スマートに見える仕事ほど、裏側は地図だらけ。図解とドキュメントで「自分の頭の中」をチームに開く話。
こんにちは。kickflowでマーケティングを担当している山下です。
これまで「クライアントワークから事業会社へ」「正解のない世界で、泥臭く知ろうとし続けることの価値」といったテーマで、自分の仕事観を書いてきました。
今日は、入社してから自分の働き方を一番大きく変えた、ある"気づき"について書かせてください。
きっかけは、弊社代表の重松から 「ドキュメントに残すこと、図解にすることは、本当に大事だ」 と説かれたことでした。
正直に言うと、その時の僕は、その言葉の重みをちゃんと受け止められていませんでした。「まあ、それはそうですよね」と。頭では、わかったつもりになっていたのです。
でも、日々チームメンバーと施策やネクストアクションについて話す中で、その認識は少しずつ変わっていきました。
口頭であれこれ説明するより、一枚の図や、整理された文章を見せながら話したほうが、圧倒的に話が早く進む。認識のズレが減り、議論が前に進む。その手応えを、何度も味わったのです。
そして同時に、ひとつの反省が生まれました。「わかっているつもり」と「実行できている」は、まったくの別物だ と。重要性を理解した気になっていただけで、僕は今まで、ちゃんと実行できていなかったのかもしれない——。
今日は、そんな僕がいま意識している、地味だけれど確実に効く、2つの習慣の話です。
一番危ないのは「自分の頭の中だけにある状態」
マーケティングの仕事は、外から見えにくい複雑さの塊です。
なぜこの施策を、この順番で打つのか。なぜこの設定にしたのか。お客様はどんな経路をたどって問い合わせに至るのか。競合と比べて、どこで選ばれているのか。
こうした"判断の理由"は、放っておくと自分の頭の中だけに溜まっていきます。そして頭の中にあるうちは、致命的な弱点を抱えています。
数週間後の自分が、平気で忘れる
チームの誰にも引き継げない
自分が動けなくなった瞬間、その仕事が止まる
「自分にしかできない仕事」は、一見すると価値のように聞こえます。でも、チームで戦うマーケティングにおいては、それはむしろ チームの成長を止めるボトルネック でしかない。そう気づいてから、僕は自分の頭の中身を外に出す作業を、強く意識し始めました。
「描けないものは、理解できていない」
まず効くのが、図解です。
図解の本当の価値は、"きれいな資料が作れること"ではありません。自分が本当に理解できているかを、強制的にあぶり出してくれること だと思っています。
頭の中でなんとなくわかったつもりでも、いざ箱と矢印で描こうとすると、途端に手が止まる。「ここの順番、本当はどっちが先だ?」「この2つは、実は関係ないんじゃないか?」——描けない部分は、たいてい自分が理解しきれていない部分です。
そして図には、もうひとつ大きな力があります。伝達のスピード です。文章で10行費やしても伝わらなかったことが、一枚の図ならチームに一瞬で共有できる。図解は、自分の理解を深める道具であり、同時にチームの認識をそろえる、最強の共有ツールでもあるのです。
ドキュメントは、未来に「なぜ」を残す行為
図解が"構造"を残すものだとすれば、ドキュメントは"理由"を残すものです。
施策の結果だけを記録しても、半年後の自分やチームは「なぜ、この判断をしたんだっけ?」と必ず迷子になります。大事なのは、
どんな仮説で、何を狙ったのか
何がうまくいき、何が外れたのか
次に同じ状況が来たら、どう動くべきか
という 「なぜ」と「学び」 まで含めて、言葉にして残すこと。
僕はこれを、チームの"外部脳"を育てる作業だと捉えています。一つひとつのドキュメントは、小さな点でしかありません。けれど、点が溜まっていくと、いつしか「自分たちの集合知」になり、誰かが新しい打ち手を考えるときの土台になる。書いたその瞬間ではなく、後からじわじわ効いてくる。これが、ドキュメントの面白いところです。
「地図」があるから、チームは速く進める
以前、「独りよがりなマーケティングは要らない」と書きました。その思いは、この2つの習慣にもまっすぐ繋がっています。
図解とドキュメントは、いわば チームで共有する地図 です。
自分の頭の中にしか地図がなければ、チームは僕がいないと前に進めません。でも、その地図をみんなが見られる場所に広げておけば、誰もが同じ目的地を目指して、自分で舵を切れるようになる。マーケターも、セールスも、プロダクトも、同じ絵を見ながら議論できる。
スマートに見える仕事ほど、その裏側は、こうした地味な地図づくりで支えられているのだと思います。一見、遠回りに見えるこの作業にかけた時間は、巡り巡って、チーム全体のスピードと精度になって返ってきます。
おわりに:未来の自分とチームへの手紙
図解とドキュメントは、今日の自分のためだけの作業ではありません。
数ヶ月後の自分、そして同じ船に乗る仲間に向けて書く、未来への手紙 のようなものだと思っています。
あのとき代表が言っていた言葉の意味を、僕はようやく、自分の手と頭で理解し始めたところです。スマートではないかもしれません。でも、自分の頭の中をチームに開いていくこの積み重ねの先にこそ、再現性のある強いチームと、強いマーケティングがあると信じています。
もし、こうやってナレッジをオープンにしながら、チームで成果を育てていく働き方に少しでも共感していただけたなら。ぜひ一度、お話ししませんか。
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