太陽の光を「電気」ではなく「分子」にためる技術――MOSTとは?
今日Xに掲載された日経の記事、
太陽熱を貯蔵し再利用、米大などが新たな分子技術 蓄電池上回る効率https://t.co/eGn2eNGqTd
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 5, 2026
太陽熱を貯蔵し再利用、米大などが新たな分子技術 蓄電池上回る効率—nikkei.com, #ymd20260505
深掘りしてみました #MinrvaEye #GreenPost5
太陽の光を「電気」ではなく「分子」にためる技術――MOSTとは?
太陽の光を「電気」ではなく「分子」にためる技術――それがMOSTです。
再エネの弱点である“夜”を越える、新しい蓄エネルギーの形が、いま急速に動き始めています。
■ MOST は、光を「分子の形」に変えて保存する
再生可能エネルギーの最大の問題は「時間」です。
昼に発電し、夜に使う。その間をどうつなぐか。
現在の主役は蓄電池ですが、
MOST(Molecular Solar Thermal Energy Storage)はまったく違う方法をとります。
👉 光を「分子の形」に変えて保存する。
これは、エネルギーの扱い方そのものを変える技術です。
■ MOSTとは?
MOST(Molecular Solar Thermal Energy Storage)とは
・太陽光エネルギーを
・分子の構造変化として保存し
・必要なときに熱として取り出す技術
光を受けた分子は、
「低エネルギー状態 → 高エネルギー状態」に変形し、
そのまま長期間エネルギーを保持します。
■ 歴史
・1970年代:概念誕生(オイルショック後)
・2000年代:有機分子の研究進展
・2010年代:実験系での安定化
・2020年代:実用化を意識した材料開発へ
👉 約50年かけて、基礎研究から応用段階へ移行
■ 2026年の研究成果
2026年、MOSTは明確に次の段階に入りました。
① エネルギー密度が大きく向上
最新研究では
・約1.6 MJ/kg
・リチウムイオン電池の約2倍
という値が報告されています。
⸻
② 数年単位で保存可能
新しい分子では
・最大3年間保存
・ほぼ損失なし
という性能が確認されています。
👉 これは「季節をまたぐ蓄エネルギー」に直結
⸻
③ “液体で太陽をためる”段階へ
最近のブレイクスルーはここです。
・液体中の分子に光を吸収
・そのまま保存
・必要時に触媒で熱放出
👉 “太陽をボトルに入れる”技術へ
⸻
④ 電池を使わない蓄エネルギー
MOSTは電気を経由しません。
・光 → 分子 → 熱(直接)
👉 変換ロスが少ない
👉 特に「熱用途」に強い
(暖房・給湯・工業熱)
■ 限界と課題
まだ越えていない壁もはっきりしています。
● ① 太陽光の吸収効率
・紫外域中心
・可視光の利用が不十分
⸻
● ② システム化の難しさ
・分子単体は成立
・装置化が未成熟
⸻
● ③ エネルギーの使い道
・基本は「熱」
・電気用途には変換が必要
⸻
● ④ コストと耐久性
・材料コスト
・長期サイクル劣化
⸻
■ 可能性
それでも、MOSTが注目される理由は明確です。
● 熱需要に直結
世界のエネルギー需要の約半分は「熱」
👉 電池では遠回り
👉 MOSTは直球
⸻
● 長期保存が可能
・日単位 → 季節単位へ
👉 再エネの最大弱点を突破
⸻
● 分散型エネルギーに適合
・小規模
・ローカル
・低インフラ
■ どれくらいで実用化?
現状の見通し:
● 短期(〜5年)
・研究室 → プロトタイプ
・建物用の小規模応用
● 中期(5〜15年)
・住宅用熱システム
・地域分散型エネルギー
● 長期(15年以上)
・産業熱
・エネルギーインフラの一部
■ まとめ
MOSTは、
・電気に変えない
・分子にためる
・熱として使う
という、
エネルギーの流れそのものを変える技術です。
太陽光発電+蓄電池という現在の主流に対して、
👉 もう一つのルート
👉 もう一つの文明の回路
が、ようやく見え始めています。
MOSTは「電池の代替」ではなく
熱エネルギーの主役候補なのです。
■さらに深掘りしたい方は、こちらをご覧ください。
以下をご覧ください

