え、日本中の国宝が関西にかき集められてる?
大阪万博が開催中ですね。なんだか賛否両論ありますが、私は単純に見てみたいなと思ってます。でも、忙しくてちょっと無理かも。
と言いつつ、別の意味でも関西が気になってます。なぜって
超豪華な展覧会が目白押しだから!
です。やはり万博がらみでどの美術館・博物館も気合いを入れた展覧会をやっていますね。
特に、京都国立博物館、奈良国立博物館、大阪市立美術館の3館はすごそう。
ドン! 京都国立博物館「日本、美のるつぼ」
ドン!! 奈良国立博物館「超 国宝—祈りのかがやき」
ドン!!! 大阪市立美術館「日本国宝展」
「え、日本中の国宝が関西にかき集められてる?」と思ってしまうぐらい、現在この3館に超有名作が集結しています。
私は基本的には、あれもこれも揃えましたという幕の内弁当風の展覧会には食指が動かないのですが、今回はそんなちっぽけな好き嫌いを吹き飛ばすレベルの超豪華幕の内弁当です。
同時に3つ、というのがすごいところ。だって東京からでも1泊2日で行けば、全部回れるでしょう。それで日本の主要な国宝の多くを一度に楽しめるんですよ。なかなかこんな機会はありません。
出品されている名宝は、地道に機会をうかがっていればまたどこかで目にする機会はあるでしょう。でも、間違いなく10年以上はかかりますよね。それがギュギュッと短縮できると考えると、ものすごくお得です。まぁ、一級品が揃いすぎているので十中八九、途中でお腹いっぱいになるでしょうが。
3館とも、6月15日までです。うーん、どうしようかなぁ。行くか!
仏像界のスーパーモデルも登場!
奈良国立博物館の「超 国宝—祈りのかがやき」展は、奈良博らしく仏教美術に特化してますね。
メインビジュアルになっている2体の仏像は、中宮寺の《菩薩半跏像》と法隆寺の《百済観音》。どちらも飛鳥時代を代表する仏像です。
別に秘仏というわけではないので、普段は中宮寺と法隆寺に行けば見ることが叶う仏像ではありますが、特別なスポットの下で眺めるとまた違った表情を見せてくれるので、一見の価値はあります。
私は、特に法隆寺の《百済観音》が好きなんです。いつ見ても、うっとりしてしまいます。以下ちょっとだけ語ります。
見上げるほどの長身と異様な細さ
法隆寺の仏像と言えば、最も有名なのは《釈迦三尊像》でしょう。微笑みをたたえる「アルカイック・スマイル」が印象的な仏像です。しかし、《百済観音》はそれとは全く異なる雰囲気をまとっています。
何と言っても、その立ち姿。像高2メートル超の長身で、しかも極端な細身。スーパーモデル顔負けの8頭身スタイルです。
正面から見ると、ヌボーッと縦に伸びているだけのようにも見えるのですが、横から見るとその印象が一変します。首をやや前に出し、背中は反るようにカーブし、そこにからみつくように垂れる衣の流れ。全体がゆるやかなS字を描き、仏像が静かに動き出すのです。その優雅さたるや……。
ミステリアスな伝来も魅力
実はこの仏像の正体は、今なおはっきりしていません。
「百済観音」という名は、朝鮮半島の百済から渡来したという伝承に由来しますが、クスノキという素材から見ても日本で制作された可能性が高いとされます。しかし、いつから法隆寺にあったのか記録が乏しく、江戸時代まで遡らないと史料には登場しないのです。
同時代の他の仏像とは全く異なる様式。突然変異のように現れた長身瘦軀の木彫像。そのミステリアスさも、この《百済観音》の大きな魅力なのかもしれません。
奈良の仏像を愛した歌人会津八一は、
ほほゑみて、うつつごころにありたたす、くだらぼとけにしくものぞなき
(そっと微笑んで、夢うつつの境にお立ちになっている、百済観音の美しさに並ぶものはない)
と詠い、その美を讃えました。
今回の奈良博の「超 国宝—祈りのかがやき」展で拝むもよし、落ち着いた頃に法隆寺で拝むもよし。ぜひ一度は実物を見てほしい仏像がこの《百済観音》です。
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