【Kindle出版格闘記#3】「お節介なWEBツール」の逆襲。意気揚々とコピペした私を襲った、巨大な『見出し3』の群れ
◆ 自動保存という魔法を手に入れた男
「保存ボタンはいらない」という真実を知った私は、もはや無敵のつもりでいました。
冷たくなったアイスコーヒーを一口飲み、再びマウスを握ります。
Word歴30年。コピペなどお手の物です。
「あとは貼り付けるだけだ」

◆ 貼り付けた瞬間、画面が豹変した
noteの本文をGoogleドキュメントに貼り付けた瞬間、画面の様子がおかしくなりました。
頼んでもいないのに、文字が巨大化しています。
しかも太い。
ドキュメント全体が、突然「見出し3」の海に沈みました。
貼り直しても、同じことが起きます。
もう一度貼り直しても、やはり同じです。
「いらっ」とはしませんでした。
ただ、ポカンとしました。
「あれ……何が起きているんだ?」
「そもそも、見出し3って何だ?」
「標準テキストとは何で、見出し1や2に何の意味があるのか?」
WEBツールが勝手に行う「解釈」の意味が、まったくわかりませんでした。
◆ 魔法のボタンはなかった
Geminiに聞きました。
答えは単純でした。
「noteの記事には独自の書式データが含まれていて、貼り付けるとGoogleドキュメントが見出しとして誤って解釈してしまうんです」
一括で直せるボタンはありません。
ひとつずつ手作業で「標準テキスト」に戻すしかない、ということです。
「少し面倒だな」と思いながらも、腹を括りました。
全8話・16記事分。やるだけです。
◆ 終わりのないお掃除、そして無心
1行ずつ選択して、「標準テキスト」に変換します。
また1段落選択して、変換します。
また次の段落。また次の行。

単調な作業が続くうちに、頭が空になってきました。
「さっさと終わろう」
そのとき、Geminiが静かに言いました。
「ボス、見た目を大きくすることより、構造こそがKindleの命です。見出しは読者のための地図ですよ」
手を止めて、少し考えました。
◆ 「構造を与える」という仕事
見た目を大きくすることに必死になって、中身の構造がデタラメになっていないか。
これは原稿だけの話ではありません。
組織も、まったく同じです。
肩書きを与えるだけで、役割の「見出し」を与えていない管理職。
業務を大きく見せることに必死で、仕事の構造を整えていないチーム。
私は64歳にして、「見出し」という言葉の本当の意味を初めて知りました。
DXとは自動化ではない。
情報のゴミを泥にまみれて整理し、正しい構造を与えることです。
達成感に浸りかけたその瞬間、Geminiが冷たく告げました。
「ボス、お疲れ様です。でもこれでやっと全体の35%ですよ」
あなたの職場に、「見た目だけ整えて、構造を与えていない仕事」は、ありませんか。
見出し3の海に沈んだとき、正直、うんざりしました。
それでも1行ずつ、地道に直していくしかありませんでした。
構造を整えるとは、そういう地味な作業の積み重ねなのだと思います。
見た目の派手さより、まず土台を。
その順番を、64歳になって学び直しています。
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