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逃走記5 缶のお茶

 港を出て1時間程経っただろうか。俺は船の左舷側に腰を下ろして海を眺めていた。
 
「これからどうなるんだろ。」

 そんな言葉が不意に出てしまっていた。
 港で爺さんが来るのをスマホを見ながら待って居た時ある記事が目に入ったのだ。

「連続通り魔事件の犯人に報奨金800万決定!!」

 冤罪といえど一度疑われたら無実な証拠が出るまでは犯罪者の烙印が押されたまま暮らさないと行けない。
 ため息を吐いていると頭にひんやりとした物を載っけられた。後ろを振り向くと小窓から缶のお茶を持った爺さんが居た。
 
「ありがとう。」

 そう言って缶を受け取りお茶を一口飲む。身体が熱かったのか分からないが、お茶が喉を通り、胃に落ちるのが分かる位の冷たさだった。

「あんまり気を落とすなよ?どうせ世間は目新しい話題が出たらそっちに行くんだから。それに人の噂は75日って言葉がある位だしなww」

「世間は最悪それでもいいとして、警察はどうしようも無いですよ。それこそ防犯カメラなんて至る所にあるんですからすぐ足取りがバレますし。それに捕まったら元も子もないですよ。」

「まぁ当事者じゃ無いから楽観的に見てしまうのかもしれないが、そこに居る連れの様に多少は緊張をほぐしたらどうだ?」

 爺さんに言われ船の後ろの方を見て思い出した。そういえばアイツ船の耐性無かったな。



「陸地が恋しい。海やだ。」

「あと数時間は陸地に戻れ無いぞ。」

 俺の言葉にまるで世界の終わりの様な表情で項垂れている陸を横目に爺さんとの会話に戻る。

「で?お前達は何処で降ろして欲しいんだ?」 

 その言葉に俺は少し悩んだ。最初は隣の神奈川まで行ければ警察の管轄が変わり、検問等も無いと思っていたが、よくよく考えれば周辺の県にも手配はされているはずだ。
 だがあんまり船に乗り過ぎるのも考えものだ。特にこれ以上船に乗ってると陸が使い物にならなくなるかもしれない。
 そう考えた俺の結論は

「静岡辺りまで乗せてくれるか?爺さん。」

 その言葉に一瞬考えた顔をしたが、船の後ろで吐いている陸を見て腑に落ちた顔をしながら

「分かった。静岡のあんまり人が居なさそうな漁港で降ろすからな?」

 その言葉に俺は「分かった」と返した。


「うぇぇぇぇぇぇ。…………こんな事なら朝ご飯食わなきゃ良かっ うぇぇぇぇぇぇ〜」

 一方の陸は船に乗ってる間ずっとリバースし続けていた。




 なんか久々に書いたかも?設定とかも少し忘れてた。多分あと2話ぐらいは年内に出すからお楽しみに。最期にまだ読んでくれてる方ありがとうございます!!あと我こそがまだ読んでるという方はコメントしてみてください。モチベーションになります。


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