配線材で音は変わらない?そう思っていた僕が少しだけ考えを変えた話
配線材で音は変わらない。
正直、昔はちょっとそう思っていました。
銅は銅でしょう、と。
純度が高いほうが良いに決まっているし、
情報量が多いほうが正義なんじゃないか、と。
実際、ロレッタ(Squier SST-35 A serial)は古河のPCOCCで配線してもらっています。
フリーダムカスタムギターリサーチで施工してもらった一本です。
解像度があって、立ち上がりが速くて、整理された音がします。
あれはあれで本当に良い音です。
でも。
イザベル(History GH-SV/C)は違う方向に行きました。
十重二十重さんで、コンデンサ交換と同時に
50年代のALPHA配線材を入れてもらいました。
そのとき、正直そこまで期待していなかったんです。
コンデンサの影響のほうが大きいだろう、と。
ところが。
鳴らした瞬間に「あれ?」となりました。
ストラトっぽさが増した、というか。
いわゆる“枯れた音”になったんです。
ハイは出ているのに痛くない。
コードを鳴らすと空間ができる。
ピッキングに対して、変な強調がない。
音が素直に返ってくる。
解像度で言えば、たぶんPCOCCのほうが上なんだと思います。
50年代の線材ですから、不純物だってあるでしょうし、
結晶構造だって現代の高純度銅には敵わないはずです。
でも。
音楽としては、イザベルのほうが勝っている気がしました。
情報量は少し削れているのかもしれません。
でも、その分、音がまとまる。
アンサンブルの中に自然に溶ける。
クリーンで弾いていて、時間が伸びる。
「ああ、これでいい」
と思える音になりました。
配線材が魔法だとは思っていません。
実際、コンデンサも変えていますし、
施工の丁寧さや全体のバランスも大きいでしょう。
たぶん、配線材単体の話ではないんです。
“思想が揃った”んだと思います。
アルダー、アルニコ5、Spragueの0.1μF、
50年代系の配線材。
全体が同じ方向を向いたとき、
楽器はちゃんと応えてくれる。
そんな感覚でした。
ちなみに、僕が使った50年代ALPHAの配線材は、もう売り切れています。
一期一会です。
でも大事なのは、同じ型番を探すことじゃないと思っています。
配線材を変える、という発想。
楽器を“育てる”という視点。
そこに意味がある。
ギターは、買って終わりではない。
少しずつ手を入れて、
自分の耳で確かめて、
自分の音に近づけていくものなんだと思います。
解像度が高いほうが正しい。
そういう価値観もあります。
でも僕は今回、
枯れていて、素直で、本当に使える音を選びました。
そして今のイザベルは、
レコーディングするとしても、そのまま出せます。
もう十分です。
……と言いつつ、ALPHAはストックしてあるんですけどね。
人間は欲深いものです。
もし自分で挑戦するなら、
はんだやポット、スイッチはちゃんとしたものを選んだほうがいいです。
僕が使うならこのあたりです。
・Kester 44 はんだ
・白光 FX-600
・CTS 250kΩ ポット
・CRL 5Way スイッチ
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