RIKENON 50mm f/2とノスタルジー。
初めて買った一眼レフカメラはNIkon FM10だった。完全機械式のシャッターで手巻きのフルマニュアルカメラだったが、嬉しくて仕方がなかった。
一方で、プログラムオートや絞り優先オートといった便利な機能に憧れる自分もいた。特に絞り優先オートはボケ具合を自分でコントロールしながら適正露出となるシャッタースピードで写真がとれるため、マニュアルで露出の失敗が多かった僕にとって試してみたい機能だった。
たしか2001年の春、大学に入学する直前だったと思う。仙台のカメラのコセキで格安の一眼レフとレンズのセットを見つけて購入した。
それがリコーのXR-10Mだった。XR RIKENON P 50mm f/2付きで1万円だったと思う。
マニュアルフォーカスではあったがプログラムモードや絞り優先が使えて、オートワインダーでフィルムが勝手に巻かれていく。便利でとても使いやすかった。絞り優先オートで撮影のラグが短くでき、テンポよく撮影できるようになった。
RICOHの一眼レフはKマウントでペンタックスのカメラと互換性があるため、PENTAXのボディにつけて遊んだりもしていた。
リケノンの50mmの使い回しの良さとレンズの作りの良さにも感銘を受けた。ニコンに比べて小さな50mmレンズで、その大きさが可愛かった。

いつの間にか手元からなくなっていたが、先日久しぶりにRIKENONを手に入れた。XR RIKENON 50mm f/2だ。曇りとゴミがやや目立ったが、それも味と思い、リコーのマス向け一眼レフXR500ともに1980円で購入した。

Nikon Z6ⅢにK&Fコンセプトのマウントアダプターを経由してリケノン50mmを装着。春の足音がする外に出た。




開放でも絞ってもいい感じに写真が撮れる。マウントアダプターとのデザインの相性も良い。まるで純正のレンズとマウントアダプターの組み合わせのようだ。

RIKENON P 50mmに比べるとやや長めのレンズ長だが、十分にコンパクト。何より金属のしっかりとした質感が所有欲を満たす。
ふらりと旅に出るならこの1本だけ、持っていきたい。そう思わせる不思議な魅力がある。もっとコンパクトで写りがいいレンズはたくさんあるのに、自分自身のノスタルジーも相まって、なんだか特別な1本に感じてきた。

レンズはあくまで写真を撮るための道具であり、手段だ。でも、時にはその手段であるレンズを持つこと、使うこと自体に価値が生まれる瞬間がある。
そういうモノの使い方・愛し方があってもいいのではないかと、リケノンで久しぶりに写真を撮りながら考えた。一口にカメラといっても本当に色々な楽しみ方がある。そのどれもが正解だ。僕にとっての正解を噛み締めながら今日もカメラを持って街を歩く。

筆者:KOZO
1981年生まれ、岩手県出身。インハウスエディター。広報・カメラマン・ギター・楽曲制作も。日々の出来事や感じたことを書きます。Amazonアソシエイトに参加しています。
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