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外資系ホテルは実力主義なのか

◇はじめに~自己紹介~

はじめまして。ゴトウゴウです。

私は現在、とある外資系ホテルの経理担当として、ホテルの運営を主に「数字」の面から支える仕事をしています。

今からxx年前に大学を卒業し、とある日系リゾートホテルに就職をしたのですがキャリアのスタートは宿泊部門の現場、ハウスキーピングでベッドメイクや清掃に明け暮れる毎日でした。

同期・同僚・上司にも恵まれ楽しい日々を過ごさせてもらいましたが、元来なんとなく興味のあった経理業務への思いが消えることはなく、幸いにもご縁を頂戴したため、せっかくそれなりに頑張って入社したホテルは2年程度で退社、会計の世界&外資系ホテルの世界に飛び込みました。

それ以降は資格を取得してみたり、いくつかの外資系ブランド・ポジションを渡り歩いたりしながら現在にまで至っているわけですが

振り返ってみればこれまでのキャリアの90%近くの時間はいわゆる「外資系ホテル」という世界で過ごしてきました。

そんな自分ですが(そんな自分だからこそ?)、たまにネットの記事などで見かける「外資系ホテルと日系ホテルの違い」についての解説に少しだけモヤモヤを感じることがあります。

少し具体的にいえば、

「外資は実力主義でドライだ」
「英語が必須」
「日系は教育重視、外資は即戦力・成果重視」

こうした「ざっくりとした外資系ホテル論」をよく見かける気がするのですが

その中には勿論一部真実も含まれていると思うものの、その実かなり表面的で実情は違う要素、ダイナミズムが溢れているのにな、と思うことがままあります。

そんなダイナミズムを1人にでもいいので伝えるため、飽き性の自分にどのくらい続くかはわかりませんが、

外資系ホテルへの「解像度」を上げる


を大テーマに、外資系ホテルの看板の裏側にある「リアルな姿」を少しずつでもお届けできればと思っています。

◇「外資系ホテルは実力主義」なのか


さて、タイトルにも載せました「外資系ホテルは実力主義」という言葉。
これは一部正解な気がする反面、一部は誤解を含んでいる気がします。

多くの人がイメージする"実力主義"とは、

「個人の裁量やセンスで自由に動き、結果を出せば評価される」

というものではないでしょうか。

しかし、グローバル展開する外資系ホテルの実態はむしろ

「徹底したルール(SOP)主義」
「役割主義」

といった方が肌感に近い気がしています。もう少し掘り下げて見ていきましょう。

~「自由」ではなく「標準化」の極致~

外資系ホテルに限らず接客業界全般に話を広げてもよい気がしますが、日々のオペレーションで最も気にするもののひとつに、サービスの「ばらつき」があると思います。

同じブランドのホテルが全世界に何十、何百と展開されている外資系ホテルにおいては、世界中のどこで泊まってもそのブランド特有の体験をゲストが体験できるということに一定の使命感をもって事業を行っていますから

その「ばらつき」への対策を形にするために大変細かなSOP(Standard of Operations)が現場のみならず経理を含むバックオフィスまで、それぞれの部署において存在しています。

そんな仕組みで動いている外資系ホテルの世界においてじゃあどんな人が「実力がある」と見なされやすいかというと

それはホイホイ自由に動いて型を破る人ではなく

「決められたSOPを最高精度で実行し、かつ、数字を叩き出せる人」

となってくるわけです。

~Job Description~

外資系ホテルにおいてもう一つの大きな特徴が、Job Description(JD、職務記述書)の存在ではないでしょうか。

Job Description内では「どの役職・職位の人間がどこまでの責任を持つか」が結構明確に定義されるわけですが、

それが当たり前に日々のオペレーションに組み込まれているかどうか、それは日系ホテルと外資系ホテル間において違いがあるように感じます。

いいか悪いかはさておいて、外資系ホテルにおいて

「それはJDに入っていないのでやりません」
「新しくその業務を私がやるのであれば追加で給与をください」

といったやり取りは珍しくないのです。


こうしたやり取りは一見冷たくも感じるかもしれませんが、裏を返せば

「責任の範囲が明確だからこそ、その範囲内で最高の専門性を発揮できる」というある種の合理性の表出ともとれると思いますし

それが即ち

「個人の専門性を伸ばすことでキャリア形成に繋げることができる」=「実力主義」

という認識にも繋がっているのかなと感じるところもあります。


【次回】看板と雇用主の複雑な関係

実力の話に少し触れたところで、次回は「誰があなたを評価しているのか」という問題に少し触れられればと思っています。

全く同じブランドの看板を掲げていても

①運営会社が直接経営法人まで握っているのか(リース、JV)
②経営会社はオーナーさんのものだけど現場の運営だけは運営会社に任されているのか(MC)
③それともオーナーさんが経営会社も人事権も何から何まで握っているけど看板は運営会社のブランドのものなのか(FC)

といった感じで中の構造は千差万別のことはままあるわけなんですが

雑に3つに分けたこの「契約形態」の違いも、外資系ホテルでの生活・キャリアに大きな影響をもつものであるように感じていますので、次回はそれに触れたいなと思います。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
また次回、よろしくお願いいたします!


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