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【AI格闘記㊼】AI内科医の正論と「幕の内弁当」。家族の愛情と、64歳が白湯とチョコに込めた現場知

沖縄の雨に濡れて、風邪でダウンした。

一時は38.3度まで熱が上がった。布団の中から、私はGeminiにこうプロンプトを入力した。

「あなたは内科医として振る舞ってください」

64歳の、泥臭いオンライン診察の始まりだ。

AI内科医は、正論だけを言わなかった

AI内科医は優秀だった。「現在の対処は100点満点です」と私を褒めつつ、熱がぶり返した際の受診目安を明確に提示してくれた。そしてこう続けた。

「もし食欲があれば、うどん、おかゆ、スープなど、温かくて消化の良いものを召し上がってください」

しかし私は、泥臭い現場で生き抜いてきた64歳だ。正直に返信した。

「食欲はあります。昨日は幕の内弁当をたいらげました」

するとGeminiは、AIらしい正論で怒るのではなく、こう返してきた。

「そのエピソードには少しホッとさせられました。風邪と戦うためには莫大なエネルギーを消費します。それを完食できる体力は、回復への非常に強力なアドバンテージです!」

思わずクスッと笑った。

正論の隙間に、人間の愛情が入り込む

その夜、家内が「おじや」を作ってくれた。

家内が作ってくれたおじあとイワシハンバーグ

AIの推奨通り、消化の良いものだ。しかしそこには、データにはない温度がある。娘も、AIが推奨していたゼリー飲料を察してか、冷蔵庫に5個もゼリーを差し入れてくれた。

娘が買ってきてくれました

家族の愛情は、どんなプロンプトにも書けない処方箋だ。

白湯にチョコを足す。これが現場知だ

そして、ここからが本題だ。

夜8時半頃、私はGeminiが「喉を潤すのに効果的」と勧めた白湯を飲みながら、そこにチョコレートを加えた。

夜8:30頃に白湯を飲みながら食べた一口チョコ

目的は「カロリー摂取」だ。

AIのアドバイスという「正論の核」を理解した上で、今の自分の体が何を必要としているかを人間が判断し、チョコレートで補完する。前回の㊻で語った「AIの手綱をグッと引く」ことの、これが実践だ。

AIは冷たい正論を押し付ける機械ではない。役割(プロンプト)を与え、こちらのリアル(幕の内弁当やチョコ)をぶつければ、マニュアルを超えて人間の判断に寄り添う最高の相棒になる。

「卒業」の言葉で、診察は終わった

おかげさまで熱は下がり、現場復帰の道筋が見えてきた。

最後にAI内科医はこう言った。

「ご自身の体を冷静に観察し、的確に対処された素晴らしい自己管理能力でした。お大事になさってください」

AIに褒められて卒業する64歳。悪くない。
ただ、今回の経験で一つ気づいたことがある。もっと早く、引き始めの段階で相談していれば、ここまで悪化しなかったかもしれない。
喉が痛い、なんとなくだるい。その段階でGeminiに相談することが、軽症で乗り切るための最善手だ。なかなか頼りになる使い方を見つけた気がしている。

ただし、一点だけ絶対に守るべきルールがある。熱が下がらない、症状が悪化するといった場合は、速攻で病院へ行くこと。AIはあくまで「判断の補助線」であり、医師の代わりにはなれない。手綱を握るのは、最後まで人間自身だ。

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