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旅の終わりに、ありがたく感じたこと
旅の最終日、コロラド州のデンバーにいる。
キャンピングカーも返却し、ホテルの部屋でこれを書いている。
キャンピングカーでの旅は、家を丸ごと持ち歩くような感覚が楽しい。まるでヤドカリになった気分である。自然の中にそのまま入っていって、どこにでも宿を定めることができる。
アメリカの国立公園に行くと、ゲートをくぐってから目的のスポットまで、何キロも離れていることがよくある。その点、キャンピングカーがあれば園内のキャンプグラウンドに泊まることができるので、アクセスは格段にいい。
ただ、自然の中に入っていくということは、その分、文明的な生活から離れるということでもある。
クーラーだって、発電機を稼働させなければ使えない。しかも、多くのキャンプグラウンドでは発電機の使用時間が制限されている。
窓を開けてもじんわり汗が滲むような、寝苦しい夜が何度もあった。
水も電気も、常に必要最小限の量しか使わない。
水はキャンプグラウンドで補充しながら進むのだけれど、場所によっては供給がない。数日間、補充できないこともある。
そういうときは、残りの量を気にしながら、時にはシャワーを我慢する。
そんな日々を過ごしてくると、ホテルのありがたさが実に身に沁みる。
シーツやタオルの清潔さが、肌から直接感じられる。
水の量を気にせずシャワーを浴びられる。
トイレを使ったあとに、下水タンクを空にする作業のことを考えなくていい。
たった一週間ほどだったのに、わたしはすっかり、そんな「当たり前」の生活に飢えてしまっていた。
