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展覧会の空間デザインというお仕事[美術館に関わるプロフェッショナルたち]

美術館が展覧会を開催する時、私たち学芸員だけではなく、様々なプロの力を借りることがあります。今までも、いくつか紹介しましたね。

今回は、展覧会の世界観を作り上げる展示施工のプロを紹介したいと思います。

皆さん、なかなか意識したことがないと思いますが、展覧会を観に行った時に、部屋ごとに壁の色が違うなと気づいたことってありませんか?章立てで構成された展覧会なら、章が変わるところで部屋の色が変わったり。特別な作品の前だけ、違う壁の色になっていたり。

また、同じ美術館でも来るたびに展示室の順路が変わっていたり、前は無かったはずの壁が出来ていたりしたことってありませんか?

はたまた、美術館の展示室で、どこかのお寺の「○○の間」が完全に再現されてるのを見たことがありませんか?

あれ、全部、展示デザインの会社が作り上げているんですよ。学芸員は、とてもとてもそんなことはできません。

例えば東京で有名なところを挙げると(関西は詳しくないので)、株式会社東京スタデオとかがそうですね。
展覧会の会場デザイン、会場設営、造作工事、什器制作、グラフィック類の製作までトータルで手がける頼れる会社です。

最近だと、東京都美術館の「ゴッホ展」

サントリー美術館の「聖徳太子展」なんかをやっているようです。

リンク先の制作実績で、会場写真を見てもらえば「あーこういうことか」とわかるはずなので、百聞は一見にしかず、とりあえずのぞいてみてください。同じ美術館であっても、彼らの手にかかると全く違う世界に生まれ変わります。

東京スタデオ以外にも、株式会社芸宣もいろいろな美術館で仕事をされていますね。商業店舗のレイアウトなども手がけていますが、国立科学博物館や練馬区立美術館、吉祥寺美術館などの展覧会を担当しています。

もちろん展示室をまるごと作るような大がかりな仕事だけでなく、展示用のアクリルケースを特注で1台製作してくれたりもします。

美術館の展示室に足を踏み入れた時、外の世界と隔絶した異世界にいる、という没入感をお客さんに味わってもらうためには、こうした空間デザインのプロフェッショナルの力が必要です。

時間を忘れて、日常を忘れて、作品鑑賞を楽しむ体験こそ、実際に美術館に足を運んだ人だけが味わうことができるものです。でもそれは、学芸員だけでは提供することができませんので、いやーほんとすごいよなぁと尊敬しています。

職業病で、プライベートで展覧会を観に行っても、「うわーこの特設の壁、手が込んでるわー」とか「あ、こーゆーバナーの吊るし方、センスいいなー」とか、変なところを楽しむ私です。皆さんも今度どこかの美術館に行った時に、作品だけでなく、ちょっとその周りの空間も見回してみてください。色々な特別な工夫がされていることに気がつくと思いますよ。

美術に関わる仕事をしたい、と考える人は多いですが、具体的な仕事を知らないと選択肢にもあがらないと思うので、時々こんな感じで各プロフェッショナルを紹介していきたいと思います。乞うご期待。


バックナンバーはここで一覧できます(我ながら結構たくさん書いてるなぁ)。

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