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51年目の自分イメージ戦略

50歳を過ぎて、それなりの月日を経たある日、ふと立ち止まって考えるようになりました。「自分は、これから先、どんな人として仕事をしていくのだろうか」と。

キャリアについては、それなりに考えてきたつもりです。技術のこと、組織のこと、役割のこと。その一方で、「自分自身のイメージ」については、どこか後回しにしてきたように思います。若い頃は、目の前の仕事をこなすことに必死でしたし、ある程度の年齢になってからは、「いまさら自分をどう見せるかを考えるのも気恥ずかしい」という気持ちもありました。

しかし、51年目を迎えようとしているいま、遅まきながら気づきました。セルフブランディングを、きちんと考えたほうがいいのではないか、と。

ここでいうセルフブランディングは、キラキラした成功者のように見せることでもなければ、自己主張を強めて目立つことでもありません。ましてや、異性にモテたいとか、若く見られたいという話でもありません。そもそも私は既婚者ですし、その方面で何かを狙っているわけではありません。

私が考え始めたのは、自分の「見た目」と「中身」を、なるべく揃えていくということです。



自分の見た目と中身を揃えていきたい

私はセキュリティエンジニアとして仕事をしています。営業フロントに立つ役割ではありませんが、技術の話だけをしていればいい立場でもありません。プロダクトと組織の間を行き来しながら、技術を理解したうえで判断をしたり、助言をしたりすることが求められています。

この立ち位置は、言葉で説明すれば理解してもらえるのですが、毎回説明するのはそれなりにコストがかかります。また、説明が足りないと、期待値のズレが生じ、そのズレが摩耗につながることもあります。

見た目と中身が噛み合っていないと、「思っていた人と違った」というズレが起きやすくなります。これは、お互いにとって不幸です。だからこそ、見た目の段階で、ある程度「こういう人です」というイメージが伝わるほうが、説明コストも摩耗も減らせるのではないかと考えるようになりました。

ここ数ヶ月、意図的にスーツを着る機会を増やしています。カジュアルな服装が悪いわけではありませんが、私自身はスーツが好きですし、いまの自分の立ち位置や仕事の仕方にも合っていると感じています。最近では、「スーツを着る人」というキャラクターが、少しずつ定着してきたようにも感じています。

もしこの路線を進めるのであれば、次の一手として、メガネを使ってみるのも一つの方法ではないか。そう考えるようになりました。メガネそのものが主役なのではなく、あくまで「内面と外見のイメージを揃えるための道具」としてです。

大事なことなので繰り返すのですが、私が目指しているのは、モテることではありません。他人の評価をゴールにすることでもありません。スーツと、少しだけ個性のあるメガネというスタイルを使って、「話しかけやすいが、雑には扱えない」という、ちょうどいい「壁」を作りたいのです。その「壁」があることで、過度な期待や誤解を防ぎ、静かな信頼を少しずつ積みあげていければと思っています。

人からどう見られるか、という点についても、無理に拒否するつもりはありません。たとえば、「イギリスの紳士っぽい」という評価をいただくことがあります。正直に言えば、うれしいですし、そのイメージが自分の中身と大きくズレていないのであれば、ありがたく使わせてもらえばいいと思っています。

品格や清潔感を意識し、誠実さと自信を持ち、紳士的で、相手へのリスペクトを欠かさない人物として見られたい。そして、そうありたい。それは、見せかけの話ではなく、自分自身に課したい姿勢でもあります。

セルフブランディングを考えはじめたきっかけ

セルフブランディングを考えはじめたきっかけは、きのう少し書いたのですが、私とほぼ同じ仕事をされている方のセルフブランディングについて知る機会があったことでした。

最近になって、技術系勉強会に足を運ぶ中で、印象に残る話を伺う機会がありました。とあるベンチャー企業のセキュリティエンジニアの方が、社内での認知度を高めていくために、どのようなセルフブランディングを意識しているか、という話です。
その話を聞いて感じたのは、自分をブランディングしていくことは、派手な自己主張ではなく、専門性や立ち振る舞いを通じて「この人はこういう人だ」という共通理解を、時間をかけて作っていく営みなのだ、ということでした。そして、私がやりたくなったことは、その方のやり方を表面的に真似することではなく、私自身のイメージを形作っていくための、ビジュアルとしての戦略と戦術を考えていくことでした。
ここ数ヶ月ほどで、スーツを着る機会が増え、「スーツを着る人」というキャラクターが、少しずつ定着してきたように感じています。もしその路線を進めるのであれば、次の一手として、メガネを取り入れることも考えています。

『きのうのつづきからはじめる、2026年』

専門性や立ち振る舞い、日々の積み重ねを通じて、「この人はこういう人だ」という共通理解を、時間をかけて作っていく。この話を聞いて、セルフブランディングとは、決して自己アピール大会ではないのだと腑に落ちました。

そして私がやりたくなったのは、その方のやり方を表面的に真似することではありません。自分自身のイメージを形作っていくために、ビジュアルとして何ができるのかを、きちんと考えてみたいと思ったのです。

いまの自分を、できる限り冷静に見てみる。50歳、白髪も目立ってきました。セキュリティエンジニアで、勉強会にはよく顔を出すけれど、登壇は多くありません。いわゆる「前に出る人」ではないけれど、「話すとちゃんとしている人」でありたい。

そう考えたとき、メガネという存在が、一つの選択肢として浮かび上がってきました。

「ちゃんと好きなものを選び、ちゃんと責任を取る人」という像

私が今回のイメージ戦略で大切にしたいのは、「嘘がないこと」です。

スーツが好きなことは、隠しません。

音楽の趣味が、やや都会的な方向に寄っていることも、ほんの少しだけ滲ませたいと思っています。

メガネを使うとしても、それは目立ちたいからではありません。

重要なのは、チャレンジングではあるけれど、自分が無理なく保てるイメージを作ることです。そして、そのイメージに自分自身が追いついていくことです。

参考にしているのは、m-floや横山剣さんのようなミュージシャンです。彼らは、派手ではありますが、同時に「自分の選択に責任を取っている人」に見えます。好きなものを選び、その結果としてのスタイルを、自然体で背負っている。その姿勢に、強さと品を感じます。

以上までをふまえたうえで、私自身が整理した「誰にどう見られたいか」という像を、ひとまずまとめてみました。

50歳で、白髪もあり、セキュリティエンジニア。営業フロントではないが、技術と組織を跨ぐ立場にいる。勉強会にはよく顔を出し、発表は少なめ。「あの人、いつもいるよね」「話すとちゃんとしてる人」と言われる枠。

目立ちたいわけではありません。目指しているのは、「静かに目立つ」「説明不要で記憶に残る」という状態です。

そのためのキーフレーズが、「クラシックを土台に、都会的なズレを一点だけ入れる」です。ベースは保守的でも構いません。むしろ、そのほうが安心感があります。そのうえで、ほんの少しだけズレを入れる。そのズレが、「この人は考えて選んでいる」という印象につながればいいのです。

51年目の自分イメージ戦略として

以上のような考えのもと、私は「51年目の自分イメージ戦略」を、静かに始めていこうと思っています。

これは、成功者を演じるための戦略ではありません。そのように見せたいわけではありません。なんであれ、自分をキラキラしている人物に見せかけたいわけでもありません。

それなりの経験とスキルを持つ、等身大の自分として、これからのキャリアを再構築していく。そのために、自分の強みを明確にし、人生後半の選択肢を少しでも広げていく。その一環としてのセルフブランディングです。

見た目と中身が揃っていれば、説明しなくていいことが増えます。無理に頑張らなくても、自然に振る舞えるようになります。自分自身に対する違和感も減ります。

ちなみに、この話を妻にしたところ、「いいと思うよ」と賛成してくれました。それだけでも、十分に背中を押された気がしています。

51年目の私は、まだ何者でもありません。だからこそ、これからどう在るかを、自分で選び、引き受けていきたいと思っています。

このイメージ戦略が、どこまでうまくいくかは分かりません。途中で修正することもあるでしょう。それでも、自分の見た目と中身を、統一的に扱っていくという試み自体は、きっと無駄にはならないと信じています。

しばらく、この実験を続けてみようと思います。

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