関心を持つ~
人生を楽しく生きるための『気づきの種』を“短い物語”にしてみました。
「投資」「習慣」「幸福」「考え方」などが中心ですので楽しんでもらえましたら何よりです!
『盆栽と隣の猫』 ~相手に関心を持つのではなく、相手の関心に関心を持つ~
福助(ふくすけ)は、手入れの行き届いた盆栽を何よりも大切にしていた。
春には芽出し、夏には葉刈り、秋には紅葉と、季節ごとに表情を変える小さな木々に、彼は深い愛情を注いでいた。
「この樹の剪定はこうあるべきだ」「水やりは土の乾き具合を見て」と、福助は自分の「普通」を盆栽の手入れに落とし込んでいた。
隣に住む一人暮らしの女性、美咲は猫を飼っていた。
その猫が時々、福助の庭に入り込み、せっかく手入れした苔を剥がしたり、鉢の周りの砂利を掻き回したりするのに、福助は内心穏やかではなかった。
「猫は庭に入るべきではない」「盆栽にいたずらをするなんて信じられない」と、彼は美咲に対し不満を感じていた。
ある日、いつものように庭の手入れをしていると、美咲が慌てた様子で訪ねてきた。
「すみません、うちのミーちゃんを見かけませんでしたか?朝から姿が見えなくて…」
福助は少し躊躇したが、「ああ、さっき庭にいたよ。あっちに行ったみたいだ」と、指をさした。美咲はほっとした表情で、「ありがとうございます!失礼します」と庭に入っていった。
ミーちゃんを探す美咲の様子を眺めているうちに、福助はふと、美咲にとってミーちゃんがどれほど大切な存在なのかを想像した。
自分が盆栽を大切に思うように、美咲にはミーちゃんがかけがえのない家族なのだろう。
それから数日後、福助は庭でミーちゃんが日向ぼっこをしているのを見つけた。
いつものように追い払おうとした瞬間、福助は思いとどまった。
「美咲さんはミーちゃんを心配していたな…」
福助はそっとミーちゃんに近づき、しゃがんで優しく撫でてみた。
ミーちゃんは警戒することもなく、喉をゴロゴロと鳴らした。
その時、福助は気づいた。
自分が大切にしている盆栽も、美咲が大切にしている猫も、それぞれの「大切」さがあるのだと。
後日、福助は美咲に声をかけた。
「あの猫ちゃん、可愛いですね。何か好きなおもちゃとかあるんですか?」
美咲は少し驚いた表情をした後、嬉しそうにミーちゃんの好きなボールや羽根つきの棒の話をしてくれた。
福助は相槌を打ちながら、美咲がミーちゃんについて話す時の優しい眼差しに気づいた。
それ以来、ミーちゃんが庭に来ても、福助は以前のようにすぐに追い払うことはなくなった。
時には、美咲に教えてもらったおもちゃで一緒に遊ぶこともあった。
盆栽の苔は少し荒れることもあったが、福助の心は以前よりずっと穏やかだった。
ある日、美咲が福助に手作りのクッキーを持ってきた。
「いつもミーちゃんがお世話になっていますから」と、笑顔で言った。
福助は照れながらそれを受け取った。
自分の大切な盆栽だけでなく、美咲の大切な猫に関心を持つことで、二人の間に温かい交流が生まれた。
「あの猫は…」と排除するのではなく、「美咲さんの大切なミーちゃんは…」と考える。
ただそれだけで、関係は良い方向へ向かうものなのだ。
「なるほどな」と、福助は夕焼けに染まる庭を眺めながら思った。
【あとがき】

↓単なる私の感想などなど…↓
庭に猫が入ってきて、いたずらされて、こんな感情にはなれないと思った方が多いのではないかと思いますがいかがでしょうか?
(このような状況で不満を出さない方は素晴らしいと私は思います。)
私自身、不満を抱く出来事が起こった時は特に「○○は、なんでそんなことするの」とか言ってしまいがちです…。
(日々反省…)
ですが、営業関連のセミナーを以前に受講した際、「相手に関心を持つのではなく、相手の関心に関心を持たないと物は売れない」と言われて以来、「あの人はこれに興味があるから、こうしているのか」とか「あの人はこれが嫌いだからこう言っているのか」とか考えるようになり様々な場面で応用するようになりました。
プレゼントを贈る際にも活用できると思うのですが、贈る相手に関心を持って「これが似合いそうだからこれがいいかな?」と考えるのではなく「あの人は普段これに興味があるから、それに関連するこれを贈ると喜ぶかな?」と考えた方が相手にとって好印象なプレゼントになるかと思います。
余談ですが・・・
私が幼少期に親から貰った誕生日プレゼントで残念だったのが、「図鑑」です。
その当時の私は、友達が持っていたゲームに関心が高く、家でその話をしていれば一番好きなものを貰えると勝手に思っていたのですが、開けてみたら「図鑑」でとても悲しかった記憶が数十年経った今でも忘れられません・・・。
(一度も開かなかったので何の図鑑だったかすら覚えていないくらいです)
私自身が親になった現在では、こんな思いを娘たちにはさせたくないと思っているので、娘たちの関心に関心をもってプレゼントを選んでいるのでいつも喜ばれています。
(半分親バカですが・・・年に1度くらいは良いかと思い甘さ100%でプレゼントしています。)
もう一つ余談ですが・・・
酒好き夫婦の家に用事があり、たまたまお邪魔していた際、宅配便で「発泡酒の詰め合わせ」がお歳暮として届いた際のお話です。
届いた際は、「〇〇さんも気を使わなくてもいいのにね」と言っていた奥さんが、包装紙を剥がしてから「酒好きの家って分かっているのに発泡酒を送ってくるくらいなら送ってこなくていいのにね」と呟いていたのが今での頭に残っています。
相手の関心に関心を持たないと、いくらプレゼントを贈ったとしてもマイナスになることを“再確認”できた出来事でした。
(誕生日プレゼントの「図鑑」のことは未だに根に持っているので“再確認”です・・・)
みなさんも、誰かにプレゼントを贈る際は「相手の関心に関心を持つ」ことを忘れない方が良いかもしれませんね・・・。
ゼロよりイチ!
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みんなで幸せになりましょう!
ではまたっ!!
#01-#20(全20話)
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