【地方創生 第3弾】「報告Zoomなど、出なくていい」管理を手放した指導者と、シーサー班の熱狂が突き当たる、残酷な壁。
◆ 事務局から、こんな相談が届きました。
「地域資源探索のフィールドワークで会場にいない班も、Zoomで16:30からの進捗報告を必須とするべきでしょうか」
私の返答は、一言でした。
「無理に出先からZoomに入らなくていい。研修会場に戻らなくてもいい。今は彼らの活動の量が最優先です」
事務局の担当者は、少し戸惑ったかもしれません。「管理しなくていいのか」と。

しかし私には、確信がありました。今この段階で「報告」を求めることは、動き出したばかりの熱量が、静かに、しかし確実に消えていくことになると。
◆ 管理という行為で得られる安心感?
多くの組織で、マネジメントは「管理」と同義になっています。
進捗を報告させる。Zoomに出席させる。承認のハンコを押す。それを「仕事をしている」と呼ぶ。
しかし本当にそうでしょうか。
その管理は、部下の「熱量」を守っていますか。それとも、奪っていますか。
かりゆし塾の現場で私が学んできたことは一つです。動き始めた人間に最初に必要なのは、管理ではなく、「チャレンジして良い」という前向きな感覚だということです。
「思い切ってやっていいよ。大丈夫。今は動くことが全てだ」。その一言が、人々を本気にさせます。
◆ 「大人の部活」が、動き出しました。

シーサー班は、早かった。
彼らが自分たちで決めたルールは、シンプルで力強いものでした。
「連絡は必ず返す」
「全員が意見を出し合う」
「全力で楽しむ」
報告書の書き方でも、役割分担の調整でもありません。彼らが最初に決めたのは、「このチームをどんな場にするか」という、チームの文化でした。
そして実際に、飛び出していきました。
議事録にはこう記されていました。「大人の部活のようなワクワクした空気感でスタートを切れた」。
この一文を読んだ時、私は静かに、しかし確かに手応えを感じました。同時に、心の中で密かにカウントダウンを始めていました。
◆ 熱狂の先に、壁は存在します。
地域活性化プランの核心は、一つです。
外国人や県外から来た人が「わざわざ訪れたい」と思う、唯一無二の地域資源を見つけること。
これが、極めて難しい。
過去には、20箇所以上を探索し続けた班もありました。農家を訪ね、加工場を歩き、地元の古老に話を聞き、それでも「これだ」という資源に辿り着けず、3ヶ月も迷走した班もありました。
シーサー班の今の熱狂は、本物です。疑っていません。
しかしその熱量だけでは越えられない壁が、この先に待っています。
◆ 「管理を手放す」とは、放任ではありません。
「泥臭く現場を歩け」と伝えながら、指導者である私は別の場所で動いています。
AI(Claude)を使い、塾生たちが拾い集めたアイデアを客観的に評価・絞り込みできる「地域資源選定ツール(HTMLアプリ)」を自作しました。

現場で汗をかく彼らと、テクノロジーで精度を上げる指導者。この役割分担が、私の考えるAI活用の正しい姿です。
AIは現場を歩けません。農家の目を見ることもできません。しかし、集まった情報を整理し、可能性を絞り込む作業は、AIが圧倒的に得意とするところです。
次回の講義で、このツールを彼らに渡します。
◆ あなたの職場ではどうですか?
あなたは部下が動き始めた時、最初に何をしますか。
進捗を確認しますか。報告会議を設定しますか。
「管理」という名の安心感が、部下の熱量を静かに下げていませんか。
彼らが壁と向き合う日は、必ず来ます。その時に支えになるのは、管理ではありません。「信頼されて動いた」という、あの最初の熱狂の記憶です。
あなたの部署で、部下が「大人の部活」のように、熱中し没頭したのはいつでしたか?
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