【組織のAI活用#151】Googleの各AIサービスや機能のそれぞれが、それぞれの場所で召喚できるというのは、ある意味ワークフローのAI化である
こんにちは!寺田です。
現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
また、直近までは法人向け生成AI&デジマ人材育成研修サービスD-Marketing Academy(株)の代表取締役やCARTA HOLDINGSのAI推進室で組織AI活用推進もしており、とにかくここ2,3年はAIでの実務活用支援にどっぷりとつかっております。
昨日、Googleさんより、こんなアップデート情報がきました。
管理者様
Google WorkspaceアプリのGemini サイドパネルに会話履歴機能を導入します。この機能により、ユーザーはセッションをまたいでGeminiとの会話を再開できるようになります。この履歴は単一のアプリ内でのみ保持され、会話は非公開のままとなります。
例えば、Google ドキュメントのサイドパネルでの会話は Google スプレッドシートのサイドパネルには表示されず、共有ファイルのサイドパネルでの会話は、そのファイルにアクセスできる他のユーザーには表示されません。このロールアウトのタイムラインは以下のとおりです。
2026年2月25日:会話履歴の管理者向けコントロールが利用可能になりました。詳細と推奨される対応については、以下をご覧ください。
2026 年 3 月 3 日: Gemini Alpha および Workspace Labs プログラムに参加しているエンドユーザーへの会話履歴の展開が開始されます。
2026 年 3 月 17 日以降: 会話履歴が他のすべての Workspace ユーザーにも展開されます。 このロールアウトについては、 Workspace アップデート ブログで事前にお知らせします。
組織にとってこれが何を意味するか
この機能がユーザーに展開されると、ユーザーはどの Workspace アプリを使用していても、以前のプロンプトと応答にアクセスできるようになります。この機能の動作に関する重要な点は次のとおりです。
・・・省略・・・
Google Workspace をお選びいただきありがとうございます。
– Google Workspace チーム
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シンプルにいうと、「Geminiのサイドパネルが会話の履歴を保持できるようになった」ということです。
これまでは、ページを更新するたびに会話が消えてしまう「その場限り」の機能という印象でした。 正直なところ、精度も含めてまだ本格的な業務に使うには少し物足りないなと感じていた方も多いのではないかなと思います。
このアップデーをみて、ふと、これまで点在していたGoogle内のAIサービスが一気に一つへと繋がっていくんだろうなという感覚になりまして、今回はそのあたりに関しての過去の経緯と未来予想に関して書いていこうと思います。
サイドパネルが「仕事の拠点」に変わる意味
今回のアップデートで最も大きなポイントは、AIがセッションをまたいで「文脈」を維持できるようになったことです。 これまではドキュメントの横で相談したことも、スプレッドシートに移動すれば忘れてしまっていました。
しかし、履歴が残ることで、ツールを跨いで思考を継続することが可能になります。 午前中にメールの返信案を練っていた文脈を、午後に資料作成のサイドパネルでそのまま引き継げるわけです。
これは、サイドパネルが単なる「一時的な補助機能」から、常に隣にいる「思考の相棒」へと昇格したことを意味します。 一言でいうと、AIがあなたの作業の「流れ」を理解し始めたということです。
この小さな変化が、実はこの後の大きなサービス連携を実現するための、極めて重要なインフラになっています。 実務にどっぷりとつかっている立場から見ると、この「文脈の継続」こそが、AIを道具からパートナーに変える鍵ではないかなと考えています。
GoogleのAIサービスの経緯と各サービス・機能間の連携
ここで少し視点を引いて、ここ数年のGoogleのAIにおける流れをみていきます 当初はバラバラの機能として存在していた「点」のAIが、着実に「線」として繋がり始めています。
2024年:生成AIの種まき期。GmailやDocs内で「Help me write」が登場しました。部分的な執筆補助など、まずはAIを触ってみるというフェーズでした。
2025年前半:アプリ間の橋渡し。GoogleドライブやGmailの中身をAIが横断的に検索できるようになりました。自分のデータにAIがアクセスし始めた時期です。
2025年後半:専門性の獲得。大規模調査を自動化するDeep Researchや、自分専用BotのGemsなど、特化型ツールが次々と揃いました。
2026年初頭:知能の統合。そして今、サイドパネルに履歴が乗り、すべての強力な機能が「いつでも、どのアプリからでも」呼び出せる状態に整いました。
こうして見ると、Googleは時間をかけて着実に外堀を埋めてきたことがわかります。 一つひとつのサービスが十分に強力になった今、それらが各サービス感で密に連携してきている印象です。
勝手な想定ですが、NotebookLMや、カスタムAI(Gem)、Deep Research機能や画像作成機能などが、わざわざ別タブを開かずにサイドパネルでも使えるようになるんだろうなと思っています。
例えば、ドキュメントで企画書を書きながら、横のパネルで「Deep Researchを起動して最新の市場動向を調べて」と指示を出します。 その調査結果をそのまま「NotebookLMに読み込ませて、弊社の過去事例と照らし合わせて」と繋いでいきます。
ワークフローを作らなくても「コンボ」で完結する
GoogleもGoogle Workspaceのサイドパネルにおいて、ワークフローをAI化するツールを出しており、できることも増えてきております。また、市場ではn8nやDifyといわれるような、ワークフローをAI化させるためのツールも発展してきておりますが、やはり他のツールと比べると、導入のハードルが高い側面がありました。
ただ、Google上の様々なサービスでAIを活用できるということは、簡易的なワークフローを実質的に作っているのに近いのではないかと考えています。
これは、ワークフローを意識せずに「ワークフロー化」できる感じですね。
つまり、各所で作ったものを召喚していたら、自然にワークフロー化できる非常に強力な例なのではないかと思っています。
この変化によって、今のNotebookLMやカスタムAI自体の価値も跳ね上がっていきます。現状のうちにそれぞれを使い込んで仕込んでおくことで、それぞれのワークフローの中に組み込めるようになったときの強さを発揮するんじゃないかなと思っています。
読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!
ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。
<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。
現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任
