思考はどうか?AIに診断士2次試験を解かせてみた|AIは経営を代替できるのか 第2話
では思考はどうか?
1次試験では、(少なくともChatGPTとClaudeは)合格水準を大きく超える得点を叩き出しました。
「知識」という点では、人間はすでに優位とは言えないかもしれません。
もし、コンサルタントの仕事が「知っていること」を武器にしているだけなら、その未来は厳しいものになるでしょう。
では、「思考」はどうでしょうか。
中小企業診断士第2次試験は、単なる知識確認ではありません。
与件文から本質的な課題を見抜き、制約条件の中で助言を組み立てる。
いわば「意思決定設計力」を測る試験です。
今回は、この2次試験問題を複数のAIに解かせてみました。
1次は“知識”、2次は“思考”
中小企業診断士第2次試験は、1次試験の延長ではありません。
1次が「知識を正しく思い出せるか」を問う試験だとすれば、2次が測るのは「どう考え、どう助言を組み立てるか」です。
与件文という限られた情報から課題を定義し、因果関係を整理し、制約条件(文字数、経営資源、与件外情報の禁止)の中で“妥当な答え”を作る。
しかも、それは単なる文章の上手さではなく、社長の意思決定を支える助言になっている必要があります。
つまり2次試験とは、不完全な情報下で、現実の制約を踏まえながら、経営者にとって実行可能な打ち手を設計する力を測る試験だと言えます。
では、AIはこの領域でも人間に並べるのでしょうか。
中小企業診断士第2次試験は何を測っているのか
では、その力をもう少し分解してみましょう。2次試験で問われている能力は、大きく五つに整理できます。
第一に、問題定義力。与件文のどこを本質的な課題と捉えるかという視点です。同じ文章を読んでも、何を「問題」と見るかで答案の方向性は変わります。
第二に、因果構造化力。強み・弱み・環境要因を論理的につなぎ、「なぜその施策なのか」を一貫して説明できるかどうか。
第三に、制約適応力。文字数制限や経営資源の限界といった条件の中で、現実的な解を導けるか。
第四に、実行可能性設計力。理想論ではなく、その企業が実際に動ける打ち手になっているか。
そして第五に、経営者視点。冷静な分析だけでなく、社長が腹落ちし、組織が動く提案になっているかどうか。
2次試験は、これらを総合的に問う「意思決定設計力」の試験なのです。
AIに実際に解かせてみた
実際の2次試験問題を、同一条件で各AIに提示しました。
追加の補足情報は与えず、最終答案のみを評価対象としています。
結果は次の通りです。

・実際の令和7年度の中小企業診断士試験問題(PDF形式)を同一条件で各AIに読み込ませ、追加の補足説明を与えずに解答させました。なお、図表の読み取り精度はPDF処理能力に依存する可能性があります。
・解答にいたる途中経過の説明や解説は省き、解答のみ出力しました。
・採点は、予備校の模範解答を参考に筆者(元予備校講師)の基準により採点しました。
・ChatGPTは、文字数制限のある問題に関して、より簡潔に解答しようとする傾向があり、制限の6割程度の文字数で解答することが多くありました
いずれのAIも総得点での合格ラインである240点には一歩届きませんでした。
しかし、いずれも解答した問題に関しては、一定水準以上の答案を提出しています。
「全く通用しない」という印象ではありませんでした。
AIの強さ
まず認めるべきは、AIの強さです。
第一に、処理速度。
膨大な与件文を瞬時に整理し、構造化します。3つのAIとも、事例1つを1分から3分で解答しました。驚異的なスピードです。
第二に、論理の安定性。
設問要求を外さず、因果関係も破綻しません。解答文の論理は一貫しており、ブレがありません。
第三に、計算精度。
事例Ⅳの財務問題の計算経過の記述においても、複雑な計算をミスなく正確に解答しました。
少なくとも、知識量や計算力という領域では、人間は優位とは言えません。
しかし、点数だけを見ると、Claudeが233点と最も高く、合格点240点に迫りましたが、いずれのAIも最終的には合格水準には届きませんでした。
では、なぜ合格点には届かなかったのでしょうか。
決定的な差は「文脈への最適化」
答案を読み込んでいくと、共通する特徴が見えてきました。
それは「抽象性」です。
どの答案も、一般論としては正しい。
論理も整っている。
しかし、どこか物足りない。
その理由は明確でした。
“この企業の話になりきっていない”のです。
2次試験は、正解を当てる試験ではありません。
求められているのは、「この企業なら、こう動くべきだ」と言い切れる助言です。
与件文には、その企業固有の強み、弱み、歴史、組織文化が散りばめられています。
人間の受験生は、そこに強く執着します。
一方、AIの解答は「多くの企業に当てはまる正しい答え」に収束しがちでした。
AIは「正しいこと」を言います。
しかし、経営に必要なのは「この会社にとって意味のあること」です。
この差は小さいようで、大きいです。
さらに、設問間の一貫したストーリーにも課題が見られました。
第1問で提示された課題が、第3問・第4問で回収されないケースも見られました。
局所的には正しくても、全体として一つの経営ストーリー、すなわち企業全体の未来像を貫く「一本の物語」になっていないのです。
2次試験が測っているのは、部分最適ではなく、全体図を描く力なのです。
AIは参謀になれるか
今回の検証で分かったことは二つあります。
一つは、AIはすでに高度な分析能力を持っているということ。
もう一つは、文脈に深く入り込み、企業固有の意思決定を設計する段階には、まだ至っていないということです。
AIは強力な参謀にはなれる。
しかし、最終的に経営を設計する存在にはなりきれていない。
少なくとも、現時点ではそう感じました。
では、もしAIがここまで進化しているとすれば、私たちは何を磨くべきなのでしょうか。
次回の記事で掘り下げます。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
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AIの全体像をつかむヒントになると思いますので、ぜひご覧ください。
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免責事項
・本記事は生成AI(ChatGPT等)を活用して執筆しています。内容の正確性・最新性には十分配慮しておりますが、誤りや古い情報が含まれる場合があります。ご利用・ご判断はご自身の責任でお願いいたします。万一、著作権等に問題がある場合はご連絡ください。
