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【#創作大賞2026】#10 更年期ファンタジー 聖ホルモーニア・クエスト ~お母さん、今日も転生したの?~

▶第1話から読む



こんにちは😀
異世界転生中のアザミです。


★前回までのおさらい★


賢者ヨシエから、初めてのクエスト『流行の迷宮タケ・ノ・ヤマ』への遠征を命じられました。

『流行の迷宮タケ・ノ・ヤマ』で、『聖なるランチ』を食べて、『潤い』を取り戻せ


と。


魔王エストロゲン・ロスのせいで、世界から『潤い』が奪われて乾燥肌になっているとかで、

『聖なるランチ』を食べると、私のお肌もモッチモチになるらしい。


モチモチお肌になるなら、食べないわけにはいかないわよね😀


というわけで、今日もピンクのパジャマ(聖なる防具らしいわ💗)で、アザミ異世界に出陣です!


第4話の②:アザミ、移動要塞『クル・リン』に乗る


『流行の迷宮タケ・ノ・ヤマ』

タケ・ノ・ヤマ……。


この名前、なんか聞き覚えがあるのよね。タケ・ノ・ヤマ……。


「ねえ、そのタケ・ノ・ヤマってのは、どこにあるの?」


行けと言われたものの、場所がわからない。この世界に詳しそうな素振りのヒエ子が、行き先を知っているのだろうか?


「……タケ・ノ・ヤマまで、およそ3キロメートル……」


「3キロ!?」


300メートル先のコンビニにだって車で行くのに!


「ねえ、まさか歩いていくとかじゃないわよね?」


自然と声が震える。
3キロも歩くなんて、もう10年以上記憶にない!


「何言っとりゃあす。ここは『ミドルの聖域カ・グーヤマ』だで、タケ・ノ・ヤマまで歩いて行けるわけにゃーがや!」


カ・グヤーマ??

「……カ・グーヤマ。……おしゃれなショップが多いけど、老眼によるカスミがひどいエリア」


ヒエ子が何やら失礼なことを言っている気がする。


私は、メモに『カ・グーヤマ』と書き──

「アッ! カグヤマって、香具山のこと?」

『香具山(かぐやま)』とは、私が住んでいる地域にある町の名前だ。


タケ・ノ・ヤマ。
これも『竹の山』という町がある。


「えっ、何? 香具山とか竹の山って、私が住んでる日進市のこと?」


「アザっち、今頃気づいた……そう、ここは聖ホルモーニア王国ニッシー・シ。

私たちが住んでいる日進市の、もうひとつの世界。


魔王エストロゲン・ロスは、ニッシー・シを根城にしている……」


「!!!」


衝撃すぎる真実に、私は思わずボールペンを落とした。


異世界は日進市。
日進市のもうひとつの世界。


そうか。


だからヨシエは、日進の方言で話すわけだ。


「おみゃーさんがた、何をゴチャゴチャ言っとるだ! はよ、タケ・ノ・ヤマへ行こうて!」

コテコテの日進弁で、ヨシエが言う。

「ほれ、もうちょっと待っとりゃあ、すぐあそこの停留所に『移動要塞クル・リン』が来るで。それ乗ってタケ・ノ・ヤマに行きゃー!」


クル・リン?
どこかで聞いたことがある響きだ。



言われるままに停留所で待っていると、遠くから「ポーン、ポン、ポーン……」と、緊張感の欠片もないメロディが聞こえてきた。



霧の向こうから現れたのは、色鮮やかで、見覚えのある──バス。



「あれって、現実の『くるりんばす』……」


街のあちこちを繋ぐ、日進市巡回バス。
その名も『くるりんばす』。


「……アザっち、静かに。……こっちでは『聖なる移動要塞クル・リン』


一度乗ると、魔王エストロゲン・ロスが仕掛けた猛烈な『眠りの呪い』が襲ってくる」


ヒエ子が震えながら警告してくる。


「……寝過ごすと、二度と出られない魔物屋敷『コメ・ノ・キ(米野木)』まで連れて行かれる。……絶対に、起きてて」


あまり行ったことがないので詳しくないが、日進市の米野木エリアは、ファミリー層に人気の、閑静なベッドタウンだった気がする。


異世界では、魔物屋敷のベッドタウンになっているのだろうか?


現実と異世界の事実が判明して、頭の中が混乱気味だったが、私はピンクのパジャマの襟を正し、ヒエ子の重い鎧を支えながら、移動要塞クル・リン(くるりんばす)へ乗り込んだ。


車内には、ヨシエと同じくらいの年配者たちが数人、ゆらゆらと首を揺らしながら眠りの魔法に抗っている。


「発車します」


移動要塞クル・リン(くるりんばす)の扉が閉まり、静かに走り出す。

(ああ、まずい……眠気が……)


移動要塞(バスだけどね)の心地よい揺れが、私のまぶたを重くする。


これは魔王エストロゲン・ロスの呪いか、それともただの連日のパートの疲れか。



目的地、タケ・ノ・ヤマまではあと数駅。


私はメモを開き、この衝撃の真実を書き留めることで、かろうじて意識を繋ぎ止めている。


(ああ、早く娘に言いたい……)


私が転生している異世界は、私たちの住む街のもうひとつの世界。


娘が知ったら、なんと言うだろうか……。



というわけで、異世界の移動手段は、まさかの「バス」でした。


『移動要塞クル・リン』の揺れがあまりにも心地よくて、うっかり寝過ごして米野木の魔物屋敷ベッドタウンに突っ込むところでした……。


次回の投稿では、いよいよ『タケ・ノ・ヤマ』の迷宮に潜入します!


竹の山(タケ・ノ・ヤマ)って、私が知る現実世界では、大学が多くて、ナウなヤングが集うオシャレ街なイメージなのよね。


オシャレなランチエリアっていうか。


聖なるランチって、オシャレなランチのことかしら?


そんなこんなが、次回で明らかになります😀


それでは、今日はこのへんで。


今から、現実の「くるりんばす」に揺られてパートへ行ってきます 😀 ミ☆


アザミ@異世界転生中
50歳パート主婦。ただいま異世界転生中😀


アザミっ娘@大学生:44分前
異世界がニッシー・シって、ウケるwwww
お母さん、よかったじゃん。
ニッシー・シなら土地勘あるし、
迷子にならなくてすむじゃんww

赤いきつね:30分前
アザミさん、こんにちは!
前回はコメントできなくてすみません。
ちょっと私も異世界でバタバタしていまして…。
アザミさんが転生された異世界は、知っている街のもうひとつの世界だったとのこと。
そういう転生もあるんですね……!
移動要塞、かっこいいですね!

アザミ@異世界転生中:6分前
赤いきつねさん、コメントありがとうございます😀
私もこんなことがあるなんて、びっくりしました!
異世界転生って、こういうものなんでしょうか?

あとで、
「異世界転生 近所」
で検索してみようと思います。

赤いきつねさんの転生先は、どんなところなんですか?

赤いきつね:1分前
私が転生しているのは、宇宙🌌です。

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