あなたの悩みが解消しないのは、あなたの問いの質が低いから
BASE株式会社執行役員の柳川です。金融事業の事業責任者をしています。
私はエンジニア→PdM→事業責任者というキャリアを歩んできました。
現在は事業戦略、プロダクト戦略、組織戦略全ての責任を持ちながら、事業責任者を務めさせていただいています。
はじめに
「誰かに相談したけど、結局なにも解決しなかった」
「アドバイスをもらったけど、なんか違う気がする」
そんな経験はありませんか?
私たちは何かに悩んだとき、必死になって「答え」を探そうとします。そして、メンターや上司、あるいはAIに向かってこう聞きます。
「どうしたらいいと思いますか?」
「私のキャリア、このままでいいんでしょうか?」
でも、断言します。その質問では悩みは解決しません。
あなたの悩みが解決しない最大の理由は、答えが見つからないからではありません。そもそもの「問い」がバグっているからです。
バグっているは少し優し言い方で、もっと直接的には、「問い」の質が低いからです。社会性フィルターを外していうと、「そんなん知るか、自分で考えろ!」というレベルの問いもありますからね。
僕の場合、1on1の相談で「そんなん知るか、自分で考えろ!」と思うことは無いけど、登壇した時とかに質問を受けた時に、「その質問の質で、相手が答えられると思っているの?」ということがよくあります。「そもそも定義は?」とか打ち返してしまったりも。
僕は色々な人から、色々な種類の相談を受けます。キャリア相談もだし、プロダクトマネジメントのこともだし、人生相談なんか一番得意ですし、それは半ば趣味です。
初めましての人でも、1時間あればかなりバリュー出せる自信があります。本気で楽しいし、勉強になるし嬉しいです。
その積み重ねてきた相談する過程で得たエッセンスを言語化し、最後はGemにしました!ぜひ最後まで読んで、試してみてください。
「相談なんて答えの解決を求めていなくて、ただ同情して欲しいだけなんだ。」という説もありますが、もし本当に相談で悩みを解決したいなら、この文章とGemは必ず力になります。
バグったコードからは、エラーしか出力されない
「Garbage In, Garbage Out(ゴミを入れたらゴミしか出てこない)」という言葉があります。
間違った論理で書かれたコード(問い)に対して、どんなに優秀なコンピュータ(回答者)が計算しても、正しい出力(答え)は絶対に出てきません。
悩み相談もこれと全く同じです。
定義が曖昧: 「もっと成長したい」と言うが、「成長」が具体的に何を指すのか自分でも分かっていない。
前提が間違っている: 「会社が評価してくれない」と嘆くが、そもそも「会社は個人の頑張りを見て評価すべきだ」という前提自体が間違っているかもしれない。
前提が伝わってない: 「あなたの話あなたの中だけでしか繋がってないですよ!」というパターン。前提条件の共有漏れは結構あるのと、前提条件のなかで何を伝えればいいかわからずとっ散らかって伝えちゃうパターン。まさにAIの使いこなしで大切な、コンテキストの話ですね。
社会性フィルターのノイズ: 本当は「楽して稼ぎたい」と思っているのに、無意識に「社会貢献したい」と綺麗な言葉でコーティングしてしまい、本音が隠れている。
このように「定義不足」「前提ミス」「ノイズ過多」というバグを抱えたままの質問を投げつけられても、相談された側は困ります。
適当にお茶を濁すか、的外れなアドバイスをするしかありません。誰もが相手に興味を持って深掘りでいるわけではありません。
結果、相談者は「やっぱり誰も分かってくれない」と孤独を深めることになります。
「正論の暴力」か「事なかれ主義」か
人間同士のコミュニケーションには、さらに厄介な問題があります。
それは「気遣い」です。
あなたの質問がバグっていることに気づいても、多くの人はそれを指摘しません。
「君、その『成長』って言葉、定義できてないよね?」なんて突っ込むと、空気が悪くなるからです。
だから、「そうだね、頑張ってるね」と優しく肯定して終わらせます(事なかれ主義)。
逆に、気遣いなしに「その前提はおかしい」とバッサリ切り捨てる人もいます。これはこれで、正論の暴力となってあなたの心を閉ざしてしまいます。
優しすぎて指摘をしてくれない。
厳しすぎて聞く耳を持てない。
このジレンマのせいで、私たちの思考のバグはいつまで経っても修正されず、同じ悩みを何年もループすることになるのです。
思考をデバッグするパートナーを作りました
「だったら、人間には言いにくいストレートな指摘を、AIに言わせればいいじゃないか」
「人間相手で失敗するのは怖いから、AIと話して失敗できる環境を作ればいいのでは」
そう思って、今回新しいGem(AIボット)を作りました。
その名も「柳川慶太の質問君(辛口)」です。
このAIは、あなたの相談に対してすぐには答えません。
その代わり、あなたが投げかけた「質問」の品質を厳格に評価します。
「回答する前に、まずはその『質問の質』を評価させていただきます。 多くの悩みは、問い自体が曖昧なことが原因だからです。 柳川慶太の社会性フィルターを外していますので辛口ですが、決して見捨てません。 一緒に『答えるに値する問い』になるまで、徹底的にブラッシュアップしましょう。」
こんなふうに、初手から煽ってきます。(柳川が社会性フィルターを解除した人格設定にしているので、口が悪いです)
言葉の定義は明確か?
被害者意識(他責思考)が前提になっていないか?
オブラートに包みすぎて本音を隠していないか?
逆に、正論すぎて自分自身を追い詰めていないか?
こういった「思考のバグ」を検出し、「問い」そのものを書き直すよう要求してきます。
あなたがムッとしても、AIは忖度しません。執拗に「で、本当はどうしたいの?」と問い詰めてきます。
気が滅入っている時は使用をおすすめしません。
性格をどうするかは迷ったんですが、設計上結局詰めることにはなるので、そう考えると優しく詰められるのもイライラすると言うかまどろっこしいかなと思い、ストレートに詰める仕様にしました。
正しい問いには、正しい答えが宿る
これは一見スパルタに見えますが、実は最も近道です。
なぜなら、「問い」さえ正しく再定義できれば、多くの場合「答え」はあなた自身の中にすでにあるからです。
「どうすれば評価されますか?」
という質の低い問いを、
「私は『評価』を『給与アップ』と定義している。会社の給与テーブルの構造上、今の役割でそれが不可能なのは事実だ。では、役割を変えるか、会社を変えるか、どちらのコストを払うべきか?」
ここまでデバッグ(修正)できれば、もう他人に相談するまでもなく、やるべきことは見えているはずです。
「悩み相談の本質は質問の解像度を上げること」ということは、相談に乗る側も肝に銘じておくべき
ここまでの話は逆に「どうやって悩み相談に答えればいいか」という問いに対しての答えでもあります。
「相談に乗ってみたものの、役に立たなかった感がある」
「相談に乗るって、そんなに気の利いた答え言えないよー」
という経験、あるのではないでしょうか。
コツは一緒です。答えを探すのではなく、問いをブラッシュアップする作業を手伝いましょう。
そもそもあなたが「答え」なんか知ってるはずないでしょう。答えは相手の中にあります。
ただしあなたはAIではないので、できるだけ優しく根気強く粘り強く、相手の問いをブラッシュアップしてあげましょう。決して正論で詰めてはいけません。心を閉ざされたらそこでおしまいです。ラポール形成大事ですよ。大変ですね。
でも具体的にどうしたらいいかわからない?
…
仕方ないですね。
相談に乗る側がトレーニングできるGemも作りましたよ。
「恋愛シミュレーション」みたいになっちゃったけど試してみてね。
お待たせしました、Gemです
あくまでもこれはトレーニング用のGemなのでそれなりに大変です。各Gem20分くらいは時間かかると思う。この記事をスキして時間のある時にやってみてください。感想をXなどに書いていただけると、喜びます。
あくまでも個人で作ったものなので、思考的な偏りはありますが、そこも含めて楽しんでください。「営利活動として」とか、「会社として」だと出せないものをあえて作ってます。それがサブプロジェクトの醍醐味や!
柳川慶太の質問君(ストレート)
相談したい人向け、悩んでいる人向けです。
キャラクター設計いろいろ悩んだんですが、辛口にしてます。柳川の社会性フィルターを外しています。「そもそもさぁ」とか「定義は?」とか聞いてくる感じです。
本当の柳川はこんなに怖くないので誤解しないでね!
裏技的な使い方としては、上司とかに意味わからん質問とか依頼された時に、このGemに投げると、その質問がなんで意味わからないのかがわかるかも。
わかったところでイライラするわけだけど、自分がおかしくないってわかるのは大事。
そして詰められない立場になった人こそ試すべきかと。僕も気を引き締めるためにコンスタントに使います。



その他サンプル
— 柳川慶太 | BASE, Inc. 執行役員 金融事業担当 (@gimupop) February 2, 2026
柳川慶太の相談トレーニング君
上手に相談に乗れるようになりたい人向けです。
これは普通にゲームとしてもおもろいのでやってみてほしい。上司の気持ち体験としてもお勧め。メタ認知効くようになると思います。


最後に
悩み相談とは、答えをもらう作業ではありません。
自分の思考のバグ(不具合)を見つけ、修正し、再起動する作業(デバッグ)です。
もし今、あなたが同じ悩みをぐるぐると繰り返しているなら、それはあなたの能力が低いからではありません。ただ、デバッガーがいないだけです。
大事なのでもう一回言います。
もし今、あなたが同じ悩みをぐるぐると繰り返しているなら、それはあなたの能力が低いからではありません。ただ、話しながら思考を深める相手がいないだけです。
いないですよ、そんな都合のいい人はなかなか。なのでAIの力を借りて作りました。機会の平等。
一人で思考を深掘りできる人はそう多く無いけど、メンターや壁打ち相手がいれば思考を深掘りできる人は結構いるものです。
いいですか!生成AIの本当の使い所は、「知識を得るため」でもなければ、「業務を効率化するため」でもないです。「自分をトレーニングするパートナー」、これが一番意味のある使い方です。色々な説があると思いますが、そういうスタンスで僕は発信していきます。
「人間+AI」ではなくて「人間×AI」と考えることが大事です。つまり人間がAIを道具として使いこなすのではなく、人間がAIに適応し、AI通じて成長することで掛け算的にアウトカムを最大化するのが大事なのです。というようにあえてスタンスを切り煽ります。
人間の成長には時間がかかりますが、今この時代ほど、人間の成長にコストをかけることがリターンにつながるタイミングないですよ!
しかも成長のコストもAIで下がるということが、今回の取り組みを通じて伝わると嬉しいです。僕はこのタイミングに乗じて組織側に染み出しますよ。
最後に。僕がなぜ、こんなに口の悪いAIを作ったのか。
それは僕自身が、バグった問いを抱えて暗闇を彷徨っていた過去があるからです。 誰かに答えを求めては「誰もわかってくれない」と拗ねていた。前提のコンテキストを伝えきれずに、柳川語を話していた。
でも、デバッグすべきは環境でも相手でもなく、自分自身の「問い」でした。 このGemにボコボコにされてください。その先に、あなただけの気づきがが待っています。辛いけど、自分に向き合うしか無いんや。自分の中にしか答えはなくて、相談はきっかけに過ぎないのだ。
私の分身であるこのAIが、あなたの思考の壁打ち相手になります。
かなり辛口ですが、見捨てることはしません。
ぜひ一度、あなたの「解けない悩み」をぶつけてみてください。
理論的な部分はこちらの記事を!
note執筆ワークフローもよくできているから使ってほしい!
エディタも使ってみて!
AIで準備できたから人間に相談したい人はこちら
編集後記
主張する文章に加えて、それを伴走するGemで伝える形良さそうじゃ無い?腹落ち感がもう一段上がるのでは。新しいフォーマットを作成しちゃいましたね。特許取るか。
今回のnoteは完全にGem駆動で書いて、Gemに意志込めたあとにそれを読み込ませてこのnoteを出力してます。新しい執筆スタイルですね。
正論と言うか「そりゃそうだよね」という内容を、ただ頭ごなしに伝えるとただの「説教」なので、Gemという方法が取れるようになったのは、手札増えた感があります。これまでは、かなり文章の作り方で工夫していた。
Gemが弛緩に使えるのおもろいね。
しかもただの壁打ちGemだと碌なものにならなかったので、相当色々な工夫をしています。例えば壁打ちじゃなくて、質問をブラッシュアップする形にしたのは、我ながら天才だと思う。こういうことなのよ。これがUX。こういう工夫が大事だし、それに頭悩ませてる。
ところで、性格とか内容とかフローとか個別カスタマイズしたGem作ったら売れると思います?どうなんだろうか。
相談したいドメイン指定して、予備知識もう少し入れたら、かなりよくなりそうなんだよな。キャリア相談特化とか。
