SQ通過で日経平均は一時6万9608円|好決算でも売られたAMAT、AI株は8月17日からどうなる?
2026年8月14日の東京株式市場では、日経平均株価が一時69,608円24銭まで上昇しました。
終値は前日比405円21銭高の68,713円80銭。
7万円が再び視界に入るところまで、日本株は戻ってきました。
私は前の記事で、8月11日から14日を「今月最大の変動期間」として見ていました。
8月12日:アメリカCPI
8月13日:獅子座の新月・皆既日食
8月13日:アメリカPPI
8月14日:SQ
ここまでは、かなり強い形で通過しています。
しかし、8月15日時点まで情報を追ってみると、単純に「底打ちしたから、ここからまたAI株が上がる」と考えるには少し早いことも見えてきました。
むしろ今起きているのは、
AI相場が終わったのではなく、「AIなら何でも上がる相場」が終わりつつある。
そんな変化ではないかと思っています。
その象徴が、8月13日に決算を発表した半導体製造装置大手Applied Materials(AMAT)です。
そしてもう一つ大切なのは、8月14日の東京市場が閉まったあと、アメリカの半導体株が売られたことです。
つまり、本当の意味での「SQ後の答え合わせ」は8月17日月曜日から始まります。
8月14日の日経平均は強かった。ただし「幻のSQ」になった
まず8月14日の東京市場を整理します。
日経平均は朝から上昇し、午前9時39分には69,608円24銭まで上昇しました。
ところが、この日のSQ値は69,702円13銭。
日経平均の取引時間中の高値は69,608円24銭ですから、SQ値には一度も届きませんでした。
市場でいわゆる「幻のSQ」と呼ばれる形です。
もちろん、幻のSQになったから、その後必ず下落するというルールがあるわけではありません。
ただし今回の値動きには、一つ気になるところがあります。
朝方には7万円目前まで買われたのに、終値は68,713円80銭まで押し戻されています。
つまり、
買いたい投資家も多いけれど、7万円付近では利益を確定したい投資家もかなりいる。
そういう価格帯に入ったということです。
日経平均はすでに「安いから買う」水準ではなくなっている
ここは7月末とはかなり違います。
日経平均の8月14日時点の指数ベースPERは22.85倍、PBRは2.84倍でした。
もちろんPERだけで相場の高い・安いを判断することはできません。
AI関連企業の利益が急速に増えれば、将来利益から見た割高感は下がる可能性があります。
ただ、今の日経平均は、
「大きく下がったから何でも安い」
という状況ではありません。
企業側が市場の期待に応える利益を本当に出せるか。
ここを確認しなければならない水準まで戻ってきています。
このことを非常に分かりやすく見せたのが、Applied Materialsでした。
AMATの決算は悪くない。むしろかなり良かった
Applied Materialsの2026年度第3四半期決算は、数字だけを見ると強い内容でした。
売上高:91億2000万ドル
前年同期比:25%増
GAAP EPS:3.17ドル
調整後EPS:3.50ドル
調整後EPSは前年同期比41%増
調整後粗利益率:50.4%
売上高は過去最高です。
さらに会社側は次の四半期について、売上高を約102億5000万ドルと予想しました。
Reutersがまとめた市場予想は約95億4000万ドルですから、会社見通しは市場予想を上回っています。
これだけを見ると、普通なら、
「AI需要はやっぱり強い。半導体設備株も上がる」
と思いたくなります。
ところが実際は逆でした。
好決算なのにAMATは5.1%下落した
8月14日のアメリカ市場でApplied Materials株は5.1%下落しました。citeturn232192view4
ここが今回、一番重要だと思っています。
業績が悪くて売られたのではありません。
良い決算でも、市場の期待を十分超えられなかったため売られた。
Reutersによれば、AMAT株は2026年に入ってすでに2倍以上になっており、投資家は単なる成長ではなく、競合企業以上の成長を求めるようになっています。
Lam ResearchやKLA、ASMLなども好調な数字を出しているため、
「半導体市場が伸びているか」
だけでは足りません。
「その中でAMATは他社より強いのか」
まで比較されるようになっています。
これはAI相場が一段成熟した証拠でもあります。
「AI需要が強い」と「AI株が上がる」は別の話
ここはかなり大切です。
AIデータセンター建設が増える。
GPU需要が増える。
DRAMやHBMが必要になる。
先端パッケージング設備が売れる。
電力設備や光通信への投資が増える。
これらは、AI産業にとっては確かに良いニュースです。
しかし株式投資では、
良い産業であることと、その株を今の価格で買って利益が出ることは同じではありません。
例えば市場が来年100の利益を予想している会社が120を出せば、株価は上がるかもしれません。
しかし株価がすでに150の利益を前提に上昇しているなら、120という非常に良い数字でも売られることがあります。
AMATで起きたのは、まさにこの「期待値の問題」です。
AMATだけではなかった。8月14日の米半導体株は弱かった
そして、ここが8月17日の日本株を考えるうえで重要です。
8月14日のアメリカ市場では、AMATだけが売られたわけではありません。
Applied Materials:5.1%安
Broadcom:5.9%安
Intel:2%安
S&P500も0.17%下落、NASDAQも0.28%下落しました。
東京市場が8月14日の取引を終えたのは、このアメリカ市場が始まる前です。
つまり、8月14日の日本株の強さには、
その後に起きた米半導体株安がまだ反映されていません。
だから私は、8月14日のSQ当日よりも、むしろ8月17日月曜日を見たいと思っています。
8月17日に最初に見るのはアドバンテスト、キオクシア、東京エレクトロン
8月17日の東京市場でまず確認したいのは、日本の半導体関連株です。
特に、
アドバンテスト
東京エレクトロン
ディスコ
キオクシア
ソフトバンクグループ
など、AI・半導体相場を牽引してきた銘柄です。
私は「下がるか、上がるか」だけを見るのではなく、下がったときにどのくらい買いが入るかを見たいです。
寄り付きで下がって、その後戻す場合
これはかなり強い形です。
米半導体株安という明確な悪材料を受けても、安いところでは買いたい投資家がいることになります。
前の記事で書いた、
「悪材料が出ても下がらなくなることが底打ちの重要な条件」
に近づきます。
半導体株だけ売られてTOPIXは強い場合
これも、日本株全体としては必ずしも悪くありません。
AI株から銀行、内需、建設、防衛、電力、商社などへ資金が移っているだけなら、相場全体の崩壊ではなく主役交代です。
日経平均もTOPIXも一緒に大きく下がる場合
この場合は少し注意します。
SQまでの上昇が短期資金による買い戻しだった可能性を考える必要があります。
特に68,000円台を簡単に失い、米金利や原油も上がるようなら、もう一度慎重に見ます。
CPIとPPIは良かった。でも「インフレ終了」ではない
今回、日本株が上昇した最大の理由の一つは、アメリカの物価指標です。
7月CPIは前月比0.1%上昇、前年同月比3.4%上昇。
前年同月比は6月の3.5%から鈍化しました。
食品とエネルギーを除く指数も前年同月比2.5%まで鈍化しています。
そして翌日のPPIも、前月比0.0%。
前年同月比は4.7%でした。
この二つを受けて、
「原油高でインフレが再加速し、FRBがまた利上げする」
という懸念はいったん後退しました。
ただし、PPIの中身を見ると少し注意点もあります。
財価格は0.7%低下していますが、サービス価格は0.2%上昇。
さらに食品・エネルギー・貿易サービスを除いたPPIは前月比0.4%上昇しています。
つまり、
エネルギー価格低下によって全体の数字は落ち着いたけれど、物価圧力が完全に消えたわけではありません。
ここを「インフレ問題は解決した」と読むのは早いと思います。
そして8月14日、新しい問題が出た。アメリカの消費が弱い
さらに8月14日には、もう一つ大切な数字が出ています。
アメリカの7月小売売上高です。
7月の小売・飲食サービス売上高は前月比0.6%減。
6月は0.2%増でした。
これは相場の心配が少し変わってきたことを意味します。
これまでは、
「物価が上がりすぎるのではないか」
が大きな心配でした。
これからは、
「物価は落ち着いたけれど、消費まで弱くなっていないか」
も見なければなりません。
株にとって経済指標が弱ければ何でも好材料、というわけではありません。
少し弱い数字なら金利低下につながり、グロース株にプラスです。
しかし消費や雇用が急速に悪化すれば、今度は企業業績そのものが心配になります。
これが8月後半の新しい論点です。
つまり今は「インフレ再加速」と「景気減速」の間にいる
現在のアメリカ市場は、かなり難しい場所にいます。
CPIとPPIは落ち着いた。
これは金利にはプラスです。
しかし小売売上高は弱かった。
これは景気にはマイナスです。
一方で原油は再び上昇しています。
8月14日のブレント原油は1バレル88.52ドルで終了し、前日比1.67%上昇しました。
背景には、イラン情勢やホルムズ海峡をめぐる緊張があります。
つまり、
消費は弱くなる
でも原油は高い
物価が再び上がる可能性は残る
という、あまり気持ちのいい組み合わせではありません。
今後、中東情勢がさらに悪化して原油が上がれば、またインフレ懸念が戻ります。
日本株にはドル円159円台という別の問題もある
日本株では、さらに為替を無視できません。
8月14日のドル円は159円台。
Reutersによれば、一時159.37円前後で推移し、再び160円が意識される水準まで円安が進みました。
7月末には日米による円買い介入も行われていますが、それでも円安圧力は残っています。
理由の一つが金利差です。
8月14日の米10年国債利回りは約4.69%。
一方、日銀の政策金利は現在1.0%程度です。
これだけ差があると、介入だけで円安の流れを完全に変えるのは簡単ではありません。
ただし160円付近になれば、再度の介入警戒が高まります。
これは日本株にとって厄介です。
円安は輸出企業の利益には追い風になりやすい。
しかし突然介入が入り、数円単位で円高になれば、輸出株や日経平均は短時間で大きく動くことがあります。
今の日本株には「円安だから買う」と「介入が怖い」が同時に存在しています。
8月17日から21日は「SQ後の実力」を見る週
だから私は、来週をかなり重要だと思っています。
8月14日のSQそのものは強く通過しました。
でも、本当に強い相場かどうかは、イベントが終わったあとに分かります。
8月17日から見るのは次の点です。
米半導体株安を受けても日本のAI株が崩れないか
日経平均が再び7万円を試せるか
TOPIXが日経平均より弱くならないか
半導体以外の業種にも資金が残るか
ドル円160円付近で介入が起きないか
原油が90ドルを超えて走り始めないか
特に重要なのは、
悪材料が出た日の株価です。
良いニュースで上がるのは当たり前です。
今知りたいのは、悪いニュースでも下がらないほど買い需要が強いのかどうかです。
8月19日はFOMC議事要旨
8月19日には、7月28日・29日に開催されたFOMCの議事要旨が公表されます。7月FOMCでは政策金利を3.50~3.75%に据え置きました。
ただし今は、CPI・PPI・小売売上高まで新しいデータが出ています。
議事要旨自体は過去の会合内容ですが、
インフレへの警戒をどの程度持っていたのか
雇用や景気減速をどの程度心配していたのか
追加利上げを支持する意見がどれくらいあったのか
を見ることで、9月FOMCへ向けたFRBの考え方を確認できます。
そして8月26日がAI相場の本番
その次の大きな山場が8月26日です。
この日はアメリカで、
2026年第2四半期GDP改定値
7月個人所得・個人消費支出
PCE物価指数
が発表されます。
さらに米国市場終了後には、NVIDIAの2027年度第2四半期決算があります。
NVIDIA公式IRでも、8月26日午後2時(米太平洋時間)に決算イベントが予定されています。
ここはかなり大きいです。
景気、物価、AI。
今市場が見ている三つが、同じ日に集まります。
NVIDIAでは「好決算」だけでは足りない可能性がある
Applied Materialsの値動きを見たあとだからこそ、NVIDIA決算を見る目も変える必要があります。
NVIDIAが市場予想を上回った。
それだけでは、株価が上がるとは限りません。
見るべきなのは、
データセンター売上高
粗利益率
次四半期売上見通し
AI推論需要
次世代GPUの供給
クラウド大手の設備投資
ネットワーク需要
メモリ需要
です。
そして最終的には、
その数字を見た投資家が翌日いくらでNVIDIAを買いたいと思うのか。
そこまでが決算です。
AMATのように「beat and raise」でも売られるなら、現在のAI株には相当高い期待が乗っています。
8月後半の3つの現実的なシナリオ
シナリオ1|半導体株が一度下がっても買い直される
8月17日に米半導体株安を受けて日本のAI株が下落。
しかし、その日のうち、あるいは数日以内に買いが戻る。
日経平均は68,000円台を維持し、TOPIXも高値圏。
原油と金利も大きく上昇しない。
この形なら、7月末の調整が一つの底だった可能性はかなり高くなります。
NVIDIA決算へ向けて再び7万円を試す展開も考えやすくなります。
シナリオ2|日経平均は横ばいでもAI株だけ調整する
私はこれもかなりあり得ると思っています。
半導体株は高値警戒から売られる。
その一方で、
銀行
建設
防衛
電力
内需
商社
などが買われる。
この場合、日経平均はあまり上がらなくても、TOPIXはそれほど崩れません。
これは「日本株が弱くなった」のではなく、
AI株一極集中から資金が分散している
と考えます。
シナリオ3|半導体・原油・為替が同時に悪化する
一番警戒するのはこれです。
米半導体株の売りが続く
AMAT以外にも好決算銘柄が売られる
原油がさらに上昇する
米長期金利が再上昇する
円買い介入でドル円が急落する
こうした材料が複数重なるケースです。
この場合は、「7月末に底を打った」という判断を一度保留して、もう一度相場の反応を見る必要があります。
9月はAI決算より「金利と円」が主役になる
そして9月に入ると、相場のテーマが少し変わります。
8月はAI企業の業績。
9月は金融政策です。
まず9月10日にアメリカの8月PPI。
9月11日には8月CPIが発表されます。
さらに日本では、9月は日経225先物の四半期限月です。
JPXの制度では日経225先物のSQ日は限月の第2金曜日なので、2026年9月限のSQは9月11日となります。
一般に9月は先物とオプションが重なるメジャーSQとして注目されます。
つまり9月11日は、
日本ではSQ、夜にはアメリカCPI。
また変動しやすい日になります。
9月15~18日はFOMCから日銀へ
その直後、9月15日・16日にFOMCが開催されます。
そして9月17日・18日は日銀金融政策決定会合です。
これは日本株にとってかなり重要です。
現在、FRBの政策金利は3.50~3.75%。
日銀は1.0%程度。
今後、
アメリカが追加利上げを見送る。
一方で日銀が追加利上げへ動く。
となれば、日米金利差は縮小します。
そうなればドル円159~160円という現在の水準から、円高方向へ大きく動く可能性が出てきます。
これは日本株の中でも、輸出株と内需株の強弱を変える材料になります。
8月後半から9月は「日経平均」だけ見ていると分からなくなる
ここからは、指数だけを見ていると相場を読み間違える可能性があります。
例えば日経平均がほとんど動いていなくても、
アドバンテストやソフトバンクグループが下がり、銀行や内需株が上がっているなら、市場の中ではかなり大きな変化が起きています。
逆も同じです。
値がさ半導体株だけで日経平均が7万円を超えていても、TOPIXや値上がり銘柄が弱ければ、指数ほど市場全体は強くない可能性があります。
だから、これから私が見るのは、
日経平均
TOPIX
半導体株
米10年金利
ドル円
原油
好決算後の株価反応
です。
ホロスコープで見るなら、日食は「暴落の日」ではなかった
最後に少しだけホロスコープへ戻ります。
8月13日は獅子座の新月と皆既日食でした。
私は今回の日食について、株が暴落する日ではなく、
「相場の主役が選び直される時期」
として見ていました。
実際、日食当日の日本株は暴落せず、その翌日のSQでも日経平均は一時69,608円まで上昇しています。
でも、その直後にAMATは好決算でも売られました。
AI需要そのものが否定されたわけではありません。
今市場が問い始めているのは、
「AI相場の主役として、その企業は本当に株価に見合う成長を続けられるのか」
ということなのだと思います。
そして8月28日には魚座の月食があります。
私としては、獅子座日食で「誰が主役なのか」が問われ、8月末に向けて「その夢に数字が伴っているのか」が確認されていく。
そんな流れとして見ています。
まとめ|底を打ったかより、「高い期待を超えられるか」の相場になった
7月末の急落から、日本株はかなり戻しました。
8月14日には日経平均が69,608円まで上昇。
CPIとPPIも大きなインフレ再加速を示さず、SQも大きく崩れず通過しました。
底打ちを示す条件は、7月末より確実に増えています。
ただし、相場はすでに次の段階へ進んでいます。
Applied Materialsは過去最高売上を出し、次四半期見通しも市場予想を上回ったのに、株価は5.1%下落しました。
これはAI需要が弱いからではありません。
期待が高すぎるからです。
8月後半に見るべきなのは、もう「AIが伸びるか」だけではありません。
どの企業が、その高い期待を超えられるのか。
そこへ相場の焦点は移っています。
まず8月17日。
米半導体株安を、日本のAI株がどう受け止めるか。
次に8月19日のFOMC議事要旨。
そして8月26日のPCE、GDP改定値、NVIDIA決算。
9月に入ればPPI、CPI、メジャーSQ、FOMC、日銀会合が続きます。
今のところ私は、7月末が一つの底だった可能性はかなり高まったと見ています。
しかし、
底を打ったことと、ここから何を買っても上がることは全く別です。
むしろこれからは、良い決算でも売られる銘柄と、悪材料でも下がらない銘柄との差を見る。
指数を当てるより、株価の「反応」を見る。
2026年8月後半は、そこが一番大切になりそうです。
※この記事は2026年8月15日時点で公表されている市場データ、企業開示、経済指標をもとに作成しています。投資や特定銘柄の売買を推奨するものではありません。また占星術は株価変動を科学的に予測するものではなく、相場のテーマや心理変化を考えるための補助的な視点として扱っています。投資判断は企業の開示資料や公的統計等も確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! 
