【ポテンシャライトの採用ブランディング】多くの企業が見落としてしまう“ある視点”の話
はじめに
こんにちは!ポテンシャライトのミネナホです!
採用ブランディングに取り組んでいる企業の多くが、この問いに直面しています。
「ここまでやっているのに、なぜ採用につながらないのか?」
採用サイトも刷新した、
ピッチ資料も作り込んだ、
SNSでの発信も強化した、
社員インタビューも充実させた。
それでも、応募数は想定を下回り、選考途中での離脱が発生し、最終的に志望度で負ける。
このとき、多くの企業はこう考えます。
「まだ魅力が伝わりきっていないのではないか」
「もっと分かりやすく訴求する必要があるのではないか」
その問いへの答えはたくさんあるのですが、その中でも、実は見落とされがちだがとても重要な、ポテンシャライトが提唱するIFAフレームワークの中の「I(Important:重要性)」にあると、今は思っています。
IFAって何…?と感じた方、後ほどご説明するのでぜひそのまま最後まで読んでみてください。
このブログでは、「魅力の伝え方」に悩む方に向けて、Important (重要性)がどんな役割を持ち、どう設計すれば求職者さまの心に届くのかを、できるだけ具体的にお伝えしていきます。
なぜ重要性を語らなければいけないのか。
そもそも重要性って何なのか。
IFAはどんな役割を果たしているのか。
こちらについて前半後半に分けてお話ししようと思います。
1. IFAとは
そもそもIFAという概念についてご説明します。
IFAとは何かというと、採用ブランディングにおいて採用企業さまの魅力を言語化・設計する際に使うポテンシャライト独自のフレームワークです。
I(Important):重要性
F(Fact):事実
A(Attract):魅力

上記の頭文字をとってIFAとポテンシャライトでは定義づけています。
このIFAについて詳しく解説しているブログがありますのでこちらをご覧ください。
簡単にお伝えすると、IFAの3つは、それぞれ異なる役割を持っています。
・I(Important):「この事実や魅力が、あなたのキャリアにとってなぜ重要なのか」という意味づけ
・F(Fact):「この会社はこういう会社です」という客観的な事実
・A(Attract):「他社と比べて、これだけの希少価値があります」という比較優位性
Fact (事実)とAttract (魅力)が「何を持っているか」を伝えるとすれば、Important (重要性)は「それがなぜあなたに関係するか」を伝えます。
3つがセットになって、はじめてメッセージが「届く言葉」になります。
ポテンシャライトでは採用ブランディングの支援を行う際に、採用企業さまの魅力を発掘、言語化、整理する上で、その言語化というところに対してIFAというフレームワークを用いて言語化しています。
後半ブログで事例を紹介しますが、いつもご支援させていただく際は、IFAをかなり詳細に言語化した内容をストーリーテリングのようにまとめ、いくつかの項目に分けたIFAにて、合計15,000〜20,000文字程度まで構造化・言語化しドキュメントでまとめた内容をお渡ししています。
いつも多くのお客様に、かなり詳細に言語化してくれているねとお言葉をいただくのですが、ミネナホ個人的に「IFAのImportant (重要性)」がとても肝になると考えています。
今回はなぜ「Importantが重要性なのか」について今回事例を用いながらお話ししようと思っています。
1-1. 「Attract (魅力)」だけでは不十分な理由
多くの採用コンテンツは、以下のパターンの場合が多いです。
・パターン①
「当社はこういう会社です。こういう強みがあります。」
・パターン②
「当社はこういう会社です。こういう強みがあり、他社と比較してもこれだけの希少価値があります。」
パターン①はただ事実を述べているだけ。
パターン②は、事実に比較の文脈を加えて魅力に昇華しています。
本日と魅力の違いについてはかなり深いので、ここでは割愛しますが、山根が過去公開したブログでかなり詳細に記載しているので、こちらも併せてご覧ください。
上記2パターンはどちらも間違いではないのですが、求職者さまの視点に立つと、決定的に何かが欠けています。
「で、それって自分のキャリアにとってどういう意味があるの?」
この問いへの答えが、ないのです。
1-2. Fact (事実)とAttract (魅力)が欠けている状態で起きること
採用企業さまの魅力を聞いたとき、求職者さまの中でこういうことが起きています。
「シリーズBで10億調達しました」→ すごそう。でも自分に何の関係が?
「業界トップクラスの成長率です」→ 確かに。でも5年後の自分のキャリアとどう繋がる?
Fact (事実)とAttract (魅力)は情報を届けることができます。
でも情報を届ける「だけ」では、求職者さまの心は動きません。
「自分ごと化」されていないからです。
結果として以下の連鎖が起きます。
1. 求職者さまが「事実」は理解したが「意味」を掴めない
2. 魅力として受け取ってはいるが「自分ごと」にならない
3. 複数社を比較したとき、印象の差がつかない
4. 志望度が上がらず、選考が進まない
どれだけ魅力的な事実であっても、それが自分のキャリアや価値観とどう結びつくのかが見えなければ、意思決定の材料にはなりません。
Fact (事実)とAttract (魅力)だけの採用メッセージが「なんとなく良さそう」で終わるのは、そういうことです。
2. 「Important (重要性)」とは何か
では、Important (重要性)とは具体的に何を指すのでしょうか。
これを考える時に「インサイトを作る」という考え方が大事になります。
「インサイトを作る」ということについて、ポテンシャライトの代表・山根が事例を用いてブログを書いているのでこちらもぜひ併せて読んでいただきたいのですが、
このブログは採用企業さまへのコンサルティングの文脈で書いたものです。
このブログの内容を超簡単に説明すると、「インサイトを作る」とは、相手がまだ言語化できていない欲求や価値観に、先に気づいてあげることです。「言われてみれば、確かにそれが欲しかった」という感覚を引き出せたとき、はじめてインサイトが機能した、と言えます。
ただ読んでいたとき、「これって採用企業さまが求職者さまに対してやることと、全く同じ構造だ」と気づきました。
繰り返しお伝えすると、「インサイトを作る」とは、相手がまだ気づいていない本質的な課題や欲求に気づかせることです。
採用においてこれを当てはめると、求職者さまは、自分のキャリアにとって何が重要かを、必ずしも自覚できているわけではありません。
なぜならば、転職活動中の求職者さまが持っているのは「今の会社で感じている不満や不安」を起点にした転職軸だからです。
その軸は必ずしも、5年後・10年後のキャリアを俯瞰した上での最適解ではない。
だからこそ、「実はこういう軸もあなたのキャリアにとって重要なんですよ」と語ることができたとき、初めて「その観点で考えると、この会社がいいかもしれない」という思考が生まれます。
つまり、Important (重要性)とは、魅力の「補足説明」だけではなく、採用企業さま側の文脈と求職者さまのキャリアの文脈を接続するプロセスです。
3. 「Important (重要性)」がなぜ重要なのか
3-1. とある採用企業さまの採用ブランディングで気づいたこと
これを最も実感した体験が、あるクリーニング業界の採用企業さまの採用ブランディングに入らせていただいた時でした。
代表の山根が採用ブランディングの支援をリードしていて、私はそのサポートとしてその場にいました。
ポテンシャライトでの採用ブランディングの際は、採用企業さまの魅力をいくつか抽出した上で、その魅力のカードとなりうる事実に対して一つひとつIFAのフレームワークを使ってドキュメントとして言語化していきます。
また、そこで言語化できたものを最終的には「6P+SCMGODB」のフレームワークに沿って魅力を整理していきます。
そのうちの一つに「なぜこのクリーニング業界の会社が、日本にとって重要なのか」というテーマがありました。
正直なところ、私はクリーニングには全くの無縁だったため、最初は「クリーニング業界の重要性をどうやって設計するのだろうか」と自分自身イメージを持てていませんでした。
しかし、ヒアリング終了後、山根とともに設計していく中で言語化されていくImportant (重要性)の内容を見ながら、私の感覚が大きく変わっていきました。
そのImportant (重要性)の中で全てではありませんが、個人的に事例としてお伝えしやすいものを用いて紹介していきます。
2-2-1. 観点① 市場のリーディングカンパニーになれるという軸
この企業さまはクリーニング×DXという領域を日本で生み出した会社です。
もしこの企業さまがいなければ、ネットクリーニングという概念自体が存在しなかった可能性が高い。
そして今、クリーニング業界全体では店舗の経営者の方は高齢化が加速しており、世代交代の波が来ています。
その中でベンチャー企業として存在するこの企業さまは、この市場を独占していける可能性を秘めているわけです。
さらに、ネットクリーニングというビジネスは「製造」「ロジスティクス」「SaaSプラットフォーム」などの要素が複雑に絡み合う構造です。
この複雑さや品質担保の難易度が参入障壁となっているため、今から競合が追いかけてくることも容易ではありません。
2-2-2. 観点② AIに代替されないキャリアという軸
今、Web上で完結できる仕事はAIに取って代わられていく、という未来は、誰もが感じているかと思います。
では、ネットクリーニングはどうか。
先ほどお伝えした通り、DX化・AI活用が進む一方で、「製造」「ロジスティクス」「SaaS運営」が複雑に絡み合うビジネスモデルの本質は、AIだけでは代替しにくい領域です。
観点①で触れた複雑さは、参入障壁であると同時に、AI時代においても人間の価値が発揮され続ける構造でもあるということです。
2-2-3. 観点③ 地球規模で貢献できるという軸
皆様ご存知でしたでしょうか。
実は日本では年間約数十億着の服が流通し、そのうち約半数以上の服が毎年捨てられています。
ファストファッションが普及すればするほど、大量生産・大量廃棄のサイクルは加速します。
ここで、クリーニングサービスがより普及し、ファストファッションだけでなくいいものを長く着ることに対する意識が変わっていくとどうなるでしょうか。
シンプルに服の寿命が延びますよね。
その環境インパクトを試算すると、
・CO₂削減
- Tシャツ1枚あたりのCO₂排出量は約1.5〜4kg。年間で1億着の服の寿命を伸ばすことができたら、それだけで数十万トン規模のCO₂削減になり、これは都市レベルの排出量に匹敵するインパクトです。
・水資源削減
- 綿Tシャツ1枚の生産に約2,700Lの水が必要。年間で1億着の服の寿命が伸び、無駄な製造がなくなれば約2,700億リットルの水資源削減になります。これは都市の年間水使用量に匹敵する規模になります。
・焼却コスト削減
- 繊維ゴミの焼却費用(1着約25円)で換算すると、年間約25億円の焼却コスト削減になり、その25億円は年間数百万本規模の植林が可能になります。
このようなイメージで数字を見てみると、「クリーニングってこんなにもSDGsとしてインパクトがあるのか」というのは単なる比喩ではなく、実際に計算で裏付けられる話だということをお分かりいただけるのではないでしょうか。
2-3. 自分ゴト化はこうして起きる
この3つの観点が示されたとき、これまで無縁だった「クリーニング」というものが自分自身や、他の求職者さまにとってとんでもなくインパクトのある重要な業界であると感じました。
例えば、私自身、現在28歳になりましたが、まだ30年以上のキャリアが残っています。
例えば私がエンジニアだったとして、Web上で完結する業務は、正直なくなっていく可能性が高いですよね。
(実際に私がこれまで行っていたスカウト業務はすでになくなりつつありますもんね。)
だとすれば、Web上で完結しない領域での経験、今回でいうとリアルとデジタルが複雑に絡み合う領域での経験は、長いキャリアを生きていく上で本質的に重要ではないか...?そんな問いが自分の中に生まれました。
また、例えば人材業界やSaaS領域などのレッドオーシャンの中で働いていると、「市場をリードする存在になりたい」という気持ちと「でも今から追いつくのは難しい」という現実の間で揺れる方も多いのではないのかなと思います。
そういう方にとっては、ネットクリーニングという領域を自分たちが作った会社で、市場を独占していくポジションを担えるという観点は、これまで選択肢になかった会社が「あり」に変わる瞬間かもしれません。
そして、自分の子どもの将来を想う親御さんなら、お子さんが10年後20年後に生きる地球がどうなっているか考えたことがある方もいらっしゃると思います。
このまま地球温暖化が進んだら、この子ども等の生活はどうなるんだろう...?という漠然の不安の中で、何か力になれることをしたい、と思う方も多いかもしれません。
そんな中で、全く無縁だった業界が、その業界が成長することによって何百万トンのCO₂削減、とてつもない量の水資源削減など、これが「自分が携わる事業の話」だとわかった瞬間に、これまで選択肢としてなかった「これは自分がいる意味のある場所かもしれない」という感覚は、かなりリアルに迫ってくるのではないかと思います。
2-4. Important (重要性)は「選択肢に入れてもらう」設計
ここで私が気づいたのは、こういうことでした。
重要性を構造的に伝えることで、これまで求職者さまの選択肢にすら入っていなかった会社が、選択肢の一つとして浮かび上がってくる。
どうでしょうか。
クリーニングにあまり縁がない方にとって、クリーニング業界を転職先として考えたことがある人は、おそらく多くはないのかなと思います。
でも、今回取り上げた3つの軸でImportant (重要性)が語られた時に「自分には関係ない」と思っていた人が「もしかしたら関係あるかも」に変わる可能性がある。
それは1%かもしれないし、5%かもしれない。でもその数パーセントは、Important (重要性)を語らなければ絶対に生まれなかった変化です。
Important (重要性)を語ることを、なめてはいけない。
Fact (事実)とAttract (魅力)をどれだけ磨いても、Important (重要性)がなければ「自分ごと化」は起きません。
Fact (事実)とAttract (魅力)に、Important (重要性)を加えることで、はじめて情報は「他人事」から「自分の話」に変わります。
そしてその変化が、求職者さまのこれからのキャリアの分岐点を生むのです。
4. さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回はIFAのImportant (重要性)について語らせていただきました。
本来はこのあとで、Important (重要性)を構成する変数や活用事例などをご紹介しようと思っていましたが、思いの外とんでもない文字数になってしまうので、次回の第二弾ということで公開できたらと思います。(現時点で6,000字超えているため...)
とはいえ、このFact (事実)とAttract (魅力)を設計することも、Important (重要性)を設計することも、テクニックだけではなく視座の高さ・視点の広さ、人生経験なども多く関わってくる領域です。
いわゆるポテンシャライトでいう「垂直的スキル」というものです。(急なワードですが)
採用ブランディングを担当している者として、「若いから」なんて理由でクオリティを妥協してはいけない。
知識もテクニックももちろんですが、一番は自分自身の人生に向き合い、そして困難にも立ち向かって自身の垂直的スキルも追い求めていきたいと思います。
次回は本ブログの続きである
Important (重要性)を構成する「変数」
Important (重要性)の実例
採用チャネルで活用する際のコツ
まとめ
という内容でお届けできたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
また次回のブログでお会いしましょう!
※当社の採用 / 人事組織系支援にご興味がある方は、ぜひお気軽にお声掛けください📣
著者:
HRパートナー ミネナホ
2022年12月より株式会社ポテンシャライトでHRパートナーとして採用戦略〜オペレーション業務など、幅広く採用支援を経験。
2026年1月より採用マーケティングサービス企画として、採用ブランディングならびに採用ブランディングの活用事例を推進中。
