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【特別編】いざという時、我が子を救えるか。現役医療者が教える子供の心肺蘇生法

押忍!空手家パパです。

大人の心肺蘇生法(CPR)の前後編に続き、今回は親御さんが一番知りたい(そして一番怖いであろう)「特別編:子供の救命」についてお話しします。

大人の心停止が「心臓のポンプ自体のバグ」から起きるのに対し、子供の心停止の多くは誤嚥(ごえん)などによる「窒息(呼吸停止)」から始まります。システムが停止する原因が違うため、対処法(構造)も変わってきます。

今回も忙しいパパ・ママのために、まずはこれだけ覚えておけば動ける【子供を守る絶対ルール】を最初にまとめておきます!ここだけスクショして冷蔵庫に貼っておいてください!


🛡️ 時間がない人へ!子供の命を守る「5つの絶対ルール」


1. 窒息は「咳・声」で判断!
 咳や声が出るなら見守って受診!声が出ない・苦しそうならすぐ異物除去!

2. 異物除去は年齢で明確に分ける!
  1歳未満は「背中5回+胸を斜め上に5回」のループ!1歳以上は「背中を5回叩き、取れなければお腹を突き上げる」!

3. 反応と呼吸がなくなったら即CPR!
  ぐったりして反応がなくなり、「普段通りの呼吸」もなければ、異物除去をやめてすぐ「胸骨圧迫(CPR)」に切り替える!

4. 深さの目安は年齢でチェンジ!
  1歳未満は約4cm(指2本)。1歳以上は約5cm(片手または両手)で!

5. 人工呼吸は「2回」入らなければ次へ!
  子供には人工呼吸が重要。「30回押す→2回吹く」のループ。息がうまく入らなくても執着せず、すぐに胸を押して次のループで再チャレンジ!

それでは、「なぜそうするのか」という構造をきちんと理解して家族の陣地を強固にしたい方のために、ここから本編です。

押忍!

■ 1. 最大の敵「窒息」の物理構造と解除法

子供の事故で圧倒的に多いのが、誤嚥(ごえん)・窒息です。
もし子供が急に苦しそうにしたら、まずは「咳ができているか」「声が出るか」を確認してください。

* 咳や声が出る場合
  気道が完全には塞がっていません。自力で押し出そうとしているので、親が指を口に突っ込むと逆に奥へ押し込んでしまう致命的バグが起きます。無理にいじらず、見守りながらすぐに救急受診の判断をしてください。

* 声が出ない、顔色が悪い、のどを掻きむしる場合
  完全に気道が塞がっています。すぐに以下の異物除去のアクションを起こします!

【異物除去のハック(年齢での分岐)】

ここを絶対に混同しないでください。
お子さんに合わせた手技を優先して覚えてください!

* 1歳未満(乳児):「背中を5回叩く」と「胸を5回押し上げる」を交互に!
  頭を低くして肩甲骨の間を強く5回叩く(背部叩打法)と、仰向けにして胸骨の下半分を指2本で「頭側に向かってやや斜め上に約4cm、5回押し上げる(胸部突き上げ法)」を交互に繰り返します。
  ※CPRの「真下に押す」のとは違い、異物を出すために「斜め上に押し上げる」のがポイントです!ここ間違いやすいので注意してください。

* 1歳以上〜小学校高学年くらいまで:「背中を5回叩き、取れなければお腹を突き上げる」
  「背中を5回叩く」を行い、取れなければ後ろから抱え込んで「お腹を斜め上に突き上げる(腹部突き上げ法)」を行います。

覚悟のデバッグ:「衝撃」を体の中に響かせる!

「小さな赤ちゃんの背中を強く叩くなんて怖い…」とためらう気持ちは分かりますが、優しくトントンでは異物は絶対に出ません。
手のひらの付け根を使って「スパンッ!」と鋭く叩き、肺の中の空気を押し出すイメージで、的確な「衝撃」を体の中に響かせてください。

絶対NG!吐かせてはいけない危険物

以下のものを飲み込んだ場合は絶対に吐かせてはいけません!

* ボタン電池:食道や胃の粘膜を短時間で壊死させます。即病院へ!
* 漂白剤などの洗剤:吐かせると気道をさらに損傷させます。水で口をすすいで即病院へ!
* 鋭利なもの(画鋲など):食道を傷つけます。無理に吐かせず即病院へ!

■ 2. 意識と呼吸がなくなったら「システム切り替え(CPR)」

異物除去を頑張っていても、子供がぐったりして反応がなくなってしまったら、「異物を出すこと」に執着し続けてはいけません。

意識がなくなり、「普段通りの呼吸」もなくなったら、すぐに異物除去を諦めて「心肺蘇生法(CPR)」にシステムを切り替えます。

119番通報し、スマホを「スピーカーモード」にしてプロと一緒に戦います。

■ 3. 子供のCPRの構造(大人との違い)

意識も普段通りの呼吸もなければ、すぐに胸を押します。「異物除去の突き上げ(斜め上)」と「CPRの胸骨圧迫(垂直)」は別物です。

違い①:押し方のフォーム(深さの目安)

大人のように全力で押すと体が壊れます。テンポは1分間に100〜120回は大人と一緒です。

* 1歳未満(乳児)の深さ:約4cm
  胸の真ん中を、「指2本(中指と薬指)」で垂直にまっすぐ下へ押します。

* 1歳以上〜小学校高学年くらいまでの深さ:約5cm
  胸の真ん中の下半分を、「片手のひらの付け根」で押します。
 それ以上大きく成長していて約5cmの深さが片手では足りない場合は、大人と同じ両手で行います。

違い②:子供には「人工呼吸」が超重要!

子供の心停止は呼吸停止が原因なので、体内の酸素の貯金がすっからかんです。そのため、「胸を30回押す → 人工呼吸を2回」のセットで行うのが基本になります。

■ 4. 人工呼吸の「致命的なバグ」を回避せよ!

ここで、陥りやすい「2つのパニックバグ」をお伝えします。

バグ①:親の愛情による「入れすぎ」問題
大人の肺活量で全力で吹くと、子供の小さな肺は破れてしまいます。
息を入れる時は、「子供の胸」をじっと見つめながら、胸が軽くフワッと上がる程度の量を、優しく吹き込んでください。

バグ②:「入らない!」と執着してしまう
「うまく空気が入らない!もう一回!」と人工呼吸に執着してしまうのが一番危険です。その間、心臓のポンプが止まってしまうからです。

「2回試してうまく入らなくても、すぐに胸骨圧迫(30回)に戻る!」

人工呼吸は重要ですが、うまく入らなくても「次のループでまた挑戦しよう」と割り切り、ポンプ(胸骨圧迫)を止めないことを優先してください。

■ おわりに:「見る・呼ぶ・押す・吹く」の構造

緊急事態で頭が真っ白になったら、紙に書いたこの4つの順番だけ思い出してください。

1. 見る:周囲の「安全」を確認し、子供の「反応」と「普段通りの呼吸」を見る。

2. 呼ぶ:大声で助けを呼び、「119番」と「AED」を手配する。

3. 押す:すぐに「胸骨圧迫(30回)」を始める。

4. 吹く:「人工呼吸(2回)」をする。入らなくてもまた「押す」に戻る。

手順を間違えてもいい。うまく空気が入らなくてもいい。

119番をスピーカーモードにして、プロの声を聞きながら「胸を押す」。

その勇気とアクションだけで、命が助かる確率は劇的に上がります。

自分の陣地は、知識と勇気で整えよう。
共に戦いましょう。押忍!


子供の救命処置は細かく難しいですが、大人の救命処置を覚えてからそれにプラスするような形にすると覚えやすいです。
基礎はこちら💁


具体的なやり方はこちら💁

押忍!

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