「管理職は罰ゲーム」を名著「バカの壁」で乗り切る事ができるのか?
聞いてますか?ひとの話
社内の製造部署で不良品が発生しました。
私より少し歳上の製造マネージャーは、製造現場で、スタッフを集め、
ミーティングを実施します。
マネージャーは、かなり激昂し、精神論を語っていたようでした。
その場を離れ、15分程して戻ると、「まだやってる⋯。」
多分、同じ話を3回くらいループしていたでしょう。
遠目でその様子を俯瞰的に観ていると、1つの事に気づきました。
スタッフ全員、下を向き、メモを取るでもなく、話を聞いていない様子。私は、これは「バカの壁」だなと直感しました。
脳係数の存在
平成で一番売れた新書と言われる養老孟司先生の「バカの壁」によると
人間はコミュニケーションを取る場合、脳の中で何が起こっているかというと、y=ax脳関数が働きます。脳への入力(情報)xと反応(五感を使う運動)yがあり、脳内で「現実の重み」という係数aが加わります。
よって、今回の例を当てはめると
相手に言われた事「マネージャーが言ったこと」x
脳の中での係数 「スタッフが感じる現実の重み」a
外に出る反応「聞いていない態度」y
aが0であると、y=0となります。
だから、下を向いて、「早く終わらないかな」の感覚しかありません。
これが「バカの壁」です。
『「話せば分かる」は無駄』と本書にも記述があります。
マネージャーも、「あなた達に言いました。」で満足し、その後のフォローを何もしていない。だから、同じミスが発生します。
当然、この問題は、製造現場だけではなく、私が管轄する受注・出荷部署の問題でもあり、どうミスを防ぎ、スタッフの皆さんに高いモチベーションをもって業務にあたってもらうかは、日常から気を使う部分です。
過去にも関連した記事を書きました。
情報化社会は「脳化」した社会を生み出した
都市化、マスコミの発達により、多数の人間が「情報を共有する」ようになりました。特に、デジタル化した現代社会では、文字、データー、理論が優先され、「自分の正しさ」の情報を集めます。一元的思考に支配され、考え方に余白がなくなります。それが、「脳化した社会」です。
そんな現状で、管理職の私達は、どう職場を切り盛りするべきか?
「壁」の存在を認めるしかない?
小林 祐児氏の著書 「罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法」によると、現在の管理職は、「コンプラ、ハラスメント対策」「働き方改革」などのマクロ要素と「人手不足」「管理職の育成システムの不備」などのミクロ要素の対応に迫られ、従来以上の負荷がかかり、デメリットばかりで、昇進は「罰ゲーム」のように捉える風潮があると解いています。
確かに、私や他の管理職者もそれを実感していて、共通の課題です。
「世代間やコンプライアンスの壁」などコミュニケーションを阻害する壁だらけの状況です。
それを乗り越えるのに、「壁をぶっ壊す」ではなく、「壁」の存在を認め、「壁越しでのやり取り」、言い換えれば、「違う世界に住んでいる人」と業務をしていると考えるのも、1つの方法でしょう。
脱「罰ゲーム」に必要なこと
本書「バカの壁」の中に、人が解り合うには、身体、共同体、無意識が必要とあります。言い換えれば、「肉体の行使、仲間意識、素直な感情」で人と接することが大切という事になります。
私の業務に落とし込むと、「一緒に体を使い、威圧的な態度を止め、同じ経験をする」という事になります。
また、小林 祐児氏の著書でも、罰ゲームを脱するには、仕事の洗い出し、組織構造や権限の見直し、管理者同士のネットワークの構築、管理候補者の特別研修の実施などを挙げています。
長屋のご隠居になってみる
江戸時代を「脳化前の時代」とするのなら、(少し強引な例えですが)
部署は、落語によくある長屋で、スタッフはそこに暮らす町人、管理職は
長屋のご隠居と捉えてみます。
ご隠居は、長屋の連中の面倒を見る感覚で、時には、厳しく、時にはユーモラスに見守る。そんな関係も面白いと感じます。
つまりは、方向性(会社の為のミッションを達成する)の認識をもち、ある程度の権限をもってもらい、相談したり、手助けするという関係で向き合ってみる。というのはどうでしょう。
少し理想論を語っているので、「そんなに上手くいくかな?」というツッコミはあるでしょう。しかし、脳係数aを意識するだけで、新たな思考や発想があるかもしれません。「一元的思考」をしないよう心がけたいですね。
この本が発売されたのは、2003年です。20年以上前の著作ですから、この間、脳科学は進歩し、時代もよりデジタル化が進んでいます。ですから、この著作だけを盲目的に実施する必要もありませんが、養老先生は「壁」をシリーズ化し、新しい情報も加味した本もあります。
そちらも読んでみたいです。ちなみに手元にある本は大昔、ブックオフで100円で買いました。養老先生ごめんなさい。次は、新品で買います。
さて、製造マネージャーと何を話しますかね?
難しい問題が山積みです。
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