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ロボタクシー導入に向けた動き / AIと自動運転の議論に僅かに触れつつAI概念に拘る理由についての雑感_0817新設_0822更新版

1 AI搭載物の統合的検討の必要性について

 最近の自動運転の動向について軽く触れる。アメリカでは、自動運転タクシーの試験走行が進む。Waymoは複数都市で有料・完全無人ライドを提供している。個人が買えるレベル4の自動運転車、AIスタートアップから販売されるという記事もある。また、中国では百度のロボタクシー(Apollo Go)が多数都市で運行している。
 日本でもロボタクシーの導入に向けて警察庁が企業とAI目線での交通ルールの整備を始めている。また、地域レベルでも高知市において自動運転バスの実証実験が行われる。

高知県高知市における「安全かつ効率的なレベル4自動運転に資する通信システム等の検証」を開始
~緊急自動車検知時の自動運転車両制御の実証事業~

NTTビジネスソリューションズ(2025.7.29)https://www.nttbizsol.jp/newsrelease/202507291600001209.html

個人が買えるレベル4の自動運転車、AIスタートアップTensorから登場

CNET Japan(2025.8.14)
https://japan.cnet.com/article/35236682/

島根県美郷町における「安全かつ効率的なレベル4自動運転に資する通信システム等検証」を開始
~携帯電話不感地域※1における自動運転実証事業~

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000130.000085099.html

(話は逸れるが、アメリカでは、保険分野においても、自動運転車は保険会社の収益性を高めることができるという趣旨の記事が出始める程である。)

Self-driving cars can boost insurers’ profitability - BofA

Insuarance BUSINESS(2025.8.22)
https://www.insurancebusinessmag.com/us/business-news/selfdriving-cars-can-boost-insurers-profitability--bofa-547129.aspx?hsmemberId=123684901483&tu=&utm_campaign=&utm_medium=20250822&_hsenc=p2ANqtz-_uMGDuzdRuZ6SUs6njh8WtTA7LvbEOowTWuxL2xWUhYDcuibxPpAWg4XPPNYI9TI3zGIoBJT8o_bCkc_n_l5vdRmEBtA&_hsmi=377098907&utm_content=&utm_source=

法学における自動運転レベル4をはじめとする議論は、不法行為と製造物責任が法的手段として検討のメインとなっている。
 個人的な問題意識としては、AI搭載物と責任論(責任分界)について、自動運転、医療機器、鉄道、ドローンだったりが別軸で検討されていることである。
 現状議論する人の量で言えば自動運転が一番多いから中心はここになろうが、一つの領域で整理が固まればそのスキームを一定横並びでスライド転用できる部分が多いものと考える。その際の注意点としては、使用する者が免許等を有する性質のものか素人かといったレベルの視点に気を配ること、それと領域ごとの既存法制(医師法17条、道交法71条・75条の21等)である。横並び、転用の視点は持っておきたい視点であると考える。

(おまけ)製造物責任法おける「欠陥」という論点
 事故が起こった時には製造物責任法を適用できるのであれば、製造した会社に責任を負わせることができる。もっとも、製造物責任はソフトウェアを含んでいない。AIを用いた装置による過失を「欠陥」と立証するのは難しい。具体的に言うと、AIを用いた装置の過失による事故だった場合、車輪のハブの強度などと異なり、AIの考え方の癖のようなものの存在等やインプット素材の選択の不適切性等を明確に証明できない限り、欠陥を立証できない可能性が高い(橋本佳幸「AIのリスクと無過失責任」NBL1272号(商事法務、2024年)33頁 「仮に、当該機械の欠陥を、自動運転システムを構成するAIの内部構造において捉えるとすれば、欠陥責任の追及は著しく困難となる。」参照)。
 ざっくり言うと日本では、型式認証や大臣の承認を得たプログラムしか自動運転ができないという事前規制のフレームワークとなっている。もっとも、どのような条件を満たしている必要があるか、アルゴリズムの機能ベースは検討がまだないと聞く。信頼性確認の主体、その基準設定が問題になる。注意義務の水準が不明瞭であれば萎縮効果が生じる。
 上記問題の解決策について、最近、イノベーション領域では認証がトレンドである。そのため、車の認証基準をメルクマールとしていく方向性もありうると考える。

2 AI概念に拘る理由について


 以下と繋がる話なので以下のnoteをまずご一読頂きたい。一分ほどで読める内容である。


 AI概念について、AIが物なのか人なのか情報なのかという整理検討は法律の適用条文の選択に大きな影響を与えると考える。すぐに思いつくものを徒然なるままに幾つか列挙する。
 PAIが自分を世界で一番知るパートナーになった時、それを人は物と考えられるのか。人はAIに感情を向け、AIも人にそのように振る舞う。そして、外相も人そっくりかもしれない。こうなったAIを人は物と言い切れるのか。犬が民法上では物とされる点に違和感や嫌悪感を感じる人は多い。AIはこれの進化系になりうると考える。また、ペット保険は一般化している。それと同じ流れでPAIに保険をかけたいと思う人が出てきても不思議ではない。こうした議論はweb3のアバターで先に来るだろうがいずれ、PAIの議論はweb3の議論と接続するだろう。その時の保険は何か。生命保険がフィットすると感情的に思う人が増えるかもしれない。でも、PAIは保険法上の「人」ではない。
 上記で述べた自動運転の議論について、不法行為と製造物責任の軸自体が崩れることは本当にないのか。上記に列挙したnoteの一つに記したAIエージェントも含め考える時、本当に既存の議論で対応できるのか。
 AIはカタチを持たないことが多い中、物にあたる否かで民法では極めて大きな適用条文の変化が生まれる。具体的には、有体物にあたるか否かで占有物訴権、即時取得、執行場面の条文適用の可否で大きな違いが生まれる。
 他にもいくらでも浮かんでくる。経営戦略会議にAI役員を参加させる会社もある。時代が進み、AIが機関の意思決定を担うようになったら会社法上の責任追及を議論する際に、何かあればそれを単なる物の瑕疵として論じていくのか。さらには、東欧アルバニアではAI官僚が生まれたが判断に瑕疵が生じた場合の処理はどうなるのか。
 AIに関しては確実に技術と実務が先行し、約款や契約による処理がメインになることは明らかである。だが、アカデミアに来る前の約款制定経験と現在AIをメインでやってるから分かるが、当然全ての事象を予見し約款や契約の規定で拾い切るのは不可能である。そして、こぼれ落ちたときに適用されるのは民法をはじめとする既存の法律である。だからこそ、AI概念というメルクマールは問題が生じたときに時に急ピッチでやることになろう既存法の枠組みを用いての対応検討における手掛かり・ヒントになる必須のファクターであると思う。

 以下の記事は、賛否は別として、一つの検討の視点のヒントになりうる。


(マガジン)「AIと法雑感」

※目次は以下を参照


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