「緩和ケア内科医」を目指す平凡な内科医が、学会で感じたこれからの緩和ケアのあり方【第31回緩和医療学会参加報告】
こんにちは、平凡な内科医です。
私は、今年の4月から緩和ケア内科医として働いております。
このたび6月19日〜20日に福岡で開催された「第31回日本緩和医療学会学術大会」に参加してきました。
実は昨年、緩和医療に興味を持ち始めて初参加したのですが、今年は「緩和ケア内科医」という当事者の立場になっての参加となり、昨年とはまた違った新鮮な視点で臨むことができました。
立場が変われば学びも変わり、非常に有意義な2日間となりました。

多職種が輝く学会の魅力
緩和医療学会の最大の魅力は、医師だけでなく、本当に多様な職種の方々が参加している点だと改めて感じます。看護師、薬剤師、栄養士、セラピスト、MSWなど、様々な職種が主体的に発表し、活発にコメントを交わしています。
ケアに関する演題も非常に多く、今まで医師としての視点だけでは見落としがちだった、「もう一つの側面や視点」を深く学ぶことができます。それと同時に、最新の緩和ケアの知見も学べるという、非常に素晴らしい学会だなと個人的には思います。
これぞ医療のあるべき姿。
セッション開始時のアナウンスを、子供たちがしていたのも非常に良かった。
「専門医の不足」と「遠隔緩和ケア」の潮流
「がん・非がん」や「病期(ステージ)」に関係なく、すべての苦痛に対応できる緩和ケア内科医を私個人としては目指していますが、学会のトレンドを見ても、もはや「がんも非がんも全部」時代。これこそがあるべき姿ですよね。
ただ、実際のニーズと比較して、緩和医療専門医は圧倒的に少ないという厳しい現実があります。
(全国で689名だけ!ちなみに消化器専門医は20000人、循環器専門医は16000人、呼吸器専門医は7000人程度だそうです。)
https://www.jspm.ne.jp/specialistCertification/list/index.html
https://jmsb.or.jp/wp-content/uploads/2023/04/gaiho_2022.pdf)
その背景もあり、今回の学会でも「非がん」や「遠隔緩和ケア」に関するセッションが組まれていたのが印象的でした。素晴らしい取り組みもいっぱいあり、一方で「必ずしも良い結果が出せているとは限らない」というリアルな課題も浮き彫りになっていました。
どうやら緩和ケア医が足りないという問題は、日本だけではないようです。世界的な共通課題の中で、今後どのようにケアを届けていくべきなのか、真剣に考えなければならないと感じさせられました。
緩和医療はどのように広がるべきか
では、専門医が不足する中で、どうやって緩和ケアを普及させていくべきなのでしょうか。
あくまで個人的な意見ですが、専門的緩和ケアを担う人材(専門医など)は一部でよく、「基本的緩和ケア」の裾野を広げていくことこそが、最も現実的で重要なアプローチなのだと思います。
基本的緩和ケアってどのようなことなのかというと
・基本的な痛みや症状への対応
・基本的な抑うつや不安への対応
・予後や治療目標、苦痛、コードステータスについての基本的な話し合い
と書かれています。
。。。
んー。これって全部の医師に必要そうなんですよね。
つまり、基本的緩和ケア力を備える=どの科にいこうが必要な知識というわけです。
当たり前のことを当たり前にしていきながら、緩和ケアが、全医療者に浸透していくこと。
これこそが期待される緩和ケアの未来の形に思えます。
おそらく今後は、「プライマリケア・総合診療医・各専門科の先生方と協働して」というのも極めて大事なキーワードになってくるでしょうし、自分自身、そのような地域での取り組みができないかなあと、ぼんやり考えております。
私も4月から緩和ケアのSpecialistを目指して飛び込んだばかりの初学者です。将来的には緩和ケアを中心に地域に携わっていける、そんな緩和ケア内科医を目指して、一歩ずつ頑張ろうと思いました。
以上、学会の感想のまとめでした!
