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『キャリア天気図ってなんですか?』 〜ライフキャリア航海モデルで描く、自分らしい航海〜

「キャリア天気図って、何のためのもの?」
「診断シートやってみたけど、その先に何があるの?」

——そんなご質問をいただいています。

今日は、その答えをお伝えします。
そして、その背景にある私が提唱する 「ライフキャリア航海モデル」という、もう少し大きな私の世界観についてもお伝えしたいと思います。

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ウェルビーイング・ナビゲーター
G-Mate 後藤 学です。

■ まず、いちばん大切な定義から

先に結論をお伝えします。

ライフキャリア航海モデルとは、人生という航海を自分らしく進めていくためのフレームワークです。最上位にはウェルビーイング(持続的な幸福)を据え、現代版プロティアン・キャリア理論を土台としています。​​​​​​​​​​​​​​​​

キャリア航海モデル定義(G-Mate)

キャリア(=人生)天気図とは、その航海モデルの中で、「今の自分の心とキャリアの状態」を5つの天気になぞらえて可視化し、自分の天気を読み解くための診断フレームワークです。

キャリア天気図定義(G-Mate)

ここで言う「キャリア」とは、仕事や役職のことだけではありません。仕事も、家庭も、健康も、人間関係も含めた人生そのものを指しています。だからこのモデルでは、働いている方も、子育て中の方も、定年後の方も、誰もが対象になります。

つまり、「ライフキャリア航海モデル」が大きな世界観であり、「キャリア天気図」はその一部、ということです。

家にたとえるなら…ライフキャリア航海モデルが「家全体」、キャリア天気図は「玄関(入口)」。
そんな関係性です。

■ このモデルを支える、3つの思想的支柱

ライフキャリア航海モデルには、根底に流れる3つの思想があります。

◆ 支柱①
ウェルビーイング(持続的な幸福)

ウェルビーイングとは、身体・心・社会的なつながりが満たされた、持続的な幸福の状態のことです。
スキルや肩書きが整っていても、心が曇り空や嵐の状態では、人生100年時代を自分らしく歩き続けることはできません。
このモデルは、「キャリアの土台には、自分らしく生きているかというウェルビーイングの視点が不可欠だ」という前提に立っています。

◆ 支柱②
現代版プロティアン・キャリア理論

「プロティアン・キャリア」は、組織に縛られず、環境の変化に合わせて自分自身を柔軟に変化させていく現代型のキャリア観です。
正解のルートは一つではない。
何度でも航路を描き直していい。
キャリアの主導権は、組織ではなく自分にある。
——この考え方が、ライフキャリア航海モデル全体の土台になっています。

◆ 支柱③
誰もが、自分らしく——専門知識がなくても実践できること

世の中には素晴らしいキャリア理論がたくさんあります。それぞれが深い研究と実践に裏打ちされた、大切な知の積み重ねです。
一方で、「もう少し身近な言葉で、自分の状態を語れたらいいのに」という声も耳にします。
「天気」という、子どもからお年寄りまで誰もが知っている言葉。
「航海」という、人生の旅を直感的に感じられる物語。
これらを使えば、専門用語に触れたことがない方でも、自分の状態を理解し、自分の価値観を確かめ、自分らしい航海を始められる——そう考えました。
20代の若手社員も、子育て中の方も、定年後のシニアも、誰もが同じ「天気」という言葉で自分を語れる。それが、このモデルの目指すところです。

ウェルビーイングという「目的地」、プロティアンという「進み方」、そして誰もが(わかりやすく)「乗り込める船」。
この3つが組み合わさることで、「自分らしい航海」という発想が、実践可能なものになっていきます。

■ なぜ「航海」なのか

私はこれまで、損害保険の現場で30年、たくさんの方の人生のリスクと向き合ってきました。

その中で気づいたことがあります。
人生もキャリアも、真っ直ぐに進む直線ではないということ。むしろ、海を渡っていく航海に、よく似ているということ。

晴れの日もあれば、嵐の日もある。
追い風に乗れる時もあれば、嵐に見舞われて進めない時もある。
目的地に向かっているつもりが、潮の流れで思わぬ場所に流されることもある。

誰一人として、まったく同じ航路を辿る人はいません。必要なのは「正しい一本道」を探すことではなく、

・今、どんな天気の中にいるのか(今の状態)
・何を大切にして進むのか(コンパス)
・何を持って航海しているのか(リュックの中身)
・どこへ向かうのか(航海図)
・疲れた時、どこに立ち寄れるのか(安全な港)

ライフキャリア航海モデル5つのポイント(G-Mate)

この5つを、自分の言葉で持っておくこと。

それが、自分らしい人生を進めていく力になる。
そう考えて生まれたのが、ライフキャリア航海モデルです。

■ ライフキャリア航海モデルの実践——5つのステップ

このモデルは、5つのステップで実践していきます。

◆ ステップ①
天気図で「今の自分の天気」を知る

まず、自分の現在の状態を把握します。「今、自分はどんな天気の中にいるのか」を知り、ありのまま向き合うところから航海は始まります。

◆ ステップ②
コンパスで「本当の価値観」を確認する

あなたが本当に大切にしている価値観、それがコンパスです。
迷った時、最終的に「どちらに進むか」を決めるのは、肩書きでも他人の期待でもなく、この自分のコンパスです。

◆ ステップ③
装備を点検し「持っているもの」を棚卸しする

これまでの経験、知識、人間関係、資産。
あなたが30年、40年、50年と生きてきた中で積み上げてきたすべてが、リュックの中に入っています。重く感じる時もありますが、それはあなたが歩んできた証です。
また、点検の結果、足りない装備があったら航海の途中で入手できるよう、記録しておきましょう。

◆ ステップ④
航海図で「これからの人生計画」を描く

コンパスとリュックの中身を踏まえた、これからの地図を描きます。
最初は鉛筆書きで構いません。航海しながら、何度でも描き直していくものです。

◆ ステップ⑤
ときどき天気図を再確認し、必要なら「安全な港」へ寄港する

航海は、出航したら終わりではありません。
ときどきステップ①の天気図に戻って今の状態を確認する。天候不安な時は、安心して立ち寄れる港で休む。
港は一つではなく、いくつあっても構いません。

■ キャリア天気図——5つの天気で、今の自分を読む

ここからは、5つのステップの最初の入口である、キャリア天気図について詳しくお話しします。

キャリア天気図は、5つの天気で構成されています。

☀️ 晴れ
充実し、前向きに進めている状態
☁️ 曇り
大きな問題はないが、モヤモヤや焦りがある状態
☔ 雨
疲労や不満が積み重なり、気持ちが重い状態
🌀 嵐
予期せぬ出来事に揺さぶられている状態
⛄ 雪
動けず、孤立している、立ち止まっている状態

キャリア天気図5つの状態(G-Mate)

世代や立場ごとに設計されたチェックシートに、直感でチェックを入れていただくと、今のあなたの天気が見えてきます。

そして、それぞれの天気には、ふさわしい過ごし方があります。

晴れの日には地図を広げ、
曇りの日にはコンパスを確認し、
雨の日には躊躇なく休み、
嵐の日には安全な場所に避難し、
雪の日には静かに根を張る。

5つの天気の過ごし方(G-Mate)

天気を変えようとするのではなく、天気に合った過ごし方を選ぶ。これが、このモデルの核心です。

■ キャリア天気図を支える、5つの原則

このフレームワークには、私が大切にしている5つの原則があります。

◆ 原則1:
天気に良い悪いはありません

晴れが「良い天気」で、嵐が「悪い天気」ではありません。
雪の日にしか見えない景色があり、嵐の中でしか出会えない自分がいます。
どの天気も、その人の今の状態として、等しく大切です。

◆ 原則2:
診断するのは「変わらない性格」ではなく「今の状態」です

あなたは、3ヶ月後にやり直せば違う天気を示すかもしれません。
それは矛盾ではなく、あなたが生きて変化している証拠です。変わる自分を、変わるまま受け止めるための道具です。

◆ 原則3:
最終的に天気を読むのは、あなた自身です

チェックシートの結果は、あくまできっかけにすぎません。
「チェック数の上では曇りだけど、自分は晴れそうな気がする」——その実感のほうが、本当の天気図です。
他人や診断結果に、自分の天気を決めさせないでください。

◆ 原則4:
診断だけで完結させないでください

天気図は、自分との対話、または信頼できる誰かとの対話を経て、はじめて意味を持ちます。
チェックを入れて終わりではなく、「なぜこの天気なのか」を言葉にしてみることが、次の一歩につながります。

◆ 原則5:
診断は、ゴールではなく出発点です

「自分は今、雨だ」とわかること自体が目的ではありません。
そこから航海図を広げ、コンパスを確かめ、次にどこへ向かうかを考えるための、出発点です。

■ 他の自己診断と、何が違うのか

世の中には、自分を知るための診断や理論がたくさんあります。よく聞かれるので、キャリア天気図の立ち位置をお伝えしておきます。

「変わらない強み」や「性格タイプ」を知るための診断は、自分という人間の根底にある特性を見つけるためのものです。
キャリア天気図は、それとは違って、「今この時の状態」を見るものです。

メンタル不調のリスクを早期に発見するための診断は、健康管理の仕組みとして大切な役割を持っています。
キャリア天気図は、それとは目的が違って、自己理解と次の航海への対話のためのものです。

生涯を通じて変わらないキャリアの軸を探す理論は、長い人生の指針として価値があります。
キャリア天気図は、それとは別に、今の天気を読み、次の一歩を考えるためのものです。

どれが優れているという話ではありません。
どれも、それぞれの目的のために生まれた、大切な診断や理論です。

その中で、キャリア天気図の一番の特徴は、
「変わる自分の、今の天気を、自分で読む」
ためのフレームワークである、ということです。

■ なぜ「キャリア天気図」なのか——私自身の「曇りのち晴れ」から

実は、キャリア天気図は、私自身の「曇りのち晴れ」から生まれました。

損保会社で30年。営業から管理職へと役割を重ねてきた私は、ある時期、昇進の見通しも立たず、積み上げてきたものが少しずつ輝きを失っていく——そんな感覚の中にいました。

周りから見れば、たぶん「雨」か「雪」。
でも、自分の「今の状態・気持ち」を天気に例えてみると、不思議なことに「曇りのち晴れ」でした。

焦りも停滞感もある。けれど、これからの未来に確かに晴れ間も感じる。

その感覚の正体を探して自分のコンパス(価値観)を見つめ直したとき、私が本当に大切にしてきたのは「出世」や「名誉」ではなく、「人の悩みに寄り添い、一緒に前に進むこと」だったことに気づきました。

「周りから見た天気」でも、
「周りが期待する天気」でもなく、
自分の天気図を、自分で読む。

天気図の読み方の原則(G-Mate)

それが、このフレームワークの出発点です。

■ なぜ、この世界観を創ったのか

私が損害保険の現場で30年働く中で、強く感じたことがあります。
人は、「正解の人生」を求めて苦しむことが多い。
でも、海に正解の航路がないように、人生にも正解の生き方なんて、ありません。

突然の事故、経営危機、予期せぬ人生の嵐——個人の力ではどうにもならない局面で、当事者の方々と向き合い続けた30年で学んだことがあります。

ひとつは、「平時の準備(装備)が、いかに大切か」
もうひとつは、「嵐の中で、寄り添ってくれる仲間や相棒がいることが、どれほど人の心を救うか」

この感覚は、キャリアやメンタルの支援でもまったく同じだと思います。

必要なのは、

・今の天気を、否定せずに受け止めること
・自分のコンパスを、思い出すこと
・持っているものを、点検すること
・小さな港から、また漕ぎ出してみること

自分らしい航海のために(G-Mate)

それだけで、人は何度でも、自分らしい航海を再開できる。

そう信じて、このライフキャリア航海モデルと、キャリア天気図を創りました。

■ 最後に——みなさまへ

このnoteでは、世代や立場ごとの「キャリア天気図チェックシート」を全種類公開しています。

20代の若手社員から、子育て中の方、ミドルシニアの方、定年後のシニアの方まで——あなたの今に近いものを、ぜひ一度、お試しください。

そして、できれば…
チェックを入れて終わりにせず、こう自分に問いかけてみてください。

「私の今の天気は、本当にこれだろうか?」
「私は、本当はどんな天気だと感じている?」

その問いを持った瞬間から、あなたの航海は、もう始まっています。

天気に、良いも悪いもありません。
晴れの日も、雨の日も、雪の日も、すべてあなたの航海の一部です。

どんな天気の日も、私は「安全な港」として、お待ちしています。

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■ 著者プロフィール
ウェルビーイング・ナビゲーター
G-Mate   後藤 学
茨城県日立市出身 千葉県柏市在住

損保業界30年。「キャリア・メンタル・安心安全」の三本柱で、20代から60代までの人生のあらゆる天気に伴走しています。

《主な保有資格》
2級キャリアコンサルティング技能士/国家資格キャリアコンサルタント/プロティアン認定ファシリテーター/メンタルヘルス・マネジメント検定II種/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/個人情報保護士/防災士ほか
《所属団体》
ウェルビーイング学会/プロティアン・キャリア協会/日本産業カウンセラー協会/日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

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【参考図書】
「現代版プロティアンキャリア」について、さらに深く知りたい方には、理論提唱者である田中研之輔教授の著書『プロティアン』を強くおすすめします。
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