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その略語、利用者の家族にも聞かせられますか?

介護現場では、忙しさの中で言葉がどんどん短くなります。「ケアマネ」「サ責」「PT」「ADL」「食介」。長く働く職員さん同士なら、ひと言で意味が通じる便利な言葉です。しかし、リーダーには一度立ち止まって考えてほしいのです。その“当たり前”は、新しく入った職員さんにも、利用者や家族にも、本当に同じように伝わっているでしょうか

仕事を覚えるためには、まず言葉が分からなければなりません。専門用語や職場独自の略語が飛び交う環境では、新人さんは質問する前から置いていかれます。意味が分からないまま曖昧に仕事を進めれば、ミスや事故につながる恐れもあります。それでも「見て覚えて」「そのうち分かる」と済ませるのなら、人が育たない原因を新人さんの理解力に押しつけているだけです。

さらに注意したいのは、略語が職場の品格まで下げることです。例えば「食事介助」を「食介」と呼ぶことに、ベテラン職員さんは何も感じないかもしれません。しかし、家族が耳にしたとき、「自分の親への支援が、単なる作業のように扱われている」と感じることがあります。言葉を省くうちに、敬意まで省いてはいけません。雑な言葉が増える職場では、やがて態度やケアまで雑になっていきます。

だからこそ、リーダーの役割が重要です。手順書やマニュアルには、作業の流れだけでなく、専門用語の正式名称、意味、使用する場面、利用者や家族の前では避けたい表現まで記載しましょう。そして会議や朝礼で、「なぜこの言葉を使うのか」を繰り返し伝えるのです。

マニュアルは職員を縛るものではありません。新人さんが安心して質問でき、誰が担当しても一定の質を守れる職場をつくるための土台です。

言葉を整えることは、ケアを整えることです。リーダーが丁寧な言葉を選び続ければ、その姿勢は必ず職員に広がります。職場の信頼と品格は、大きな改革ではなく、今日あなたが口にする一言から始まるのです

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