【昭和の製造業】外注先──理屈ではなく人情で回していた
「仕入先」ではなく、「外注先」だった。
いまの言葉で言えば「サプライヤー」だろう。でも昭和の製造業の現場では、誰もそんな横文字は使わなかった。
公には「協力会社」、日常では「外注先」。
それだけで、関係性のすべてが伝わった。
商取引の相手ではあるけれど、どこか距離が近い。来社した担当者と雑談に花が咲く。頼りにしているけれど、振り回されることもある。感謝しているけれど、腹が立つこともある。
そういう、複雑で濃厚な関係を、「外注先」という言葉が包んでいた。
■社長の機嫌が納期を左右する
昭和の外注先の多くは、社長や専務が現場を仕切る中小の町工場だった。
そこで絶対に押さえておかなければならないのが、「社長の機嫌」だった。
社長の機嫌を損ねると、部品が納品されなくなる。冗談ではなく、本当にそうなる。
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