社外取締役に「通信簿」がつく時代
こんにちは けんご界隈です
7/20は海の日で日本の株式市場はお休み
韓国KOSPIは今日も下落中…
明日の相場も雲行き怪しいですね…
というわけで今日はちょっと肩の力を抜いて、最近気になっているガバナンス周りの話を書いてみます!
1.東証が「一般株主の本音」を可視化する
ソフトバンクや中外製薬など約1100社が、役員選任議案について一般株主(少数株主)の賛否を開示する方針だというニュースが出ました。
親会社や大株主がいる会社では、総会の賛成率って実は「大株主が黙って賛成票を積んでいる」だけのケースが多くて、少数株主が実際どう思っているかは見えにくかったんですよね。
これからは、その「少数株主だけの本音の賛成率」が数字で出てくる。
会社側からすると、都合の悪い数字を隠せなくなるということでもあります。
いわば取締役一人ひとりに通信簿がつくようなもの。
特に社外取締役は「独立性を保って少数株主を守る」ための存在なので、この数字が低いと「役割を果たせていない」と一発でバレてしまう仕組みです。
2.ニデックが突きつけた「社外取」問題
同じタイミングで象徴的だったのがニデックの株主総会。不正会計・品質不正が明らかになる中、株主から「無能だ、本当に何をしていたのか」という声が飛び、退任した社外取締役が総会の場で謝罪する場面もありました。
しかも同社は、社外取締役が過半数を占める
「監査等委員会設置会社」
制度上はもっとも監督機能が強いはずの形なのに、その機能が完全に麻痺していたというのが今回の核心です。
「会社から情報をもらえなかったから気づけなかった」という言い訳は、監督者としては通用しない——情報は待つものではなく取りに行くものだ、という指摘はその通りだなと思います。
3.「事故は買い、事件は売り」
このニデックの件を眺めていて思い出したのが、相場の古い格言「事故は買い、事件は売り」
事故:工場火災のような突発的トラブル。
一時的な影響で済むことが多く、下落は買い場になりやすい
事件:不正会計のような、会社に根本原因があるトラブル。
信頼そのものが壊れるので、簡単には戻らない
東芝の2015年の不適切会計は事件型の代表例で、6年経っても発覚前の株価水準に戻れませんでした。
ニデックも会計不正に加えて有価証券報告書の提出遅延という上場廃止リスクまで抱えていて、まさに格言通りの「事件」側。
押し目買いは慎重に、というところでしょうか。
4.そもそも規制が及ばない世界もある
ここまでは上場企業の話でしたが、これって東証の規則なので、当然ながら非上場企業には一切及びません。
上場企業なら「賛否開示」「独立性基準」「機関投資家との対話」といった外圧が常にかかりますが、非上場企業は社外取締役を置くかどうかも任意だし、置いたとしても選び方も開示ルールもオーナーや経営陣の裁量次第。
議決権行使結果を開示する義務もなく、機関投資家やメディアの監視もほぼ入りません。
悪意がなくても「昔からの知り合い」「顧問弁護士」「取引先の元幹部」といった、緊張関係の生まれにくい人選になりがちなのは自然な帰結です。
ニデックの件は「監査等委員会という箱があっても機能しなかった」という話でしたが、非上場企業の場合はその箱すら求められていない。
ガバナンスの差はさらに開きやすい構造だったりします。
あなたの勤める会社の社外取締役、あるいは社外監査役はどうでしょうか?
肩書だけでなく、実際に緊張関係を保てる人が選ばれているか。
一度眺めてみると、いろいろ見えてくるかもしれません。
5.まとめ
- 東証の新ルールで、社外取締役の「本当の支持率」が丸見えになる
- ニデックの一件は、肩書だけの社外取が機能不全に陥るリアルな例
- 「事故」と「事件」は似て非なるもの。株価下落の意味を取り違えないことが大事
ガバナンス強化の流れは今後も続きそうなので、総会シーズンの賛成率チェック、これからはちょっと違う目線で見られそうです。
