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漫画家アシスタント物語  第8章 〈23〉 借金は解消、経営は重症?

 
《写真上:私が生まれて初めて手にした100万円の札束。借金まみれの私が突然手にした大金! ちなみに、背景は利息制限法に基づいた利息の計算書》
              < この8章〈23〉は、文庫本約10ページ分 >

  
 
 
「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
 
ただし‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
 
 

さて‥‥ 本文の前に‥‥ ここで‥‥‥‥
 

「漫画家アシスタント物語」のマガジンを複数購読してくれた方を紹介させてください。  肉森さん ‥‥‥‥‥‥ ありがとうございました!

以下の記事は、肉森さんの作品の中でも、特にスキの多い人気作品です‥‥

 
 


               その45 
  
  《 漫画家アシスタントが・・・一瞬、札束を手にするが!? 》
 
 
秋風というには、まだ早い感じ‥‥ 9月といってもまだ少し暑い‥‥ 生温かい風の日だったと思います。
 
弁護士から払戻金を受け取る様に連絡があったので、私は池袋の西口にある例の薄汚れた弁護士事務所を訪ねました。
 
銀行の紙袋に入った札束は約450万円‥‥ 100万円の帯封がされた札束が4つ。
 
軽い様な重たい様な‥‥‥‥ 26年間払い続けた私の利息‥‥‥‥ その重さがどれ位あるのか‥‥‥‥ 私の頭の中は真っ白でよく分からない。
 
現金を手にするまでは、何が起こるか分からない( 取り消されるかも )‥‥ そう思っていたのですが、実際に現金を手にしてもまだ信じられない気分でした。
 
私は受け取りのサインをしなくてはならないのですが‥‥‥‥ 手がブルブルと震えてうまく書けません。
 
おまけにボールペンを持つ手が汗ビッショリになりベトベトです。そのため手脂でペンがツルツルして握れないのです。
 
文字は震え、途切れ、歪みます‥‥‥‥ 自分の名前を書くのにあれほど苦心した事はありませんでした。 

ペンがブルブル、字はガタガタ‥‥ コントロールしようとすればするほど、ペンはさらにブルブルブル、字はメタメタ、ヌタヌタ‥‥

30年、漫画描いて飯食ってきた人間が、自分の名前も書けない‥‥‥‥!

震えて書けない‥‥!
 
そんな私を見ながら、弁護士はニコニコと祝福してくれるのです‥‥
 「 長い間、大変でしたね‥‥ 」
 
弁護士、事務職員に挨拶して私は古びた雑居ビルを後にします‥‥
 
池袋西口、グリーン大通りを早歩きしながら私が考えた事は‥‥‥‥
 
「 全部、叩き返す! 」
 
20数年、この日を夢見てきました!
 
私は、受け取ったお金から約350万円を銀行へ入金して、パロミス以外の全ての金融会社、銀行、クレジットカード、へ残金一括返済の手続きを取ったのです。
 
700万円以上の返還がある事は以前にも書きましたが、この内から弁護士の着手金、その他、手数料総額が約300万円近く( かなり高額! )、その残金がこの銀行の袋に入った450万円でした。
 
その日、全ての借金を返済した残り100万円ちょっとが手元に残ったので写真を撮っておきました‥‥ それが上の写真です。
 
そのお金も初めての液晶テレビと2度の引っ越し( その他 )で無くなってしまいましたが、今は借金地獄から解放され普通(?)の暮らしをしております。
 
早いもので、上記の様に2007年の秋に全ての債務( 550万円 )を返済( パロミスのみ任意整理 )してから丸4年が経とうとしています。
 
借金をしない暮らしが「とてもハッピー」とは思いませんが‥‥ 毎日、金利や元本返済に神経をすり減らして暮すストレスな日々‥‥ それに比べると、今は別荘でのんびり日向ぼっこでもしている様にのどかな日々です。
 
だからこそ、こんな風に書く事ができるのだとも思います。 もし、多重債務に苦しむ私を信じて、東京〇〇銀行が「 おまとめローン:金利18% 」を組んでいてくれたら今でもその借金と利息を月々、返済し続ける事に汲々きゅうきゅうとして‥‥ ブログどころではなかったろうし、病気になっていたかも知れません。
 
 
サラ金の話はこれで終わろうと思うのですが‥‥‥‥ このブログを読んでいる人の中には、借金( カードのリボ払いも含む )に苦しむ人もいるかと思います‥‥‥‥
 
それらの方々へ( 余計なお世話かもしれませんが )書いておきたい事があるのです‥‥‥‥
 
「 少しくらい( 5~6万 )なら大丈夫だろう 」
「 どうせ、すぐに返せるさ 」
 
これらの言い訳は、破滅への第一歩になります‥‥ 必ずなります。
 
それから‥‥ つまらない借金するのもバカですが‥‥ それをグズグズと返せなかった私もバカでした‥‥‥
 
借金の苦しさから、それを人に相談するのは考えものです。 なぜなら、信用を失うだけではなく、時には軽蔑や侮りを受けるなど、リスクを背負うだけで何のメリットもありません。
 
借金‥‥ とくに高利の借金は、まさに重圧、重荷を背負うのと同じです‥‥‥‥ 煙草を禁煙する苦しみの何倍は苦しいのです。 そして、それを理解できる人はわずかです‥‥‥‥。
 
繰り返しになりますが‥‥‥‥ 絶対に追加融資を受けない事も大切ですが、たとえ親しい友人でも借金のある事を話すのは得策ではありません。

何故ならば‥‥‥‥ 彼らは、何の関係もないからです。
 
相談すべき相手は、弁護士や行政書士などの専門家であって、友人や家族ではありません。( 自分の親族に頭を下げて借金する場合は別ですが )
 
悩み続ける事よりも、まず専門家に相談してみて下さい。 無料( 又は格安 )で相談にのってくれる専門家はたくさんいます。
 
お金の事で自殺したり、やけを起こしたりする前に‥‥‥‥ 

愚痴を聞いてもらうつもりで相談してみて下さい。

ゲームオーバー( 専門家への相談 )の目安は、利息の支払いが困難になり、月末には赤字になった時です。 それは、もはや登れもしない山に登った登山者と同じです!

そのまま、山奥で死体になるか、遭難信号を発するかの分かれ目です。 どうでしょうか‥‥‥‥ 月々の利息払いで月末が赤くなるかどうか‥‥‥‥

それが‥‥‥‥ レッドラインです。
 
「諦めが肝心」‥‥とは、上手いこと言ったものです。

うちの師匠( ジョージ秋山 )は「諦めは、悟りだ」ってな事を言ってました。

 
 
さて‥‥

この章の最も苦しい部分が終わり、いよいよお店( 私のマッサージ店 )を始末する話へ入っていきたいと思っています。
 
バブルの崩壊、そして、収入の激減からお店を始めたのですが‥‥ 6年続いたそのお店もいよいよ終わりの時が近づいてまいりました‥‥‥‥

 

 
 


池袋北口から線路沿いに大塚方面に向かって撮影しました。左手の奥へ行けば『へいわ通り』という少し淋しい商店街。その通りに面したマンションの一室に私が経営するお店がありました。

 
               その46  
  
 《 漫画家アシスタントが・・・消費税をちょろまかすのか!? 》
 
 
さて、100万円の札束が手に入ったところで、借金の話はおしまい。

それにしても、この章のテーマがタイマッサージ店からブログの書籍化、さらには借金問題‥‥ またマッサージ店と‥‥ コロコロ変わるのですが‥‥‥‥
 
実は、この2007年という年は、私にとって最も変化に富んだ激しい年だったのです。そのため、テーマを一つに絞るどころか、いろいろな出来事や問題が重なり合いもつれ合い、同時進行していました。
  
2006年にアメリカのサブプライムローンが破綻を始め、世界経済に暗い影がせまる状況で、私には、拙ブログが書籍化するという幸運が訪れます。
 
しかし、不況下でお店の経営は低調なのにスタッフのケンカや他店からの大量引き抜きなどで見通しは、真っ暗な状態でした。
 
そして、あのパロミスの3期連続赤字報道から債務整理をした2007年に単行本が出版され、2008年にTBSラジオにゲスト出演して、さらに二つの大学( ※参照 )から講師と講演のオファーが来るという山と谷がゴチャ混ぜにやって来たような‥‥ そんなややこしい1年でした。
 
さて、開店から5年目に入ったマッサージ店自体が赤字( 事実上のただ働き )だったのは、最初の半年間だけで、それ以降はずっとトントン経営でした。
 
ただ、リーマンショック以降の不況は将来の赤字経営を予想させ、毎日、痩せる思いの日々でした。
 
ところで‥‥‥‥
 
経営と言えば税金ですが、普通、経営状態が悪ければ納税は免除されます。しかし、消費税は( どんなに赤字だろうが )支払わなくてはなりません。
 
皆さんは、一般の商店や事業所で消費税をどうしているのか知らないと思いますので、ちょっと書いておきます。
 
普通は、お客さんが払った料金の中に消費税5%( 15年前の税率です )が含まれていますので、それをまとめて税務署に提出します。( 年に一度まとめて払います )
 
しかし、消費税は開店から2年間はかかりません。その後は、売り上げの5%( 仮に年間2000万円の売り上げがあれば100万円です )を税務署に収めるわけです。
 
実はこれが大変でした‥‥‥‥( 開業3年目だといって消費税分を値上げするなんて出来ませんでした )
 
普通なら税務署に開業届を出してから2年経つと、消費税の支払い請求があるのですが‥‥ それが無かった( 来なかった )のです。
 
半年か1年ほどして‥‥ おかしいと思った私は‥‥  税金の処理を頼んでいた税理士さん( ※参照 )に‥‥
 
「 消費税はどうなっているのでしょうか‥‥? 」
 
「 え? まだ連絡はないんですか? 」
 
連絡がなければ、知らぬふりをしてやり過ごせば年間でかなりの金額をちょろまかせる!
 
しかし、税理士は冷静に‥‥
 
「 どうしますか? こちらから問い合わせますか、それとも黙っていますか? 」
 
この時、もし私が「 忘れたふりをしましょう 」と言っていれば消費税分が丸々ポケットに入っていたかもしれません‥‥ つまり、まだ私はヌクヌクとマッサージ店のオヤジでいたかもしれません。
 
でも、私は即座に‥‥‥‥

「 しょ~がないなぁ‥‥‥‥ 税務署へ連絡して下さい 」
 
なんて、良い子になっちゃって‥‥‥‥ 結局、2年後にお店から撤退する事になってしまうとは‥‥‥‥ 皮肉な話です。
 
ちなみに、1円の利益も出せずに、お店を辞めても‥‥ その年度の消費税( 全売上金の5% )は、翌年請求されます。 辞めたらゼロになるのではなくマイナスが残るのです。

恐るべき消費税です‥‥‥‥


 

 

        「 漫画家アシスタント物語 第8章〈24〉」へつづく・・・・

                    「第8章〈22〉」へもどる‥‥

                    「もくじ」 へ‥‥

 



 ~~~ 参照 ・第8章〈23〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
 

 【その46】
二つの大学 : 厚木の方にある美術系大学での講演依頼と都内にあるメディア系大学での非常勤講師の依頼がありました。2009年から2016年頃まで、クビにならずに後者の大学で漫画背景を教えていました。
・税理士さん : 私は帳簿を付けるだけで精一杯だったので、税務上の事は、この税理士さんに全て任せました。年間の手数料は5万円ほどでした。
 
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