漫画家アシスタント物語 第7章 〈7〉 私が漫画を止めたわけ‥‥
《 写真上:仕事場の私のデスクにある雑多な筆記具です。かなり酷くホコリで汚れています。筆立てや、ホワイト用水差しは空き缶です。2010年4月 》
< この7章〈7〉は、文庫本約18ページ分 >
初めての方は、「漫画家アシスタント物語 第1章」(無料)がお薦めです。
または、「マガジン:第1章、第2章」(無料)でも読みやすいです、はい!
その33
「 漫画を止めます‥‥ 」
そう言った私の言葉に‥‥
「 そこまで言う事はないよ‥‥ 」
そうT氏が言ったのは、同じ様に絵を描く人間として、この言葉の重さを知っている人だからだと思います。
漫画を描いて稼いでいる人間が漫画を描く事を止めるのは‥‥
原稿料が安いという事が理由なのではないのです。
多くの場合、体調を崩したり、精神的にダメージを受けたりして、どうしても漫画を描き続ける事が出来ない場合が多いのです。
私にとって、この単行本の仕事( 254p )で得た手取り現金が十数万円だったのは、とても残念でしたが‥‥‥‥
それよりも、漫画を描いた事で誰からも評価されないどころか、クレームだらけ‥‥‥‥
「 内容が激し過ぎて感情移入出来ない! 」
「 本が高すぎるよ、これじゃ誰も買わないよ! 」
「 やっぱりね~、こんな本になると思ってたわよ! 」
結局‥‥ 誰一人として、喜んでくれた人はいませんでした‥‥
仕事の後半は‥‥
『 印税の事よりも、完成させて読者に喜んでもらえれば、それでいいんだ‥‥ 』
そんな気持ちで毎日制作していたので、やっと終わったと思ったら‥‥ 受ける評価が悪いだけではなく‥‥
「 小池さんはそんな人だったのか‥‥ 」
「 こんな事をするなんて‥‥ 」
まるで、人の作品を盗んで勝手に漫画にした窃盗犯( 四面楚歌 )の様な評価に対して‥‥‥‥ 私の精神は軟弱過ぎました‥‥‥‥
ホントに‥‥
『 3年間‥‥ 何をやっていたんだ‥‥‥‥! 』
‥‥と‥‥‥‥
虚無感だけしか残りませんでした‥‥‥‥
ただ‥‥
『 もう‥‥ 疲れた‥‥ 』
1996年12月に単行本が出版されましたが‥‥
私は、この頃から亀が殻に閉じこもる様に‥‥ 一人でゲームの世界へ没頭し‥‥‥‥
‥‥と、まぁ‥‥ 実際これが‥‥ 私が漫画を描かなくなった理由だった‥‥と、いうわけです。
この後、約7年間‥‥ 毎日ゲームばかりしていましたので、自分の漫画をまったく描きませんでした。
好きなゲームに骨まで浸かる‥‥ それは‥‥ とても楽しかった‥‥‥‥と言って良いのかどうか‥‥
不思議なもので、この当時は、本当にアシスタントの仕事以外はゲームばかりしていましたので、このブログに書く話が何もありません。
ゲームに夢中になっていた7年間の事は‥‥ ゲームの事以外、何も思い出せないのです‥‥‥‥( 30年経った今は、ゲームの事も思い出せません )
ハッと‥‥
海岸で目覚めた時の、老人になった浦島太郎の様に‥‥‥‥
「その34」より‥‥
ゲームから目が覚めたら7年経ち、秋山プロは倒産寸前に‥‥!

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