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【その2】 レコード・コレクターズのジャズ/フュージョン・ギター名演に、物申す。 「あの名演を忘れるな!!」という喝シリーズの続編。

大変お待たせいたしました!
前置きが長くなりましたが、やっと本題に入ります。

音楽雑誌「レコードコレクターズ2025年7月号」での特集「ジャズ/フュージョン・ギターの名演 洋楽編」に、「なぜあの名演が入ってないの?」「あの名演を忘れちゃダメでしょ」という強い想いから、今回は、ジャズ/フュージョン・ギター史において、絶対に入れるべき名演、絶対に聴くべき名演を、アップしていきたいと思います。


その前に、
しつこいようですが、あともう1点間違いを見つけちゃいましたので、少し記事を引用させていただき、間違いを指摘したいと思います。

29ページの前書きの部分で、

サックス、トランペットなどの管楽器やピアノが花形といえるジャズ/フュージョン

レコードコレクターズ2025年7月号から引用

という文章がありましたが、これも間違いです。
前回から何度も言ってるように、70~80年代のフュージョン期は、紛れもなくギターが主役、ギターが花形でしたよね。この時期、誰がどう見てもジャズに勢いをつけたのは、ジャズギタリストたちです。後にも先にも、これほどジャズが売れまくった時代はないし、これほどジャズのファン層の幅が広かった時代はないのです。まさに、これが「ギターがジャズの主役になった時代=ジャズ黄金時代」なのです。



…ということで、本題に入ります!

「ジャズ/フュージョン・ギターの名演 洋楽編」に、

レココレさんが選ばなかった?、見落とした??

「絶対に入れるべき名演」、「絶対に聴くべき名演」の発表です!






まず先陣を切るのはこちら!!


この名演を忘れてどうする?!という、ジャズ史どころか、全ギター音楽史に残る名演!

Al Di Meola, John McLaughlin, Paco De Lucia / Friday Night In San Francisco

Mediterranean Sundance (地中海の舞踏)

この名演を忘れてどうする?というくらい、名曲「地中海の舞踏」は、ジャズギター史どころか全ギター音楽史にとって最重要曲と言っても良い名演中の名演だ。ギター少年のみならず、プロの凄腕ロックギタリストでさえも、この超絶テクニックには度肝を抜かれたことだろう。ジャズ史において、これほどワクワクゾクゾクする強烈なインプロヴィゼーションの異種格闘技セッションを、歴史上、他の楽器で聴いたことあるだろうか?全楽器において、全ジャンルにおいても、ジャズギター最強説が、この演奏で証明されたのではないだろうか。






その2!! 


ジャズ史上最高のツインギターグループの名演!

Stuff / Stuff

Foots

まさに1976年発表という、ジャズ黄金期を代表する名演。エリックゲイル、コーネルデュプリーという2人のギタリストの他、超一流セッションマンが集結したスーパーグループの記念すべきデビューアルバムから。
この2人は数々の超ド級の歴史的名盤に参加してきただけあって、常に高水準で抜群の安定感は、承知の通り。ですが、さらに、いつものソロ活動よりも、ツインの時の方が、気合いが違う気もするし、トーンも艶があってイキイキしていて、より好フレーズが連発してるように感じるのは気のせいだろうか。
同曲は、映像も残ってるので、2人の個性豊かなギター演奏を、じっくりと目と耳で堪能していただきたい。






その3!! 


ジャズ史上最高の天才による、ほんの氷山の一角

Pat Metheny Group / Letter From Home

Have You Heard

全世界のギタリスト総人口数から見れば、サックス奏者や、トランペット奏者や、ピアノ奏者も、ほんの微々たるもの。これだけのギター人口があれば、そりゃマイルスやコルトレーンを超える天才が一人や二人出てきたって不思議ではない。
ギター好きが選ぶ「歴史上最も偉大なギタリスト」ランキングでは、あのウェスモンゴメリーを抑え、全ジャンルにおいて第4位に選ばれたパットメセニ-。20度のグラミー受賞歴を誇る現代ジャズの中心人物。かつてメセニーは「ジャズにおける唯一の伝統は、常に新しいものを取り入れて進化し続けてきたこと」と語ったように、決して先人たちが作った道筋をただなぞることが伝統ではなく、常に挑戦し続けるその姿勢が、結局はジャズの歴史を変え、音楽の歴史を変えてきたのだと証明してくれた。






その4!! 


これが入ってないのもヤバいだろ!ジェフベックも度肝を抜かれた衝撃の名演!

Mahavishnu Orchestra / Birds Of Fire

Birds Of Fire

ジャズ界のみならずロック界にも革命をもたらしたギタリスト、ジョンマクラフリン率いるマハビシュヌオーケストラの代表的名演。言うまでもなくジャズ史上最強バンドの圧巻の演奏は、全世界のギター小僧を驚かせ、日本でも大ヒットを記録し、ここからジャズに興味を持ったギター少年も少なくないだろう。変拍子も、ユニゾンも、速弾きも、難なくこなしてしまう超絶テクに脱帽するしかない。そして何より、永遠のギター少年であるジェフベックにも多大な影響を与え、あの「Blow by Blow」を作らせたのだから、マハヴィシュの存在とその功績は、全ギター史にとっても重要な出来事と言えるだろう。






その5!!


数あるギターデュオの完成形

Sylvain Luc, Bireli Lagrene / Duet

Isn't She Lovely

ビレリラグレーンとシルヴァンリュックという2人の超絶ギタリストによるギターデュオ名演。スティービーワンダーのお馴染みの名曲カバーで、数あるカバーの中でもベストの出来。
誤解を恐れずに言えば、間違いなくモダンジャズ時代には、こんなジャズギター演奏は存在しなかったし、彼らのレベルに達するギタリストも存在しなかった。技術のみならず、テーマやソロの歌い回しの幅広さ、もはやピアノでは再現不可能なバッキングのアイディアと豊富なリズムのボキャブラリーなど、数あるアコースティックギターデュオの完成形とも言える歴史的名演だ。この演奏を元ネタに、今や世界各地でギタージャムセッションの定番になっている。






その6!!


アコギジャズの新時代を切り開いた革命児

Ralph Towner / ANA

Green And Golden

ECM3大ギタリストの一人、ラルフタウナーの代表曲。ビルエバンス研究家としても知られる通り、斬新なハーモニーを駆使し、アコギジャズ(クラシックギター使用だがあえてアコギと呼ぶ)の新時代を切り開いた。アコギジャズといえば、先人にチャーリーバードやアールクルー等がいるが、その路線とは、全く別の方法論で革命を起こした。バップ的語法をほとんど感じさせない、クラシックギタースタイルならではの開放弦を多用し、その開放弦を交えたフレーズをアドリブとして独自にパターン化。これは、今までのジャズギターのスタイルでは見受けられなかった唯一無二のスタイルだろう。






その7!!


過小評価すぎるだろ!いつになったら時代は追いつくのか??

Terje Rypdal / Miroslav Vitous / Jack DeJohnette

Sunrise

彼もまたラルフタウナー同様に過小評価のギタリストで、もっとジャズ史において評価されて然るべき革命的ギタリストの一人。もちろんバップ的語法は皆無に等しく、ましてや、お約束のテーマも、練習帳から借りてきたフレーズパターン集も、ここにはない。ディジョネットのドラムンベースばりのシンバルレガート、ヴィトウスの弓弾き、空間を彷徨うテリエの幻想的な浮遊系ギターサウンド… ここにあるのは3者の個性のぶつかり合い、すなわち本気の即興演奏だ。次に何が出てくるかわからない緊張感に満ち溢れたインプロヴィゼーションの駆け引き。これこそが本来ジャズのあるべき姿ではないだろうか?






その8!!


僕の音楽はジャズであるけど、リスナーにそうとは気づかれていない

Allan Holdsworth / Secrets

City Nights

かつてエディヴァンヘイレンやフランクザッパが賞賛したように、世界トップギタリストたちが認めた、まさにミュージシャンズミュージシャンの最高峰、アランホールズワース。かつてインタビューで「僕の音楽はジャズであるけど、リスナーにそうとは気づかれていない」と語った通り、時代が追いつくまで時間がかかった。ある意味、早すぎたジャズギタリストと呼びたい。猛烈なアウトフレーズの洪水は、まさに現代ジャズハーモニーそのもの。生前最後に共演したのが、現代ジャズの皇帝カートローゼンウィンケルだったのも感慨深い。






その9!!


カート以前カート以降

Kurt Rosenwinkel / The Next Step

Zhivago

あのエリッククラプトンも大ファンだという、現代ジャズの皇帝こと、カートローゼンウィンケル。カート以前カート以降と語られるように、90年代以降のジャズギターを目指した人なら、きっと誰もが一度はカートのフレーズをコピーし、彼のサウンドや音色を真似し、エフェクターボードもチェックしただろう。何ならカート自身になりたかったくらい、みんな憧れたギタリストだ。そういう意味では、パットメセニー以降、最大のギターヒーローと言っていいだろう。「Zhivago」は、ライブの定番としては勿論、カートが何度も再録音を繰り返した代表的な名曲で、その中でも今回は2001年録音の初演を。






その10!!

まさに天上のセッション。2人の神様による夢の共演

Chet Atkins & Les Paul / Chester & Lester

It's Been A Long Time

1977年ジョージベンソン(76年発表作)がグラミー受賞した同年に、本作品もグラミーを受賞している。しかも2作品ともインスト部門でないところが、いかにこの時期のギターアルバムが盛り上がっていたかを物語っているだろう。
ギブソンレスポールの生みの親で、偉大な発明家でもある伝説のギタリスト、レスポール、そしてギターをポピュラー楽器として世界に広めた第一人者、チェットアトキンス。その2人のギターの神による夢の共演。リラックスムードたっぷりのギターソロ、合いの手を入れるお互いのふところの深さ。ギターはこう弾くべきと教えてくれているようなギターデュオの名演中の名演。






いかがでしたでしょうか。

レココレさんが、選ばなかった?、見落とした?「絶対に入れるべき名演」、「絶対に聴くべき名演」10選でした。

これらの名演は、ギター枠でなくても、ジャズ全体で考えても充分に歴史に残る名演だと思います。いや、ギター音楽史の中でもトップクラスの名演でしょう。

今回、一番言いたかったことは、ジャズ史においてギターという楽器の立ち位置の重要性、ギターがジャズの歴史を変えたという事実、そしてフュージョンは70~80年代のメインストリームのジャズであるという事実を、まずはメディア側がしっかりと理解すべきと強く思います。

評論家の都合の良いように音楽の歴史を捻じ曲げてはいけません。誠実に、忠実に、真実を語りましょう。が、愛読書レココレさんへの願いです。

ご覧いただき、ありがとうございました!!


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