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『東印度演義』前口上——人が構想し、AIが語る、東インド会社二百年戦記——

そもそも創作の大勢は、鎖せば必ず開かれ、開かれればまた新たなる法を求む。

古来、物語は人の口に生まれ、筆に移り、版木に刻まれ、活字となり、ついには電脳の海を渡るに至れり。
されど、その器いかに変われども、物語を呼び出すものは、つねに人の問いなり。

今や人工知能なる新しき語り部、世に現れたり。
筆を執らずして文を成し、旅せずして万国を語り、眠らずして長き物語を紡ぐ。
これを怪しむ者あり。
これを軽んずる者あり。
あるいは盗作と呼び、あるいは創作と呼ぶ者もあらん。

本文の著作権、いずこまで認めらるべきか。
それは、これより先の時代が定めるところなり。

されど、ひとつ明らかなることあり。
東インド会社二百年の興亡を、『三国志演義』の体に移し、全百二十回の骨格を立て、人工知能に語らしむる。
この企ては、まぎれもなく筆者のものなり。

本書『東印度演義』は、人が構想し、AIが語る。
権利を囲い、蔵に納めんがためにあらず。
新しき時代の海図を、まず一枚、世に放たんがためなり。

早くこれに気づく者は、この海図を手に取られよ。
遅れて来たる者もまた、やがて同じ海へ漕ぎ出すであろう。

さて、東西の海に風は起こりぬ。
香料の富、会社の覇、帝国の興亡、義と利の相剋、そして時代の変わり目。
その顛末、これより百二十回に分かちて語り申す。


この作品について

『東印度演義』は、東インド会社の歴史を『三国志演義』の形式で物語化する試みです。

舞台となるのは、一六世紀末から一八世紀末にかけてのアジアの海。
ポルトガル、オランダ、イギリス、フランス、ムガル帝国、徳川日本、台湾、ジャワ、ベンガル、マイソールなど、さまざまな勢力が交錯します。

中心にあるのは、オランダ東インド会社とイギリス東インド会社です。

これは単なる企業の物語ではありません。
国家ではないはずの「会社」が、やがて国家のように振る舞い、戦争をし、領土を支配し、帝国を築いていく物語です。

全体は五部構成、全百二十回。

第一部「香料乱世」
第二部「安汶の変」
第三部「二虎競食」
第四部「黄金の翳り」
第五部「天下帰一」

史実の骨格はできるだけ動かさず、その上に『演義』の語りを重ねていきます。
筆者が行ったのは企画のみ。構成、人物配置、全百二十回の骨格および本文はAIが生成したものを、原則としてそのまま掲載します。

これは、AIに小説を書かせるというよりも、
人間が構想し、AIが語る、新しい物語生成の実験です。


次回予告

次回、第一回。

物語は、一人の男がポルトガル領インドより帰国するところから始まります。

その男の名は、ヤン・ハイゲン・ファン・リンスホーテン。
彼が持ち帰った航路の知識は、閉ざされていた東方の海を開き、ヨーロッパ諸国を香料の海へと駆り立てることになります。

老いたるポルトガル海上帝国の鎖は、ここに初めて綻びます。

次回、

第1回 水路誌一巻南海を開き 老帝国の鎖初めて綻ぶ

さて、一巻の書より起こる大海の波、いかなる乱世を呼び寄せるか。
次回を待たれよ。


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井ノ上裕之 感じるままに。