漫画家アシスタント物語 第7章 〈3〉 沼の先にも沼が待つ!
《画像上:『ASHURA』の一部分。主人公の母親が男の頭部を破壊するシーンです。次のコマには飛び散る脳がフワフワと浮いて‥‥ 1993年、作画 》
< この7章〈3〉は、文庫本約20ページ分 >
初めての方は、「漫画家アシスタント物語 第1章」(無料)がお薦めです。
または、「マガジン:第1章、第2章」(無料)が読みやすいと思います!
その11
「 おめぃ~はよぉ~‥‥ 何、考ぇ~てンだぁ~? 」
ジョージ先生( ※参照 )は‥‥ まるで、風船から空気が漏れ出る様な‥‥ しぼむ様な声でそう言うと‥‥
「 わからねぃ~ぜ! これぃ~! 」
‥‥と、テーブルの上の原稿をアゴで差しながら私の顔を窺います‥‥。
私は、黙ったまま‥‥ 考え続けます‥‥‥‥
『 そうか‥‥ セリフもナレーションも無い上に‥‥ 意味不明の逆さまのキャラがフワフワ浮いてるんじゃ‥‥‥‥ 』
自分でも制作中に、作品に無理がある事を心の片隅で感じていながら、それでも制作を続行した( 修正しなかった )愚かさを‥‥ 今、ジョージ先生の前で小さくなりながら実感していたのです‥‥‥‥
自分で傑作だと思っている作品が、理解さえされないで机の上でゴミ化して行く‥‥‥‥
あれほど夢中になって描いた一本の漫画作品が‥‥ 衝撃的で格調高い大叙事詩のつもりだった劇画作品が‥‥ 26枚のただの紙の分子へと還元されて行く‥‥‥‥
私には‥‥ もう、それを描き直す元気も気力もありませんでした‥‥ 何ンだか‥‥ つまらないTVドラマでも眺めている様な気分で、ソファに腰かけていたのです。
ジョージ先生は‥‥ ガックリと肩を落とし、ドロンとした目でテーブルの原稿を見ている私に向かって‥‥
「 俺ぃはよぉ~‥‥ おめぃ~に『 アシュラ 』の続きを描いて欲しかったンだよなぁ~ 」
「 ‥‥‥‥! 」
そんな事言われたら、飛び上がって喜ぶほど光栄な事なのですが‥‥ すでに矢折れ、力尽きた私は、自分の重たい頭を持ち上げてジョージ先生の顔をジッと見つめる事しか出来ませんでした‥‥‥‥
『 そんな‥‥ 続きだなて‥‥ 無理に決まってますよ! 』
私がそんな風に弱気になっている事を、その表情から読み取っていたジョージ先生は‥‥‥‥ クルーザーの船長の様に別の話題へと舵を切るのです‥‥
「 ヤッてるかぁ‥‥ 女と? 」( 笑 )
さて‥‥
この話は、ここまで。
これからが‥‥‥‥ この「 第7章 」の本題なのです‥‥‥‥
この当時、私の友人のイラストレーターであるオーさん( ※文末参照。《 第5章前に登場 》 )が一冊の描き下ろし単行本を出すのですが、その事から刺激されて一つのアプローチを考えたのです。
それは、出版社へ描いた「 漫画原稿 」を持ち込むのではなく‥‥ 漫画の「 描き下ろし単行本の企画 」を持ち込むというアプローチでした‥‥
しかし、その結果‥‥ 私が漫画制作のペンを折る事になろうとは‥‥ 想像さえしませんでした‥‥‥‥
これから書きますその話が‥‥
このブログ( 1990年代、gooブログ )へのコメント欄に、幾人かの読者から要望されていた‥‥ 例の‥‥‥‥
「 私が漫画を描かなくなった理由 」‥‥
なのであります。
「その12」より‥‥
「ASHURA」を断念した後、投稿ではなく「企画」の売り込みに‥‥!

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