2026年1月 副住職だより【人生の物語】
先日、NHKで放映された番組内で、ノンフィクション作家の柳田邦男さんが語られた「いのちとは物語である」という言葉が、深く心に響きました。
人生の楽しい思い出や辛かった経験、誰かとの出会いや別れ。それら一つひとつのエピソードが積み重なり、今の「わたし」という物語が編まれています。そう考えると、人生の終盤とはその物語の「最終章」を丁寧に歩む時間と言えるのではないでしょうか。
では、人生という物語を最後まで自分らしく生き抜くためには、どうすればよいのでしょうか。阿弥陀如来様は、自らの力だけではどうすることもできない、苦しみを抱える私に「弥陀弘誓の船のみぞ、のせてかならずわたしける」というご和讃にも示されている通り、無上のはたらきをかけて下さっているのです。
ですから、たとえ「自分の人生の物語は未完成だ」と不安が生じたり、悔やんだりすることがあっても、阿弥陀様の眼から見れば、その人生は一分一秒、そのままで尊き物語であり、物語の最後の一頁を書き終えるとき、私たちは一人ではなく、阿弥陀様のおはたらきによって、お浄土へと往き生まれさせていただくのです。
仏様の大いなるお慈悲に抱かれていることを支えに、私もまた目の前の方や出来事に対して真摯に向き合いながら、人生という物語を最後まで歩んでいきたいと思います。
いいなと思ったら応援しよう!
サポート頂きましたお布施は全てみ教えををお伝えするための、日々のお寺の活動に還元させて頂きます。