君追いのノクターン ~幻想に迷う探究の果てに~
君の輪郭がぼんやり浮かんでは消える。
脳内の奥の奥で、シルクの肌触りのように流れるノクターン。
池の泡のように、また浮かんでは消える君の輪郭。
追いかけるそれは、深層に映るただの幻影なのか?
君の名は──。
ネタ。
ここ1週間ほどネタが思い浮かばんのである。
書きたい衝動だけは一丁前に人五倍ほどあるのだが……。
なんか無ぇかぁ?
なんぞ無ぇかぁ?
などと悪い子を探すナマハゲのようにあちらこちらを観察してみるものの、井上陽水や斉藤由貴が「ふふっふ〜♪」と歌うように、見つからん時は見つからんものなのである。
まあこんな時は無理に捻り出そうとすると、出てはいけないものがプリッと出てしまったり、煮詰まって悪循環にトルネードがループでドーンとなったりするので「こんな時はインプットに意識を持っていこう」などと思い、積読になっている小説や漫画の中から1冊の文庫本を抜き出した。
その小説は延々と破茶滅茶で、延々と笑いながら読んでいたのだが、本文353ページのラスト80ページになっても終息に向かう気配が無い。
さらに読み進める、が、しかし。
ラスト50ページ、ここに来ても全く終息に向かう気配が無い。
大丈夫……か?
ラスト10ページ。
いやいやいやいや、どこへ向かってんねん!
ラスト3ページ。
ここでタイトルの回収?!
最後のページ。
ただの破茶滅茶やなかったんや──。
読了。
あー、これは賛否分かれるやろなぁ。
3日かけて読み切ったけど、俺は凄くおもしろいと思った。
少なくとも「もう一度読み直そう」と思うぐらいに。
さあ、良い読書体験をしたことやし、何か書いてみようかな?
やはり何もネタが浮かばん……。
そりゃそうか、土日が休みになったからと小説を読んでいて、一歩も外出してなけりゃネタもクソもあるかいな。
せいぜい嫁さんが天然ボケを2発ほどかましたことに、俺が屁を放つことで返事をすると娘が「パパー、やめてよー」と言った程度である。その時愛猫りんたはニャンモナイトになり丸まっていた。
いたって平和である──。
平和であるとさらにネタは浮かばんもので、ならば新しいことでも始めてみるか?
うーん……詩でも書いてみる?
っていうか、そもそも詩って何を書けばええの?
とりあえず思い付いたことを書いてみるか。
腹が減ってそっと開けた冷凍庫には枝豆、
塩をまぶしてチンした。
冷蔵庫のキンキンに冷えたビールに手を延ばす。
塩味の効いた枝豆を口に放り込み、プシッっとプルタブを引いて、グビッとシュワッと飲み干す。
カーッ! これが極楽か──。
酔いどれ親父の心中を文字起こししただけやないかい!
どこが詩やねん!
冒頭のボケのために作った文章の方が、よっぽど詩っぽいわ!
などと、ネタが無いことをネタにしようとした成れの果てでございます。
そんなこんなで、脳内の奥の奥では
今もノクターンが流れているのである。
どうか君よ、輪郭が滲んだままの君よ、早く俺の元へ──。
お時間があれば、こちらもどうぞ。
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正直、おっさんが舞い上がります。
