先祖帰り、怪物、知の巨人
キプロス王やエルサレムの騎士などを輩出したフランスの名門リュジニャン家(15世紀に王家としては断絶)は自分たちの先祖をメリュジーヌという怪物だとしました

下半身は蛇でドラゴンの翼を生やす女がメリュジーヌ。呪いのせいで週に一度怪物になってしまうメリュジーヌに恋したレイモンという貴族は結婚を申し込みます。週に一度土曜日は会わないことを条件に結婚し、子宝にも恵まれるのですが、悪い噂を聞きつけたレイモンドが誓いを破り土曜日に沐浴しているメリュジーヌを覗いてしまいます。それは怪物の姿をしており、誓いを破ったことでメリュジーヌはそのままドラゴンになって城を出てしまうという話
鶴の恩返しなど各地にこの手の話がありますが、その怪物を先祖にする家があるというのは興味深いところです

《ベリー公の時祷書》にも登場しており、城の右の塔にいるドラゴンはメリュジーヌです。彼女は小さな子どもを城に残したままドラゴンになって出ていったので、たまに戻っては屋根の上で泣いてるという言い伝えがあります。なおこの城こそリュジニャン城ですが、壊されて現存していません
イタリアの貴族だと、明らかに怪しい系図であっても「先祖はカエサル」などと古代ローマ史の人物にとりあえず設定するのですが、このリュジニャン家は怪物出身にするのは中々面白いチョイスだなと思います
実は日本に負けず劣らず怪物や怪獣の類がたくさんいるのがフランスという国です。しかし見たところ、先祖が怪獣であることを誇るというのはこの家くらいでしょう
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