【第四章】スノーボード、キャンプ、コーヒー ── BESSのログハウス暮らしに繋がっていた、僕の趣味という「取扱説明書」
前回の記事では、僕の心に残り今でも好きな2本の映画『人生フルーツ』と『リトル・フォレスト』から、これからの暮らしに向けた3つの指針を見出したお話をしました。
「今あるものを大切に、自分の手を動かして暮らしをつくること」
「自然や家族のバイオリズムに、自分を調和させること」
これらの指針は、これから始まる東京の西側の里山での暮らしに向けた、僕たち家族のロードマップです。
実は、この指針に辿り着いたあとに、僕がこれまで人生のなかで夢中になってきた「趣味」の歴史を改めて振り返ってみました。
僕が好きな3つの趣味。
歴の長い順に、スノーボード、キャンプ、そしてコーヒー。
なぜ、自分はこれらにそれほどまでのめり込んできたのか。
自分なりに紐解いてみると、そこには前回の記事で定めた指針と驚くほど深く重なり合う、僕という人間の生き方の「取扱説明書」が隠されていました。
スノーボード:
こうあるべきを壊し、地形(あるもの)を活かして遊ぶ

僕がスノーボードを始めたのは小学校6年生のときで、大学時代に深くのめり込みました。
振り返ると、僕は中学時代に生徒会や部活の副キャプテンを務め、高校は規律の厳しい地元の進学校に通っていました。
知らず知らずのうちに「こうあるべき」という四角い枠組みの中で、自分を当てはめて生活していた気がします。
それを気持ちよくぶち壊してくれたのが、スノーボードでした。
ゲレンデというフィールドには、正解がありません。どのラインをどう滑ろうが自由で、その滑り方(スタイル)にこそ、その人らしさが滲み出る。
そこにしかない自然の「地形」をどう使って遊ぶか。そんなことを考えながら滑っていると、自然と戯れている感覚になり、あらゆる縛りから心が解放されました。
また、大学時代に大阪のプロショップと出会ったことで、僕にとってスノーボードは単なる遊びから「ライフスタイル」へと変わっていきました。
ブランドが生まれた歴史やカルチャー、そのバックボーンに共感してモノを選ぶ。
そんな「ものさし」が自分の中にできたのも、この頃です。
自然の地形という「あるもの」を面白がり、そこに自分のスタイルを乗せていく。
あの時ゲレンデで感じていた解放感は、まさに僕のクリエイティビティの原点だったのだと思います。
そして、その場所、その瞬間でしか味わえない感動を「あのライン最高だったね!」と仲間と共有する興奮。それは、僕の原点になりました。
キャンプ:
自分の手を動かし、静かに余白を整える

20代前半、スノーボードができない夏の自然との遊び方として、親友の影響で始めたのがキャンプでした。
キャンプで僕が一番楽しいと感じるのは、初めて訪れる土地の景色を活かし、その地形に合わせて「自分たちのレイアウト」を考えてテントを設営する時間です。
寝床をつくり、料理をし、焚き火に火を灯す。用意された便利さに頼るのではなく、一つひとつの作業に向き合い、自分の手を動かしながら過ごす時間が、たまらなく心地いい。
そしてもうひとつ、僕には大好きな時間があります。
夜、みんなが寝静まったあとに、翌朝のためにゆっくりお酒を飲みながらサイトを片付ける時間。
そして翌朝、みんなが起きる前に目覚めてコーヒーを淹れ、起きてきた人に「おはよう」と手渡す時間。
「朝からみんなで美味しいものが楽しめるように」「気づかないうちに、場所が気持ちよく整っているように」。
誰かにアピールするわけではないけれど、その静かな「余白を整える時間」は、僕にとっては必要な時間と感じています。
コーヒー:
「自分」から「誰か」へ、循環のグラデーション

キャンプの朝に飲む一杯から始まったコーヒーの趣味は、当時彼女だった妻が「美味しい」と褒めてくれたことをきっかけに、少しずつ淹れ方にこだわるようになっていきました。
大きな転機は、3年ほど前。妻が自身が集めた服や雑貨のPOP-UPを出店する際、「隣でコーヒーを出してほしい」と頼まれたことでした。
まだ人に出せるレベルではないと躊躇しましたが、思い切って行動してみた。
その結果、目の前のお客さんが「美味しい」と喜んでくれたことに、僕自身が深く感動したのです。
その後、転職期間中には縁あって居酒屋の軒先をお借りして間借り出店をしたり、友人とPOP-UPを開催したりしました。
ただ自分で淹れて楽しむものだったコーヒーが、いつの間にか「誰かを喜ばせたい、温かい時間を共有したい」という想いへと変わっていきました。
自然に自分を合わせ、経験を共有するということ
こうして3つの趣味を振り返ってみると、僕の好きなことは、
* 自然の地形や環境に、自分を合わせて楽しむこと
* 自分の手を動かして、暮らしの空間をつくること
* 目立たないところで余白を整え、誰かと心地いい経験を共有すること
という、前回の記事で決めた「暮らしの指針」にそのまま直結していました。
僕の中で豊かさを外側へと広げていく「循環の輪」は、趣味を通じて少しずつ耕されてきたのだと思います。
100坪の土地に、BESSのログハウスを建てること。
それは僕にとって、これまでの人生で培ってきた「大好き」をすべて詰め込んで、毎日をキャンプのように、毎日をセッションのように暮らすための、必然の選択だったのかもしれません。
さて、僕がこのコーヒーという1杯の飲み物に感じているポジティブな可能性。
そして、これからこの100坪の拠点で、どんな「場所」をつくっていきたいか。
次回は、そのことについて詳しくお話ししたいと思います。
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もしあなたにも「これがずっと好きだったな」という趣味があれば、それは案外、これからの暮らし方のヒントを教えてくれているのかもしれません。よかったらコメントで教えてください。
同じようにBESSのログハウスでの暮らしを考えている方、すでに実践されている方がいたら、ぜひフォロー&繋がっていただけたら嬉しいです。
