雨の日は、前に進まないととのえ方
ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣です。
雨の日。
外が少し暗い。
空気が重たい。
体がなんとなくだるい。
頭も少しぼんやりする。
そんな日があるかもしれません。
気温だけを見ると、
そこまで暑いわけではない。
でも、体は重い。
やる気がないというより、
空気そのものに包まれているような感じがする。
湿度が高くて、
空気が肌にまとわりつく。
呼吸も少し浅くなる。
動き出すまでに時間がかかる。
考えようとしても、思考がすぐに乱れてしまう。
そんな雨の日でも
私たちはつい、
いつも通り前に進もうとします。
予定をこなす。
仕事を進める。
考えをまとめる。
気持ちを切り替える。
体を起こす。
ちゃんと動く。
もちろん、生活があるので、
すべてを止めることはできません。
でも、雨の日には、雨の日の進み方があります。
時には、
前に進まないことが、ととのえることになる日
もあります。
雨の日の体は、いつもより内側に向かう
雨の日は、
外に向かう力が少し弱くなります。
光が少ない。
空気が重い。
湿度が高い。
気圧の変化もある。
そういう環境の中では、
体は自然と、少し内側に向かいます。
外へ外へと動くより、
内側で調整しようとする。
大きく動くより、
小さく守ろうとする。
遠くを見るより、
近くの感覚に戻ろうとする。
それは、怠けているわけではありません。
雨の日の体は、
雨の日の空気を、ちゃんと感じています。
晴れの日と同じように動けないのは、
気持ちが弱いからとかではなく、
体が環境に反応しているからです。
だから、雨の日に大切なのは、
自分を無理に、晴れの日仕様にしないこと。
雨の日の体を、
雨の日のまま、扱うことです。
前に進むことだけが、ととのうことではない
私たちは、
何かが進んでいると安心します。
仕事が進む。
予定が進む。
片づけが進む。
考えがまとまる。
目に見える結果が出る。
そうすると、
「ちゃんとできている」と感じやすい。
でも、いつも前に進むことだけが、
ととのうことではありません。
立ち止まることで、
戻ってくる感覚があります。
進まないことで、
余白が生まれることがあります。
何もしないように見える時間の中で、
体がようやく追いついてくることがあります。
雨の日は、
そのことを思い出させてくれる日と言えます。
進む日ではなく、
ほどく日。
整える日ではなく、
調える日。
外側を動かす日ではなく、
内側の力加減を合わせ直す日。
そんなふうに、
雨の日を捉えてみると、
少し呼吸が深くなっていく感じがしませんか。
雨の日は、予定を小さくする
雨の日に全部をいつも通りやろうとすると、
思った以上に疲れることがあります。
移動するだけで疲れる。
湿った空気の中で過ごすだけで重い。
服や靴が濡れるだけで、少し気持ちが下がる。
そんな日は、
予定を大きく進めるより、
少し小さくしてみる。
今日やることを、
ひとつ減らす。
時間に余白を持たせる。
移動の前後に、
少し休む時間を入れる。
返事を急がない。
考えをまとめる作業は、
晴れた日にまわす。
雨の日の自分に、
晴れの日と同じ量を求めない。
それだけでも、
体はずいぶん助かります。
前に進まないというのは、
すべてを止めることではありません。
今日の進み方を、
今日の空気に合わせて小さくすること。
それもまた、
ととのえ方のひとつです。
思考が重い日は、深く考えすぎない
雨の日は、
体だけでなく、思考も重たくなることがあります。
考えがまとまらない。
言葉が出てこない。
判断が遅くなる。
いつもなら気にならないことが、少し気になる。
そんな時に、
無理に答えを出そうとすると、
かえって苦しくなることがあります。
「どうしてこんなにだるいんだろう」
「なぜやる気が出ないんだろう」
「このままで大丈夫かな」
「ちゃんとしないといけないのに」
そうやって、
体が重い日に、思考まで深く掘り始める。
すると、
体の重さに、考えの重さが重なってしまいます。
雨の日は、
深く考えない方がいい。
答えを出すより、
温かいものを飲む。
原因を探すより、
肩の力を抜く。
反省するより、
少し横になる。
未来を決めるより、
今日の足元を軽くする。
それくらいでいい。
思考を前に進めるのではなく、
体が少し楽になる方を戻す。
雨の日は、
そのくらいのととのえ方が合っています。
雨の日は、暮らしを静かにする
雨の日にできることは、
小さなことでいい。
部屋の明かりを少しやわらかくする。
濡れた靴を乾かす。
タオルを一枚、近くに置いておく。
あたたかい飲みものを飲む。
湯船に少し長く浸かる。
呼吸をひとつ、深く吐く。
窓の外の雨音を、少しだけ聞く。
そんな小さなことで、
体は少し落ち着いていきます。
雨の日に必要なのは、
気合いではなく、
暮らしの静けさです。
がんばってととのえるのではなく、
環境を少しやさしくする。
体が重たいなら、
重たい体のまま過ごせるようにする。
気持ちが上がらないなら、
無理に上げようとしない。
そのままでも呼吸がしやすい場所を、
少しだけつくる。
暮らしを静かにすることは、
自分を甘やかすことではありません。
今の自分に合う環境を、
少しととのえてあげることです。
雨は、止めるものではなく、通り過ぎるもの
雨の日に、
ずっとこの重さが続くように感じることがあります。
体がだるい。
気分が上がらない。
思考がまとまらない。
そういう日が続くと、
自分が変わってしまったように感じることもあります。
でも、雨は、
止めようとするものではありません。
通り過ぎるものです。
雲が動き、
空気が変わり、
また光が差す日が来る。
体も同じです。
重たい日がある。
動けない日がある。
前に進めない日がある。
でも、それは、
ずっとそのまま続くわけではありません。
今は、雨の日の体でいるだけ。
今は、少し内側に戻っているだけ。
今は、無理に前へ出るより、
自分の中に戻る時間なのかもしれない。
そう思えるだけで、
雨の日の過ごし方が、少し変わります。
前に進まない日にも、意味がある
前に進まなかった日。
何もできなかったように感じる日。
予定通りに進まなかった日。
そんな日にも、
ちゃんと意味があります。
体が休んだ。
心が少し緩んだ。
思考が止まった。
呼吸が戻った。
急ぎすぎていた自分に気づいた。
目に見える成果はなくても、
内側では何かが調っていることがあります。
雨の日は、
その静かな調整に気づきやすい日です。
晴れの日のように、
外へ広がっていくのではなく。
雨の日のように、
内側へしみ込んでいく。
そんなととのえ方も、あります。
雨の日は、前に進まなくていい
雨の日は、
前に進まなくていい。
少なくとも、
晴れの日と同じ速さで進まなくていい。
今日、できる分だけでいい。
今日、軽くできる分だけでいい。
今日、呼吸がしやすくなる分だけでいい。
予定を小さくする。
考えすぎない。
体を冷やしすぎない。
あたたかいものを飲む。
少し早めに休む。
暮らしを静かにする。
それくらいのことが、
雨の日の自分を助けてくれます。
ととのえるとは、
いつも前に進める状態をつくることではありません。
進めない日にも、
自分を責めずにいられること。
重たい日にも、
少し呼吸が深くなる場所をつくること。
晴れの日も、雨の日も、
その日の自分に合う力加減を見つけていくこと。
雨の日は、
前に進まないという、ととのえ方。
外へ向かう力が弱い日には、
内側に戻る時間を。
今日の空気に合わせて、
少しだけ静かに過ごしてみてください。
また、次の記事でお会いしましょう。
ととのえ職人
五木田穣
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